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生涯所得は遺伝するが教育はその傾向を弱める

生涯所得の遺伝率
Heritability of Lifetime Income

生まれか育ちかというのは、だいぶ前からホットな話題だが、

最近では生まれと育ちが相互作用する中でいろんな能力や気質が顕在化するというところに落ち着いてる。

今回、遺伝的な要因が所得にどれ位影響するんだろうと思ってこの論文を読んで見る。

この研究では、フィンランドのデータを使って、遺伝がどの程度生涯所得に影響するのか、また教育がその影響をどの程度緩和するかについて、双子のデータを調べている。

結果を示すと

・遺伝的要因が生涯所得を説明する要因(分散)は、男性が54%、女性が24%

・しかし教育の影響(フィンランドの教育政策改革の前後で比較)を入れると、その要因の度合は男性が8%、女性が5%減少する。

・生育環境はほとんど生涯所得にほとんど影響を与えない。

とのこと。

つまり男性で言えば、生まれついた段階でどれだけ稼げるかは半分程度、女性であれば四分の一程度決まっているが、

平等な教育制度をかませれば、その影響は緩和できるとのこと。

遺伝的な要因が所得格差の結構な要因を占めるということは、放っておけば所得格差はどんどん開くということで、

所得格差が与える国家の運営に与える長期的弊害を考えれば、政策としては教育を受ける機会の平等化が賢いんだろうと思うが、どうなんだろう。

Q: 教育格差と国力って関係あるんだろうか?

米国の教育格差による経済的損失
The economic cost of the US education gap

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