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『失う前に』|あの時から[ctrl]+[s]はツルツルピカピカ!

副題:初めてのDTP(Desktop publishing)で48時間耐久を経験

ある簡易小冊子の版下データをQuarkXPressというソフトを使って、まさしくDTPに挑んだ時の悲劇から学んだ気付き(その後の習慣)をご紹介します。

仕上りは、A5(A4の半分)サイズ、見開き、300ページ、モノクロ、簡易印刷で1,000部で、納期は一週間後でした。

版下データの入稿約束は、翌日の朝9:00。
数日前から取り組んではいましたが、結局、全体のまとめ作業は徹夜覚悟となりました。

Appleマークの印象的なMacintoshには既に慣れていましたが、プロも利用するQuarkXPressと正面から向き合うのはその日がほぼ初めてでした。

Mac上で動作するソフトの特徴は、GUI(Graphical User Interface)に優れ、簡単に言い換えると、見た目で直感的に操作できることです。

類似のソフトを利用したことがあれば、概ねマニュアルを必至に読む必要もなく操作できてしまいました。
これは決して私が優れているのではなく、ソフトウェア(アプリケーション)が人の操作に優しく優秀だからです。
それはMacOSとその上で動くソフトの素晴らしい特徴でした。

(いらないファイル(アイコン)をゴミ箱にドラッグするだけで、削除できてしまうというのは正しくGUIの恩恵です。)


ざっくりと、こんな感覚に頼っての徹夜覚悟でした。
(何とも勇気ある、かつ無茶なことだったか。そんな冒険ができる世界でした。)


QuarkXPressには、大きく分けてテキストボックスと画像ボックスの2種類があり、白紙のページ上に、テキストと画像の入れ物を配置してゆくスタイルです。
便利なところは、一度配置を固めると、文字数やフォントサイズが変わっても、テキストの連結機能によって自動的に流れ込んでくれるのです。

(わざわざ、こっちからあっちへ、そこからここへとテキストのカット&ペースト(切り取りと貼り付け)などの手間がないのです。)

流し込むテキストデータも取り込む画像データ(図版)もほぼ準備はできていましたので、頭の中では、「あと流し込むだけ!」と考えていました。
(だから、徹夜でカバーできると腹を括ったのです。)


深夜のおやつタイムが来る頃でした。
(コンビニで買い込んだチョコ類(小分け梱包)が楽しみ!)
(終了間際のご褒美タイムの予定でした。)


ふと違和感に気付きました。

「画面が動きません!」
(フリーズと呼びます。)

マウスポインター(矢印マーク)が、作業途中の画像ボックスから動かないのです。

(応急対処!)
(緊急対処!)

そう心の中で呪文のように唱えながら(祈りながら)、
・静かに、マウスのソケットを抜き差し、確認。
・キーボードのソケットをを抜き差し、接触確認。
・17インチ・ディスプレイの電源ON/OFFを切り替えてみる。
その他、無駄だと分かっていましたが、ディスプレイのコンセントを辿り、抜き差し、接触確認。


残念ながら・・・

「Macを再起動させる他に~」
「~この状態を抜ける方法がありません!」

すなわち、(どこまでHD(ハードディスク)に保存できていたか定かではありませんが。)

せっかく苦労して作成してきたデータが、消滅してしまうのです。
(HDには作業成果が残らない。)

(フリーズの原因の主は、RAM(ランダムアクセスメモリ)と呼ばれる一時メモリ(作業領域)の不足です。)

2~3分ほど。
(もっと長かったかも知れません。)

私もフリーズしました。(悲壮)

その瞬間は、落胆と絶望と悔しさと怒りと情けなさで、蒼ざめていたと思います。

(ただ、口と手は動き続け、買い込んだチョコの小袋を破いては捨て、破いては食べ、袋を捨ての繰り返しでした。)
(あっという間に、ゴミ箱はふわふわの子袋で一杯になりました。)

決断の時。

「リスタートしかない!」

(Mac特有の軽快で楽しそうな起動音が部屋に響きました。)
(この時こそ、不協和音だったはずです。)


Macの起動が終わり、マウスポインターの位置を確認するやいなや、先ほどまで作業していたデータを急いでダブルクリックしました。

作業の途中、何度か保存していたようで、100頁ほどが残っていました。

「全滅ではない。」

このことだけが心の支えとなり続きの作業を開始しました。

二度目の作業とはいえ、物理的な作業は同じなため相応の時間が必要となりました。


結果的には、なんとか印刷会社様へは半日の猶予時間をいただき、物理的な印刷入稿のデッドラインに間に合わせることができました。
お陰様で、予定していた他の仕事も数珠繋ぎで押されたため、
結局は48時間の耐久レース参加の気分を味うこととなってしまいました。

(印刷工程に関わった全ての方々へ、お詫びと感謝の気持ちを伝えしたく思います。)


その直後からの習慣になったのが、

[ctrl]+[s]

キーボードの[ctrl]キーを押しながら、[s]キーを押すショートカットキー。

「上書き保存」です。


一文字々の入力と確定の度に[ctrl]+[s]を押す必要はありませんが、
私の場合は、この恐怖体験から「小節単位」、または作業や思考の「一区切り」で、[ctrl]+[s]を無意識に押すようになってしまいました。

その癖(習慣)の弊害(目に見える変化)として、
キーボードの[ctrl]と[s]だけは、文字のペイントも剥げてツルツルピカピカになっています。(笑)

キーボードの中で違和感を醸し出し輝いています。(苦笑)


緊急速報!もしもに備え念のため|USBにバックアップを!

https://note.com/joyaji/n/n1756291ee83d

USBバックアップの記事にも書かせていただきましたが、

大事なデータ(電子書類)は、

・最低限としてそのHDの中で
・できれば、他のメディア(媒体、機器)によって、

バックアップを確保しておくことが大切です。


手元作業で、原本に気遣う(気になる)ようならば、

その原本となるデータ(ファイル)を、コピー&ペースト、または複製し、取り分けてしまえば安心です。


ファイル名でいうと、

[原本]に対して、

[原本_作業用]という別のデータが存在すれば、どんな風に扱おうと元の[原本]に影響を与えることはありません。

但し、[原本]が単一で独立したデータの場合に限ります。

[原本]の外見では判断できない、他のデータとのリンクや連携がある場合は、その環境を全て網羅して複製する必要があります。

恐らくは、このような規模(複雑な)のデータが目前(作業PC)にあるということは、この仕組みを知る管理者や経験者が存在するはずです。
その方々に一言尋ねられてから、原本の複製作業に手を付けるよう、ご提案します。


大切なデータ(電子書類)を失う前に。

気付きの共有となれば嬉しいです。


最後までお読み下さり、ありがとうございました。


* * * * *
※この記事の悩みどころ(表現として判断に迷った事をメモし始めました)
・先行して超時短編を投稿しましたため、その記事の背景をたっぷり臨場感含めて書いてみました。

超時短『気付きと勇気の共有』|デジタル(電子書類)を恐れない秘訣!
https://note.com/joyaji/n/n75c2a0beb0e1


※参考・引用
<イメージ写真>
・SATOSHINPIさんによるものです。
https://www.photo-ac.com


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