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母が私に結婚と出産を急かす本当の理由

母が私に結婚と出産を急かす理由がようやく理解できるようになった。という話です。

家族との会話って、どうしても「わかってくれるはず」という気持ちが先行しちゃうから、気がつかないうちにすれ違ってしまうことがあるよね。


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大学卒業後、就職を機に一人暮らしを始めた。25歳を過ぎた頃だろうか、実家に帰るたびに母は私の将来を心配するようになった。結婚、妊娠、出産、子育て。あちこちに少しの心配と催促を織り交ぜるような母との会話に、少しずつ窮屈に感じるようになった。

それから私は大好きだった実家からちょっとだけ、ほんの少しだけ距離を置いた。毎月のように帰っていたのが2、3ヶ月に1度になり、趣味の海外旅行を言い訳にしてお盆の親戚の集まりにも顔を出さなくなった。


親だから多少の心配は当然だと思うし、私も気が付いたら、もうすぐ28歳になるわけで。母が私の結婚話のひとつやふたつ待っていてもおかしくない。おまけに実家は田舎で、中学や高校の友達は結婚して出産して中には離婚までしているから、もしかしたら私以上に漠然と焦りを感じていたのかもしれない。そんなことを思っていた。


私は、母をはじめとする親戚たちの心配を、ヒラリとかわして生きていた。時にうっかり全身に受け止めて、結婚できない自分に悲しくなった。それを何回か繰り返して、聞き入れることをやめた。

「だって、心配するほどシリアスな問題じゃないもの。私、彼氏いるし。職場の保育園には割と高齢のお母さんだっているし。そんな、そこまで心配することない。」

そう頑なに思っていた。



9月に実家に帰った時に母との会話は、私の思い込みをひっくり返す威力のある一撃だった。

母の話はこうだ。母ははたちで結婚したのにもかかわらず、2年以上、赤ちゃんを授からなかった。自然妊娠できなかったらしい。夫婦生活があっても2年間、赤ちゃんを授からないことは、当時でも不妊を疑うのだそう。母は20代前半にして不妊だった。何度も病院に通い、薬を服用してやっと出来た子どもが私だという。そして、私の月経不順は若い頃の母とそっくりだという。だから、結婚と妊娠を急かしていた、と。


頭を引っ叩かれたような気分だった。


うちの家系は子どもが出来にくいという話はうっすらとは知っていた。けど、一般的には33歳を超えたら妊娠率がぐっと下がると言われているし、それまでなら私でもがんばれば他の人と変わらず子どもが産めると思っていた。

母をはじめ親戚一同が結婚を急かすのは、少子化とか、田舎ならではの、周りの目を気にしているからだとずっと、ずっと思っていた。思い込んでいた。疑わなかった。

母は私の気持ちに寄り添って、私が子どもを授からないのではないかと心配していたのだ。保育士を仕事にして、子どもが好きな娘。そんな娘が子どもを授かれないことはさぞ辛いだろう、と。だから、急かしていた。心配していた。催促していた。何度も私に伝えようとしてくれた。


聞く耳持たずでごめん。親の心子知らず、とはこのことか。自分の心も本当の意味で知らなかった。

母の話を聞いて、心の底から子どもを授かりたいと思った。と、同時にデキ婚した知り合いにネガティブな感情を抱いてしまう理由もわかった。それは、私が思うよりもずっと子どもを授かれることを渇望していたから。そして、それは今叶えられる夢ではないからだ。つまりは、ないものねだりだ。



まあ、だからといって、急に結婚して子どもを授かれるわけではないけれど。これを機に、自分の体を調べてみたり、検診に行ったり、彼氏と話したりしてみようと思う。



私がすてきな未来を思い描けますように。


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