地球に生まれる理由
アカデミー賞にノミネートされている映画『ソウルフル・ワールド』を観た。
安易にとてもいい、と言うな、と言われても、やっぱりPIXAR作品が好きだな。教訓的なことに気づきもあるけど、なにより、ありそうな世界の想像を肯定される感じが好み。スイスの心理学者のユングが唱えた、世界の全く違う場所で語り継がれた神話や昔話が似ているという「元型」(*)だからなのかな。
人が見ていないこところでおもちゃが動いている世界を描いている『トイ・ストーリー』シリーズ。死者の世界を描いてくれた『リメンバー・ミー』。感情をコントロールしている司令塔や記憶など脳を描いた『インサイド・ヘッド』。そして、魂の世界とリアルの世界を描いた『ソウルフル・ワールド』。
生まれる前の世界があって、雲の上から親を決めてきた、なんてことはよく聞くけれど、映画『ソウルフル・ワールド』の中では(ネタバレします)これから生まれる魂たちが、性格を決められた後、人間として生きたことがある魂のメンターに、次の人生での“きらめき”(英語だとsparkle。コンマリこと近藤麻理恵さんの“ときめきの”sparkle joyを思い出してしまった)を見つけると、地球への通行証が完成、地球へと飛んでいくことが出来る仕組み。ちなみに、人が死んで霊となった魂が帰る先は、宇宙に浮かぶ白い点が集まったグレートセントラルサンのような描写だった。
映画の中で、それぞれの魂の性格が決まる時「はい、5人はこっちの性格の館へ」「次の3人はあっちの性格の館へ」と振り分けられるのを見て、遺伝子だとか、育てられ方だとか、いろいろな説があるとしても、ある程度の法則性があると信じていたことを肯定された気がした。そして、そこで決められた要素を、どう活かすかは、結局、人次第なんだよな、と思った。
沢山の人の生年月日を見ていると、生まれる前に決めてきたニュートラルな人生の地図があって、それが、環境やタイミングで、プラスに作用したり、マイナスに作用していたりしているのがよくわかる。私は、生年月日から、大きく5つの要素と12個の数字を出して、その人の素の部分(多分、これがsparkleだと思う)、性質、この人生で経験すること、乗り越えること、心のブレーキ、ポジティブに進むための思考の方向、人との関係性、人生のリズム・タイミングなどがわかる。同じ様に、関わる人のことも理解することが出来る。どうしても会わない人が居たとしても、関わらない以外に、その人の思考、感情や行動を受け止めることは出来る。別に、受け入れるところまでしなくていいのだ。
そして、自分の過去のパターンを分析することで、未来を予測することも出来る。過去の経験から、未来に不安を持つのではなく、今を満喫したら、未来がよくなり、過去への捉え方も変わるのかもしれない。
『ソウルフル・ワールド』のメッセージの一つは「目的よりも大切なのは、今ここ、一瞬を大切にする」ということ。これまでも、何度も何度も言われてきていることだけれど、忙しく騒がしい毎日の中では、何度も言われても忘れちゃうことなのかもしれない。
流れで『インサイド・ヘッド』も再視聴してしまったのだけれど、ヨロコビだけでなく、どんな感情も大切で、イカリやムカムカ、ビビリ、カナシミだって、自分の一部で全部必要。全てはポジティブに使うことが出来ると思い出した。
目的を持って、努力して邁進する。怒っちゃダメ。泣いてちゃダメ。なんてのは終わり。「忙しい」とは、今、心を亡くしていること。大切なのは、今、目の前にあるものを、ちゃんと見ること。今、起きていることは、全て最善最良なのだ、という教えを信じ行動すること。そうやって積み重ねていれば、地球に生まれてきた理由を理解できるのだと思う。
*元型とは
人の心の深層の一番深いところ(普遍的無意識の層)に、人類に共通して、あらゆる民族にみとめられるイメ-ジ。
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