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新科目「情報Ⅰ」詳説-第一章 情報社会の問題解決:大学入学共通テスト新教科「情報」を知る4


今回は、2022年度の学習指導要領における新科目「情報Ⅰ」の中の「第一章 情報社会の問題解決」について、その内容や現行科目である「情報の科学」・「社会と情報」からの主な変更点を確認していきます。


【情報編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説によると、該当の章で身につけるべき知識及び技能は以下の通りです。

(ア)情報やメディアの特性を踏まえ,情報と情報技術を活用して問題を発見・解決 する方法を身に付けること。  

(イ) 情報に関する法規や制度,情報セキュリティの重要性,情報社会における個人の責任及び情報モラルについて理解すること。  

(ウ) 情報技術が人や社会に果たす役割と及ぼす影響について理解すること。

また、これらの習得を通じて身につけるべき思考力,判断力,表現力等として 

(ア)目的や状況に応じて,情報と情報技術を適切かつ効果的に活用して問題を発見・解決する方法について考えること。  

(イ) 情報に関する法規や制度及びマナーの意義,情報社会において個人の果たす役割や責任,情報モラルなどについて、それらの背景を科学的に捉え、考察すること。  

(ウ) 情報と情報技術の適切かつ効果的な活用と望ましい情報社会の構築について考察すること。

と記載されています。

第一章以外の章でも共通して言えることですが、現行科目の学習指導要領からの大きな変更点としては、「理解させる」ことベースの目標設定から、「理解を通じてどのような能力の獲得を目指すか」まで踏み込んだ目標設定になった点にあります。


このため上記の資料でも、たとえば問題解決について、平成22年の学習指導要領解説では

「問題を解決する方法に関する基礎的な知識と技能を習得させる(中略)問題を解決するためには,このように具体的な手順を考えることが重要であることを理解させる。」


という表現でしたが、新しい学習指導要領解説では

「問題を発見・解決するための一連の流れの中で, 情報と情報技術を適切かつ効果的に活用し,思考を広げ,整理し,深め,科学的な根拠をもって物事を判断する力を養う。その際,問題解決のゴールを想定する力,複数の解決策を作り科学的な根拠に基づき合理的に選択する力,問題がどの程度解決されたのかを判断する力,他の方法を選択していた場合の結果を予想する力,問題を発見・解決する過程を振り返って改善する力を養う。」


となっており、より本質的な理解や思考力が求められる内容へと表現が変更されています。

また、前回もお伝えした通り、「情報Ⅰ」は第一章で学習する問題解決のツールとして二章から四章の内容について詳しく学習していく、という構成になっているため、この章の内容は、次の章から学習していく内容のベースにもなっています。


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