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スタートアップのビジネスモデルに必要な7のこと

新しく事業を始めるとき、アイデアを形にしたいとき、ピッチを行うとき、ビジネスプランの骨組みをしっかり網羅するために、覚えておきたいことのメモ。

以下それぞれの項目について検討すべき内容と留意点
1. Purpose of the Business Plan(外部とのコミュニケーションの目的)
2. Product - Value Proposition(バリュープロポジション)
3. Market(市場)
4. Production / Delivery(オペレーション)
5. Qualifications(チーム編成)
6. Sales and Profit(財務状況、プロフォーマ)
7. Sustainability(事業継続性)

1. Purpose of the Business Plan (外部とのコミュニケーションの目的)

なぜ、ビジネスプランを伝えるのか、その目的の明確化。

スタートアップがビジネスピッチを行うときの目的は、主に資金調達。どれだけの外部資金が必要か、またその資金をどのように使用するかを明確にする。

注意すべきは、自分たちが得たい結果ではなく「資金の使用用途」をしっかり述べること。例えば「3年目までに3,000人の顧客獲得を行うため」ではなく「2年目に○○のチャネルを利用した広告費のため」等、具体的な活動を明確にする。

また、具体的な株式の持分については明らかにする必要はなく、「この資金調達によって何%の資本を渡す」といった記載は不要。

アメリカのスタートアップファンディングにおいてはConvertible bondでの調達が一般的。

2. Product - Value Proposition(バリュープロポジション)

ビジネスの肝:バリュープロポジション

このビジネスによって解決される課題の明確化と、自分たちのビジネスによってどのようにその課題が解決されるかを述べる。

チェックポイントとしては、解決策が市場に存在するギャップとどれだけ紐付いているかどうか。説得力のある論理展開は、課題提起→解決策の提示→実証結果(Proof of concept)。

Value Proposition:△△ helps ○○ who want to ×× by □□ and ××

また、そのバリュープロポジションの実現可能性が実証されていることをアンケートや実際の検証等で得られたデータで示す。(Proof of concept

3. Market(市場)

ターゲットとする市場がどれだけ魅力的か?に答える。いくらビジネスとしてうまく成り立っていても、市場が魅力的でなければ、持続的に成長を続けるビジネスを作ることはできない。

魅力=規模+成長率+競合と市場シェア

特に注意すべきは、自分たちがリーチできる市場(TAM: Total Addressable Market)を明確にすること。論理展開は全体市場→ターゲット市場(大→小)。

また、ターゲット市場の中で、どのセグメントをビーチヘッド市場とするか、要はどこからその市場に入り込もうとしているか、を明確にする。

4. Production / Delivery(オペレーション)

そのサービス/製品をどのように生み出すか、またそのためにどのような資源が必要となるかを述べる。オペレーション上重要となる事業活動は異なるのでそのサービスに合わせて注力する点を明確にする。

5. Qualifications(チーム編成)

特にスタートアップのピッチにおいて、チームがどのようなケーパビリティをもっているかアピールすることは、実行段階の説得力を高めるために重要な要素。

基本的には、自分たちのビジネスに合った能力をチーム全体として保有していることを伝える。例えば、マーケティング活動が重要なプラットフォーム型のビジネスであれば、マーケティング業務に過去に従事した経験や実績があるメンバーがいることをしっかりと述べる。

また、自分たちのチームだけでなく、どのようなプロフェッショナル/アドバイザーに相談をしているかについても記載する。

6. Sales and Profit(財務状況、プロフォーマ)

売上と利益(Net Income)予測と5年後のEBITDAなど、スタートアップのバリエーションができるような情報。

スタートアップの場合、多少強引にでも楽観的な予測をたてる。考え方としては、自分たちで限界を設定し悲観的な数字を伝えるのではなく、楽観的な予測をたて、その数字を達成するために何が必要かを逆算していく。


7. Sustainability(事業継続性)

ビジネスが社会に与える影響を明確にすることで、如何に事業として継続可能性があるかを述べる。重要な考え方は「Less is more」。社会的・文化的な側面や企業倫理の観点でどれだけ戦略をもって進めるかが大切。

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ここまでが各項目についての備忘メモ。以下は現在取り組んでいるビジネスアイデアについての想い。

9月からあるビジネスアイデアの実現に向けて取り組んできた。一つのマイルストーンとして、2月にタイのSasin大学で行われるビジネスコンペティションへ参加したが、結果として1次選考を通過することは叶わなかった。

何となく、これまで自分たちが取り組んできた内容や費やしてきた時間から、一次予選は通過できると思っていたが、甘かった。全然そんなことはないのだけど、この結果を通して自分たちのビジネスアイデアに「失格の烙印」を押された気分だった。

そして、やはりチームをドライブしてきた一つの目標がなくなった今、今後どのように進めていこうか岐路にたっている。

ある意味、この失敗経験はスタートアップとして成功していくために必要なステップであるとも感じている。テストして、失敗して、アイデアを磨いていく。ここで止まらずに前を進む決断をすること、どうやったら戦略的に失敗を重ねていけるか、を考えていくことが必要なこと。止めることは簡単だけど。

今日初めて自分たちのビジネスアイデアを実際に検証した。いかに机上と現実は異なるか。ビジネスの芽を見初めている段階では、いくらでも顧客の声に合わせてピボットできる。アイデアを現実にするのは本当に難しく、結果として何も生み出さないことになってしまうかもしれないが、自分たちの信念・軸を明確にして、もう少しもがいてみようと思う。

備忘として。課題をどこまで深掘りできるか、がその後の成否を分ける。特にピッチをするとき。いかに課題が深刻で重要なものか、これを伝えることができれば、解決策はシンプルなものになるはず。

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