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国道駅をゆく(神奈川)

ゴールデンウイークまっただなか。
ようやく外出制限も緩和され、久しぶりの長期連休。
そこで出かける先とくれば、とうぜん国道駅ですよね。家族連れがピクニック気分で浮かれながら街を歩く中、ひとり流れに逆らいつつ国道駅を目指します。

ということで、早速到着です。懐かし~い。以前にいちど訪問したことがありますが、あれからもう何年になるかな。


音量注意!

とりあえず、移動しましょうか。鳩フン公害に目をつむりつつ。


高架駅なので、地上階へ降りる前にうえから眺めてみます。アーチ形の天井がロマンを感じさせるね。遺構と呼ぶにふさわしいフォルムです。


音量注意!

とても令和とは思えない。ここだけ時が止まっています。開業は昭和5年(1930年)で、構内はほぼ当時のままらしい。1930年って簡単に言いますけど、ほぼ100年前ですからね(!!)。
両脇にあるのはかつての商業施設の名残で、現在は、ほぼすべて営業を終えている。
が、それにしても人がいないな。
先ほども書いたとおり、ここを訪れるのは2回目です。


以前に訪れた時の写真。前回の訪問時は結構な晴天でした。


前回の写真その2。う~ん、いまとまったく変わっていない。もっとも、1世紀の歴史の前ではここ数年の変化なんて、あってないようなもんですわ。
前回の写真その3。放置自転車すごい。この点だけは改善されたのかな。


ということで時間を現在に戻し、地上階へ降り立ってみる。昼間でさえこの光量なので、夜はいかばかりか。でもこの冷たい質感がとても好きです。夏場に来るとよさそう。


かつての不動産屋の跡。営業はしていませんが、住居としてまだ使われている様子。


「貼り紙禁ず」この札もいつから貼られているのか……


表に出て、ガード下を鶴見駅方面へ歩いてみます。


てくてく歩いていく。


ガード下に商店はなく住居が並んでいます。ここは現役みたいですね。


橋脚は重厚に作られているものの、やはり老朽化が進んでいる。


国道駅の隣はターミナルの鶴見駅。JR鶴見線以外にも多くの路線が乗り入れているため――


こんな感じで線路も多い。陸橋で乗り越えつつ、さらにガード下を進みます。


鶴見駅に到着する直前、商店の名残を発見。最初よくわからなかったんだけど、右から読むのね。「ペンキ塗請負」と書いてある。ただの広告なのか、それともこの場所でかつて商売が営まれていたのか。いまとなっては、もう知る由もない。

この一帯は閑静な住宅街ではあるものの、やっぱり建築物の老朽化は見るからに深刻で、いつ取り壊しや補修工事が入らないとも限らない。1世紀近くかつての姿を維持してきた事実はスゴイことだけど、それは明日やあさってを保証してくれるわけじゃないんだよな。
そういう意味では、ふたたび国道駅の「あの空間」に身を置けたのは幸運だったのかもしれない。