「ドンコルレオーネ、まだこの本を読んでない人がいるらしいです」「なに? よし、教えてやれ」【逆ソクラテス】の感想

Vol.3

やっと梅雨が明けてくれたので洗濯物を干すのに天気予報を見なくなったジョセフィーヌです。
梅雨の時期の洗濯って大変ですよね。
乾燥機があれば楽でいいなと思っていたら、職場の人に洗濯物が伸びるか使えないと言われて驚きました。
万能の機械だと思っていたのにまさかそのような弱点があるなんて。
曾祖父さんから父親の代まで洗濯屋だったのに、全く洗濯について無知なのは笑える。
だがこれで終わってはいけないと思い、父親に乾燥機が乾くために使えないのなら何に使うのか聞いてみた。
「あれはある程度乾いた時に使うといい。シワが取れて仕上がりが良くなるからね」
まさかの乾燥機の使い道が乾いた後なんて、全然考えもしなかった。
何故か父親の洗濯物の仕上がりと自分の仕上がりが違うのは、アイロンの技術だとずっと思っていた。
しかしそうではなく、さらに乾燥機を使うために毎回コインランドリーを使っていたなんて驚きだ。
コインランドリーのせいで我が家の洗濯屋は時代の役目を終えてしまったのに、そのコインランドリーに頼っていたなんて。
しかしこれは役立つことを知った。
今度から自分も使おう。
昨日の敵は今日の友だ。

さて本題と行きましょう。
本日紹介するのは、伊坂 幸太郎さんの【逆ソクラテス】です。
かなり表紙にインパクトのある作品ですよね。
この作品について紹介したいと思います。

感想

ソクラテスとは古代ギリシャで活躍した哲学者なのでかなり有名な人物だろう。
そんな大哲学者の名前を使っているのだから、さぞかし難解なことが書かれていると思っていたが、子供たちが主人公の短編形式で子供らしく普通の会話を楽しむものだ。
しかし哲学者の名を冠したタイトル通り、みんなが普段仕方ないで済ますことに対して別の観点からアプローチをしてくる。
子供の日常なので主に学校が舞台です。
子供の頃を思い出すと、自分は結構溜め込むタイプで周りを気にするタイプでした。
狭い視野で、足りない知識は想像で補っていたのでかなり無理矢理な論理の組み立て方をする。
もしかしたらそれが普通かもしれません。
しかし少しでも知識があれば、学校内でそれは違うと別の観点から学校生活をもっと楽しいものにできたかもしれません。
よくまた学生に戻りたいという話題が出るが、自分は絶対に十八歳より前には戻りたくないと思っている。
楽しい思い出も多かったが、それと同じくらいきつい日々でもあった。
運がいいことにいじめられた事はないので贅沢かもしれないが、それでも戻りたくはない。
この作品を読むと、昔のことをたくさん思い出しました。
たらればの世界はありえないかもしれないが、私にも逆ソクラテスの子供達と同じように、自分の気持ちをもっと出していればまた違う人生の物語があったのかもしれない。

この作品から学んだこと

様々な作品を通して、登場人物たちに感じさせられるのは、自分なりの信念があることだ。
最初はへなちょこ主人公だが、話が進むうちにかっこよくなっていくこともある。
それはおそらく一つの信念がそのキャラを表現するよう始めたからだろう。
信念は共感を呼び、そして尊敬される。
もし主人公と同じくらい強い信念が敵キャラにあれば、その二人の戦いを書けば面白くなっていくだろう。
それこそが敵キャラが魅力的に移る一つの理由ではないだろうか。
誰が正しいというわけではなく、自分だけに当てはまる真理がそのキャラをまるで本物の人間のようにしてくれるのだろう。
作品では私の考えがそのまま反映される。
私の都合の良い解釈で何かを伝えてしまい、それを読者が信じてしまうかもしれない。
その時には、誰かがこう言って欲しい。
「私はそう思わない」

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