束縛をしてはならない「獣の奏者」感想

Vol.7
最近新しい本を読むように時代について行ってる気がしてきました。
本に限らず、音楽でも映画でも旬というものがある気がする。
それをしっかり追うことでやっと過去の作品に手を伸ばす余裕が出てくる。
毎年良い作品がたくさん出てくるので、その都度消化しないといつまで経っても追いつけない。
今だからこそ感じる感性があるはずだ。
さて、今日はかなり前の作品を紹介します。
上橋菜穂子さんの【獣の奏者】を紹介致します。

感想

私が子供の頃にNHKで放送された作品で、世界観にかなり引き込まれた作品です。
小さい時に罪人になった母親と離れ離れになって、多くの人に支えられながら自分の道を進んでいき、類まれな洞察力で世界の真実に気付いていく。
生き物に対して真っ向から対話を試みて、時には自然に牙を向かれて本当の意味で動物を理解していく。
人生とは本当に美しく、世にあるものは様々な偶然によって作り出されている。
それを学ぼうとする主人公エリンに対して、最初は小さな子供と思って接し、最後には一人の母として敬う気持ちになってしまった。
もっとこの作品を見ていたかった。

**

この作品から学んだこと**

情景描写は難しい。
どんなに頑張っても、まだ納得のいく文章が書けていない。
もちろん小説は文ばかりが大事ではない。
しかし、細部までしっかり伝えたいと思うのは私だけではないと思う。
この植物はこう言った理由でここに生えており、今後こういった役割を持たせる。
細かな伏線を散りばめたいのに、実力不足で表現できないのは本当に口惜しい。
この作品ではさらに主人公と一緒に生きている気がしてくる。
最後の巻では涙が自然と出てしまった。
まるで友であったかのように感じるこの気持ちを、自分の作品でも思わせたい。

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