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殷富門院大輔が百人一首に残した作品は?

殷富門院大輔いんぶもんいんのたいふが百人一首に残した作品は、、、

─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆歌枕
☆本歌取り
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品

♪ 見せばやな
  雄島のあまの
  袖だにも
  濡れにぞ濡れし
  色は変らず

です。

読みは、

♪ みせばやな
  おじまのあまの
  そでだにも
  ぬれにぞぬれし
  いろはかわらず

となります。

☆意味

見せばやな
   (私の袖を
    見せたいものです)
雄島のあまの
      (雄島の漁師の)
袖だにも    (袖でさえ)
濡れにぞ濡れし
    (波しぶきで
     濡れても濡れても)
色は変らず
    (色は変わりません)

☆歌枕

2句「雄島」
  宮城県の松島にある島。
   次の記事の32.



☆本歌取り

48番源重之みなもとのしげゆき

♪ 松島や
  雄島の磯に
  あさりせし
  あまの袖こそ
  かくは濡れしか

という歌を本歌(ほんか)にした「本歌取り」

ただし、上記の歌は、百人一首には収録されていません。



☆文法解説

1句:「見せばやな」
  「ばや」願望の終助詞

「な」詠嘆の終助詞

「見せたいものだ」という意味

何を「見せたい」のかと言うと、自分の袖。

なぜ「見せたい」のかは、後述。

2句:「あま」漁師のこと

3句:「袖だにも」
  「袖でさえ」という意味

  「だに」副助詞


5句:「ず」
   打ち消しの助動詞


☆鑑賞

殷富門院大輔は、ツライ恋で
涙を流し、涙も枯れ果てて
遂には、「血の涙」が出てしまったというのです。

「血の涙」を袖で拭ったから、色が変わってしまったのですね。

それを「見せたいものだ」と歌っているのです。

☆出典

『千載集』恋・884

★関連動画


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