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二条院讃岐が百人一首に残した作品は?

二条院讃岐にじょういんのさぬきが百人一首に残した作品は、、、

─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆序詞
☆本歌取り
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品

♪ わが袖は
  汐干に見えぬ
  沖の石の
  人こそ知らね
  乾くまもなし

です。

読みは、

♪ わがそでは
  しおひにみえぬ
  おきのいしの
  ひとこそしらね
  かわくまもなし

となります。

☆意味

わが袖は   (私の袖は)
汐干に見えぬ
   (潮が干いた時にも
         見えない)
沖の石の
    (沖の石のようです)
人こそ知らね
  (あなたは
   知らないでしょうね)
乾くまもなし
    (悲しみの涙で
    乾く暇がないのです)


☆序詞

2句・3句「汐干に見えぬ 沖の石の」は、

4句・5句「人こそ知らね 乾くまもなし」を引き出す


☆本歌取り

和泉式部の

♪ わが袖は
  水の下なる
  石なれや
  人に知られで
  かわく間もなし

を本歌取りした。

「涙で袖が濡れる」というような表現は、和歌に多いようで百人一首には、

他に2首あります。

65番:恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ(相模)

90番:見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変らず(殷富門院大輔)


☆文法解説

2句:「汐干に見えぬ」
   「ぬ」打ち消しの助動詞

4句:「人こそ知らね」
   「こそ」係助詞
   「ね」打ち消しの助動詞

    係結び


☆鑑賞

この歌の「潮干に見えぬ沖の石」という言葉は、当時その新鮮さがウケて大評判となり、

以後、二条院讃岐は「沖の石の讃岐」と呼ばれるようになったそうです。


☆出典

『千載集』恋2・760

但し、5句
「乾くまもなし」
が、
「乾くまぞなき」
と、係結びになっている

★関連動画


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