見出し画像

入道前太政大臣が百人一首に残した作品は?

入道前太政大臣が百人一首に残した作品は、、、

♪ 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで
  ふりゆくものは わが身なりけり

です。

読みは、

♪ はなさそう あらしのにわの ゆきならで
  ふりゆくものは わがみなりけり

となります。

1句「花」は、桜の花です。

「さそふ」は、嵐が桜の花を誘って散らすことを指します。

3句「雪ならで」は、「雪ではなくて」です。《で》接続助詞


4句「ふりゆくものは」ですが、

これは、「桜の花びらが降りゆく」と、

入道前太政大臣自身が「古りゆく(老いてゆく)」のとの掛詞(かけことば)です。

5句「わが身なりけり」の「なり」は、断定の助動詞、

「けり」は、感動の助動詞です。※

花さそふ
 (桜の花を誘って散らす)
嵐の庭の
     (嵐が吹く庭の)
雪ならで
     (雪ではなくて)
ふりゆくものは
  (桜の花が降りゆく、
   その
   『ふりゆく』
   ではないが、
      古りゆくのは)
わが身なりけり
     (私なのだナァ)

桜が舞い散るのを観て、降りゆく(古りゆく)、

すなわち年老いていくのは私なのだナァ、としみじみと述懐している歌です。

※ 032 春道列樹と同じ



★トリビア
 現代の会話で、
 《けりがつく》
 と、よく言います。
 これは、古典の
 《けり》
 が、語源だそうです。

Please return to . . .
─────────────
【入道前太政大臣】

.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?