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あの時あの場所に旅をするー グリューワインを楽しむ ー


クリスマスを待つこの時間が好きだ。

昔訪れたヨーロッパ各地のクリスマスマーケット。
場所はドイツだったか、オーストリアだったか。
街は華やかに彩られ、さながら物語の中に入り込んだかのように錯覚する。

雪がしんしんと降る空の下、
スパイスの効いた温かい飲み物を飲む。
日本でホットワインと呼ばれるこの飲み物は
ドイツ語圏ではグリューワインと呼ばれる
ヨーロッパでは定番の飲み物だ。

ドイツ語で「燃える・熱を帯びる」という意味を持つ
グリュー(Glüh)の名のとおり
まろやかな甘みとスパイスの香りが
ゆっくりと身体に行き渡り温めてくれる。

そして、時折ふと感じる感覚が訪れる。

「ああ。今、ここにいるんだなあ」

そういった瞬間はとても大切に思えて
ずっとこの感覚を覚えておきたい、という気持ちになるから
ワインの香り、味、楽しそうに行き交う人々、雪の降りしきる音、カップから手に伝わる温度。
この瞬間を切り取るように、
五感を研ぎ澄ませ記憶をするのだ。


だから冬はグリューワインを作る。
鍋に赤ワインを入れ、たくさんのスパイスとフルーツを入れて温める。
くつくつとした鍋から懐かしい香りがする。

ランタンと、小さな椅子を持ってベランダに腰掛ける。
冷たい空気を吸い込み、カップを口に運ぶ。
そしてあの時の、あの場所に旅に出るのだ。

さて、今年もクリスマスを楽しもうか。


グリューワインレシピ

・赤ワイン (750ml 1本分)
・はちみつや砂糖など(適量)

スパイス色々
・クローブ(適量)
・シナモンスティック(1本)
・スターアニス(八角)なくてもOK
・黒胡椒(粒)
・生姜スライス

フルーツ
・オレンジスライス
・レモンスライス

1.鍋にワインとスパイスを入れ、沸騰直前まで火にかける
2.フルーツを入れ、あたためる
3.好みで甘さを調節する

安いワインでOK!
あまり口にあわなくて、飲みきれなくて残ったワインなども美味しくいただけます。
スパイスは全部入れなくてもOK!
個人的にクローブとシナモンは必要かなと思います。

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