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#15 「会いたい」
久しぶりの現役時代の夢の一言で起きた。
なにかの暗示なのかどうかはわからないが、この公私共に充実している俺へのフラッシュバックなのかもしれない。
とは、言うもののいつものように彼女への
[おはよう]
から俺の1日はスタートした。
そして、俺は弾丸の日帰り秋田出張。
東北の地に足を踏み入れるからあんな夢をみたのかな。
と、思った。あの話はまた今度。
新幹線に乗り秋田へ向けて東京駅を出発した。
新幹線出張する際の自分なりのルーティンというか食べるものがある。
全国津々浦々の駅弁やらお土産が一同に集まる東京駅。
とはいうものの「崎陽軒」のシュウマイ弁当とシュウマイ15個入りを新幹線の中で食べるという、忙しい中での俺の楽しみ。
出発してすぐに食べ終えて4時間かけて秋田へ向かう。
その間はもちろん爆睡。
彼女も忙しいのかレスポンスが悪い。
とはいう寝てても2時間くらいで目が覚めてしまい何をするわけでもなく彼女からのメールを待っていたのだが、彼女の写真が欲しくなり、
[メガネバージョン恵の写真欲しいな]
とリクエストして、伊坂幸太郎の『砂漠』を読んでいた。
秋田駅に着いたのは12時過ぎだった。
レンタカーに乗り込み、宿泊施設との打ち合わせに向かう。
同僚の荻さんと田中さんを乗せて、あーじゃないこーじゃないと言いながら俺の運転で向かう。
宿泊施設での打ち合わせは、俺の担当外なので駐車場で待っていた。
LINEの短い着信音が鳴る。
[お昼食べてたー!めがねを着用している写真探したけどなーい!]
と彼女から。
[今の恵が欲しいなー]
彼女は俺の知っている選手や好きな外国人選手とのショットを送ってくれた。
どの写真も彼女はステキな笑顔をしていた。チームや会社の人たちはその笑顔を当たり前のように見ているかと思うと嫉妬した。
[ありがとー!恵だけのはー?]
[探しだけどなーい!]
[今のが欲しいよー]
[会社ではレンズに目隠し貼らなきゃだから今できない…ごめん]
[残念…じゃあ落ち着いたら送ってー]
[が、がんばる(笑)]
無事に視察と現地の自治体、スタッフの方々との打ち合わせは終わり駅に向かう。
レンタカーを営業所に返しに行き、ギリギリ新幹線に間に合い飛び乗ると、同行した上司の荻さんに
「おつかれさん!ほら、駅弁!」
なんと秋田なのに宮城の牛タン弁当!
あまり食べ物は、
『ここだから、これを食べよう』
という感覚はなく、食べたい物を食べるというスタンスだけど、荻さんの俺が肉好きというのを知っていてくれて嬉しかった。
座席は離れていた。
お互いストレスがないようにという配慮からだ。
俺もこういう上司、先輩の心配りをしたいと思った。
秋田から新幹線だと4時間かけて東京に戻る。
もちろん牛タンを食すのだが、温める装置?がある。
弁当の底の紐を引っ張ると次第に熱くなる仕組みだ。
熱々のお弁当。
その写真を撮り、一瞬で胃袋の中に。
すかさず彼女に画像を送る。
時間的にはまだ、業務中なので返信を期待せず、座席をリクライニングして眠りについた。
『次は仙台〜』
というアナウンスと同時に目がさめる。
と同時にLINEの短い着信も鳴る。
重なり仕事のメールの着信も食い気味に鳴る。
仕事には微妙にモテる。
別にそんなモテはいらないが、仕事でモテる人は二種類だ。
①仕事が出来すぎてしまいモテる
②仕事ができないわけじゃない中途半端な人は、不安にさせてモテる(笑)
俺はもちろん①と②の中間。
だと、勝手に自己評価をしてしまっているが、どんな大会にもチーフをやらせてもらったりしているので、あながち嘘ではない…はず。
今の自分は何か充実している気がする。
現役時代にもこんな感じはあまりなかった。
恵から
[牛タン!いーなー!]
[仙台でもないのにねー!食べ行こか?]
[うん!いきたい!]
[【超弾丸仙台牛タン食べるぞツアー】でも企画する?いついける?チームは色々勝手が違って大変じゃないかな?]
[行きたーい!!!だいじょーぶ!あたし、総務だから!]
とは、言うがいろいろ聞いていると、チームスタッフの数は他のトップチームに比べてもそこまで手厚くない。
ただ、[会える]なら『会いたい』気持ちは揺るが無い【事実】だ。
[けど、東京タワーいきたい]
そうだ、初めて会った時に提案していたこと。
二日前のことだけど、ものすごく前に話をしたような感じがする。
「もちろん階段で登るでしょ!?それともキングコングみたくよじ登る?(笑)]
[膝が壊れちゃうよー💦仲良くエレベーターで行こうよ!]
[ちゃんと手をつないであげるよー?]
[そしたらスニーカーで行くよ!?]
デートに何で来ようが、彼女が納得しているファッションなら俺は特に問題ないと思うのだが…女性は女性の事情というものがあるのだと久しぶりに感じたことの一つだ(笑)
[全然問題ないよースニーカー姿も素敵だと思うけどなー😄何センチ?」
と、どさくさ紛れにリサーチをする。
いつ何のサプライズができるかなんてわからないから。
[24.5cm〜!]
[24.5cm以上なのかな?ブランドによって違うとか?]
[うーん。基本は24.5cm!]
[そうなんだねーでも、この間のパンプスは23.5cmって言ってなかった?]
[一目惚れしたパンプスがそのサイズしかなくって…]
そんなたわいのない話の一つ一つが、俺には貴重で必要な一部になっている。
To be next story…
(あとがき)
前回の『恵子』の話ではないですが…申し訳ありません!
それと、書き溜めていたストーリーが切れてしまったので、
これからは少し投稿が遅くなるかもしれませんので、ご了承ください!
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