大越 正浩

フリーランスの英語講師・翻訳者/通訳者(英語↔日本語)・ライター。広島県地域通訳案内士…

大越 正浩

フリーランスの英語講師・翻訳者/通訳者(英語↔日本語)・ライター。広島県地域通訳案内士。 韓国語・アラビア語・仏語その他修行中。 ウェブサイト: https://office-unite.com/

マガジン

  • 中・高生のための英語学習のヒント

    中学生・高校生のために、英語学習のハードルを可能な限り下げるためのヒントを紹介するマガジンです。

  • ニュース英語で英文読解

    ニュース記事の英語を読んで、世界の今を知ると同時に英語力も教科しよう、というマガジンです。

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    いろいろな言語を学び散らしている多言語マニアが英語学習(特にメンタル面)についてあれこれ考えたことを綴っていきます。

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    「英語ができない」「英語が苦手」で大人になってしまった人のために、自身の多言語学習の経験などをベースにして、やり直しのための学習法についてあれこれ語っていきます。

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「英語ができない」の再生産を防ぐために

たとえばAmazonで「英語教育」をキーワードにして検索すると、相当な数の書籍がヒットする。 当たり前だが、そのほとんどは「英語を教える側」の人が書いたものだ。 学ぶ側が書いた本もなくはないが、そういう本を書く人はたいてい「英語ができる」ようになった人なので、英語が苦手・できない人から見れば「あちら側の人」である。 (成毛眞氏の「日本人の9割に英語はいらない」あたりが数少ない例外だろうか) 現在のところ、日本人の大半は「英語ができない」人たちである。 「できない側」にとっ

    • この時期の受験生に

      共通テストまで1ヶ月を切り、受験に向けた空気が一段と張り詰めてくるこの時期。 最近では、推薦入学でどこそこの大学に決まった、という人が周りにチラホラ出てきたりして、精神的に穏やかでいることも難しくなってくる。 日本の受験シーズンは冬がピークになるので、受験生は心身の状態をキープするのが難しい。 冬はインフルエンザなどの感染症も流行るし、日照時間が短くなって冷えることもあってメンタル面でも不調を生じやすい。 (医学的にも「冬季うつ」というのがあって、冬にうつ病っぽい症状にな

      • 英検2級でつまづいちゃっているキミへ

        英語学習の目標として、各級の英検取得を考えている中高生はすごく多いと思う。 高校生ならまず英検2級、大学入試に間に合う時期までに頑張って何とか準1級を取りたい、というあたりが一般的だろう。 そんな中で、準2級までは比較的トントン拍子で合格できたのに、2級になかなか合格できない、という人が結構いる。 不合格だとモチベーションも下がってしまい、そのままズルズルと低迷、というパターンに陥る人もちらほら見かける。 まず、英語に限らず、外国語の学習は「レベルが上がるほど難易度が高く

        • ニュース英語で英文読解 2023.8.9

          今日のニュースはこちら。 今日は2段落目に注目。 ニュース記事によくある「語数削減」のテクニックが随所に使われているんですが、文法的にはちょっとイレギュラーなものが見られます。 カンマの後の「taking~」は分詞構文と考えられますが、主語となるのは「a half-dozen police officers」で、主節の主語である「Porcha Woodruff」とは異なります。 なので、本来であれば独立分詞構文として主語を補う必要があるのですが、ここでは省略されています

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        記事

          ニュース英語で英文読解 2023.8.4

          今日の記事はこちら。 今日の注目点は「固有名詞」(特に地名)。 固有名詞って、割とぞんざいに扱ってしまうことが多いんですよね。 中高生が接する英文に出てくるものであれば、どういう訳語をあてるか悩む必要もほぼありません。 英語表記だと日本語で馴染みのある発音とズレるものが時々ありますが、多少悩むとすればその程度。 ただ、この固有名詞も数値と同様、その輪郭をしっかりとつかむためのひと手間をかけるかどうかで英文の理解度が変わってきます。 記事に出てくる「Rio Grande

          ニュース英語で英文読解 2023.8.4

          ニュース英語で英文読解 2023.8.2

          今日のニュースはこちら。 今日の注目点は冒頭の「Jellyfish have been floating」。 現在完了進行形ですが、haveとなっているのは、主語のjellyfishが単数・複数同形の単語で、ここでは複数になっているから。 jellyfishは「jelly」+「fish」なので、複数形の「jellyfishes」は「fish(魚)」の場合の使い方に準じます。英和辞典で確認してみてください。 名詞の単複の区別は、英文読解の中で鍵になることが結構あります。

          ニュース英語で英文読解 2023.8.2

          ニュース英語で英文読解 2023.7.31

          今日のニュースはこちら。 今回の注目点は「数」の表現。 見出しの「dozens」は「dozen」の複数形で、直訳すれば「数ダース」。1ダースは12なので、「数十」を表します。 別のマガジンの記事でも書いたんですが、数値についての表現は言語ごとにかなり個性があり、特に概数的な表現はどのくらいの量を示すのか感覚的に把握しにくいケースがよくあります。 この記事の「dozen(s)」のように具体的な数を示す単語を誤読する可能性は少ないと思います。 しかし、概数の形で多数を表すt

          ニュース英語で英文読解 2023.7.31

          ニュース英語で英文読解 2023.7.29

          本日の記事はこちら。 今日の注目単語は「under」。 under a heat advisoryとunder a flood warning or watchの2ヵ所に出てきます。 このunder、一読して意味がとらえられますか? 英和辞典に出てくる語義としては「(ある条件、状態、事情)の下に」というのがこれに該当するんですが、「〜の下にある〜」といった訳し方だと今ひとつピンとくる日本語になりません。 ここでは「〜の対象となっている地域にいる」のようにかなり意味を補

          ニュース英語で英文読解 2023.7.29

          ニュース英語で英文読解 2023.7.27

          本日の記事はこちら。 このニュースのコアとなる情報を文の最初に示し、according to以降で情報元となっている人について説明する、というニュース記事に典型的なパターンの英文です。 この中で注目したいのは「The U.S. government has recovered」という現在完了形。 現在完了形の用法には完了・経験・継続の3つがある、というのが英文法教材の説明ですが、実はこの3つを英文の外形的な特徴だけで識別できるケースはあまり多くありません。 ここに示し

          ニュース英語で英文読解 2023.7.27

          キミは英語の「長文読解問題」をきちんと「読解」しているか?

          英語の「長文問題」で出てくるのは、以下のような問題が多い。 英検の大問2や3で出てくるような穴埋め(語彙・文法を問うもの) 英文和訳 内容に一致する選択肢を選ぶ問題 この手の問題は、題材となっている長文を構成する英文のひとつひとつが正確に読み取れていれば、かなりの確率で正答できる。 教える方も、長文問題の解説というと一文ずつ逐次的に解釈・解説して、問題を解く鍵をどう見つけていくか、という点に力を入れがちになる。 参考書や問題集の類もこの方向で編集されているものが多い

          キミは英語の「長文読解問題」をきちんと「読解」しているか?

          ニュース英語で英文読解 2023.7.25

          今日のニュースはこちら。 今日のポイントはカンマの後の「as」。 asは用法が多岐にわたりますが、読解のときには「何となく」で読み進めて、和訳するときには文意を踏まえてテキトーにそれらしい訳語を充てる、という感じで対応している中高生が多い気がします。 今回の例でのasは代名詞。正確に言うと「関係代名詞」として使われています。 勘の良い人だと「カンマの後に続いているから非制限用法」と思ったかもしれませんが、その通り。 カンマの前までの主節全体を先行詞として、非制限的な関係詞

          ニュース英語で英文読解 2023.7.25

          ニュース英語で英文読解 2023.7.23

          本日の記事はこちら。 今日は先にDeepLの訳を載せておきます。 主語になる部分が文頭から半分以上続いて文構造が把握しにくく、こういう英文が苦手な人は多いはず。 こういう文を正しく読み解いていくには、「名詞句」のカタマリをきちんと切り出していくのが早道です。 始めから見ていくと、 A frenzied hunt a loose lioness the outskirts of Berlin と、冠詞+(形容詞)+名詞のカタマリが前置詞を挟んで3つ連続しています。 ここ

          ニュース英語で英文読解 2023.7.23

          ニュース英語で英文読解 2023.7.22

          本日のニュースはこちら。 「a confidential FBI informant's unverified claim」と、名詞を形容する語が4つ(不定冠詞まで含めると5つ)並んでいます。 こういうダラダラした修飾は、「お作法」として一般的には避けたほうがいい、ということになっています。 しかし、頭から読み下ろしていったときの理解のしやすさとの兼ね合いや、語数をできるだけ少なくするなどの目的で、ニュース記事などでは結構使われる書き方ではあります。 不定冠詞から始まっ

          ニュース英語で英文読解 2023.7.22

          【英文読解のツボ】 数値を雑に扱うと、泣きを見る

          学校その他の英語の授業やテキストで、意外にきちんと取り上げられていないのが数値。 ごくごく基本的な概念で、特に改めて取り上げるまでもない、ということなのかもしれないが、英文読解でこの数値の読み方が甘い(はっきり言えば「雑」)な中高生は多い。 特に長文読解では、何かの増減などの変化や、量の大小の比較といった内容理解に直結する情報として数値がカギになるケースが少なくない。 例を挙げよう。 The sun is 150 million kilometers distant f

          【英文読解のツボ】 数値を雑に扱うと、泣きを見る

          ニュース英語で英文読解 2023.7.19

          本日の記事はこちら。 注目したいのは「to protect」という不定詞。 不定詞の用法には名詞・形容詞・副詞の3つがありますが、この「to protect」はどの用法になるでしょうか? 英文を頭から順に読んでいくと、この「to protect」はその直前にあるthe first long-acting drugを後置修飾していると考えて読み解くのが自然な流れになります。 名詞句を修飾しているので、この「to protect」は形容詞用法、ということになります。 しかし

          ニュース英語で英文読解 2023.7.19

          ニュース英語で英文読解 2023.7.18

          本日の記事はこちら。 注目したい単語は1行目の「only」。 定冠詞と名詞にはさまれた位置にあるので、品詞としては形容詞であることは一目瞭然。 「only」は「〜だけ、単に」という意味での副詞の用法もあり、こちらの使い方は大部分の人がすんなりと理解してくれます。 しかし、形容詞として使われたときの「唯一の」という意味、こっちを捉えきれない中高生は以外にたくさんいます。 形容詞の「唯一の」と副詞の「〜だけ、単に」は、本質的な意味・ニュアンスで見ると重なる部分も大きいので

          ニュース英語で英文読解 2023.7.18