ペットの熱中症

お久しぶりです。
皆様体調は大丈夫ですか。

記録的な暑さが続いていますね。
さらには電気代も上がり、暑くてもエアコンを例年通りには使えなくなっているジレンマを抱えている方も多いのではないでしょうか。

ペットを飼われている方は特に留守中などの空調に気をつけている方が多いと思いますが今一度、注意喚起、確認のために記事を書かせていただきます。

熱中症とはそもそも暑い環境に身体が対応出来ずに体内の水分やミネラルのバランスが崩れることで起こります。ヒトではニュース等で気をつけましょうとされていますがヒトに限った話ではありません。
身体がタンパク質で構成されていて脳がある動物にはすべて熱中症の可能性があります。この理由から気をつけるポイントをお伝えしたいと思います。

まずはタンパク質というもの。
地球上のほぼ全ての動物は身体がタンパク質で出来ています。筋肉が良い例ですが、内臓も血液も、さらに細かく言えば一つ一つの細胞がタンパク質によって出来ています。
このタンパク質には弱点があり、熱というものはそのひとつとなります。
例えばタンパク質ではない水を熱したとき、水はお湯になります。そしてそのお湯を冷ましたとき、また水に戻ります。
が、タンパク質で出来ている生卵を熱したとき、生卵は茹で卵や目玉焼きに姿を変えます。しかしお湯とは違い、茹で卵や目玉焼きは冷ましても元の生卵には戻ってくれません。
これが熱変性と呼ばれるタンパク質の弱点です。
(一概に弱点と捉えるかは物の見方によって変わってきますが、今回は身体にとっての悪影響なためこのように表現しています。)
身体に存在するあらゆるタンパク質が熱変性の危険をはらんでいます。40℃を超えるだけで変性は始まっていきます。
高温下がいかに危険かわかると思います。

ですが、身体もバカではありません。恒常性(常に身体を一定の状態に保たせようとする力)によってたとえ高温下であっても体内の温度は熱変性しない温度まで保たれます。その機能を司っているのが脳です。
脳は体外が高温と判断すると冷まそうとするため汗をかかせます。汗は蒸発する際に熱を奪うためです。
この機能により体温が上がりすぎないよう調節をしているわけです。
が、この機能にも弱点があります。汗は無限に出せるものではありません。体内にある分の水分を使って出すものです。では汗として使える水分量が減ってしまったら。汗がかけずに体温は上がり始めます。
その結果、先ほどの熱変性が起こり始めます。

ここまで書けば熱中症とはどのようなものかわかるかと思います。そして何が必要か。

まずは汗の成分を摂取すること、汗は真水ではありません。お茶でもありません。汗の成分を摂取することが必要です。アース・ペットさんが販売しているペットスエットなどがオススメです。

が、熱中症が怖いからと普段の常飲水にするのはオススメ出来ません。あくまで汗をかいた際の応急処置として考えたほうが良いです。

ここまで書いておいてなのですが、ヒトでは汗をかいている人というのは見たらわかるかと思います。
しかし、犬や猫は汗をかいている状態というのがパッと見では難しいです。ヒトは身体全体に汗が出る部分(汗腺といいます。)が存在していますが、犬や猫は足の裏の肉球部分にしかありません。
犬は汗の代わりにハッハッハッという口を開ける呼吸をし、熱を逃がすことが出来ますが、猫はそれすらも出来ません。

ので、ペットスエットによる水分補給は汗をかくことが予想できているタイミング(散歩、遊びの前後)の使用と考えたほうが良いでしょう。

そしてそもそも高温状態にさらさないということも必要です。外出の際は空調を最高でも28℃、熱を逃がしにくい短頭種(ブルドッグやパグ、シーズー)の子はそれよりも低い温度設定をすることが大事です。

もし、空調をかけ忘れたなど帰宅時に気付き、ペットの様子が元気がない、身体が熱い、嘔吐や下痢、等の症状があれば熱中症が疑われます。
身体が熱いのであれば首元、脇の間、股の間、にタオルでくるんだ保冷剤を当てて冷やします。保冷剤きなければポリ袋に氷水を入れたものでも良いです。氷もなければ水で濡らしたタオルだけでも当てましょう。とにかく体温を今以上に上げないことが必要です。

言葉が話せる人間と違いペットは熱中症状態なのかの判断が難しいので、冷やしながら動物病院に連絡します。
水分補給は飲めるなら良いですが元気のない子に無理矢理は苦しいでしょうし、嘔吐している子は再び吐いてしまうことがあるので緊急状態ではそこまで重要ではありません。
動物病院に行けば点滴して脱水は改善出来ますし、そもそも汗をかくことが体温を下げるためと前述した通り、身体を冷やせば汗も出なくなり脱水の進行は抑えられます。

熱中症は朝まで健康だった子が帰ってきたら発症していてそのまま死亡するケースもあります。
留守中、部屋の空調をつけてても半開きのドアからつけてない部屋に行きそのままドアが閉まって出られない、というケースも聞いたことがあります。

また、一命はとりとめても脳に障害が残ってしまうケースもあります。

ヒトもですが本当に怖い病気です。

今一度、ご自身もですがペットにも細心の注意を払い厳しいこの記録的な暑さを乗り切っていただけたらと思います。

今回はこの辺りで。
次回もよろしくお願いします。



(熱中症は今回挙げたものだけが原因ではなく、今回は話の統一性や流れからこのように書かせて頂きました。不備等ありますことご容赦ください。

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