親の心子知らず?

ペットに使うのは少し用法が違う気がしますが(笑)
なんでしつけがうまく行かないんだろうと思うことはあると思います。

どうもお久しぶりです。
暑さのせいか筆を運ぶ手が止まっておりました。

しつけ、というと叱ったり怒ったりして行動を強制するようなイメージがあるかと思います。
最近はトレーニングみたいな言葉に変わってるような印象を受けますが、ここではしつけとトレーニングの違いみたいなことを話したい訳ではありませんし、色々な考えをお持ちの方が違いについて説明していただいてるので言葉の細かい定義はそちらにお任せして。私はしつけという言葉で進みたいと思います。

さて、してほしくない行動を強制するしつけの中でやってはいけない方法があります。その子の名前を呼ぶ、ついついなにかあったときに咄嗟に呼んでしまいがちですが危険を孕んでいます。
例で考えましょう。
私が動物病院に勤務していて独自で考察した名前人気ランキングの頻出名称、ミニチュアダックスのレオちゃんを例えにします。

ある日仕事から帰ったあなたは、部屋に入るなり部屋の中が荒らされていました。空き巣?と思いましたが机の上や高所のものは部屋を出るときのままです。床にはティッシュやビニール袋、ゴミ箱を漁ったのかペットボトル等、クッションも穴が開き綿が飛び出ていて惨状です。
犯人は今まさにお水の器を口で咥え転がして遊んでいるレオちゃんしかおりません。
あなたはなんと言いますか?
「もう!レオちゃん!こんなに荒らして!ダメでしょ!」
こんな言葉はレオちゃんより飼い主さんがダメです。
何がダメかというと、ペットにとって名前を呼ばれることは良いこと、報酬になっているから。日頃から良いことをしたとき、レオちゃんいい子だねと言われたりとか、レオちゃんと呼ばれて飼い主さんの方へ向かったときに嬉しそうに抱いてくれたりとか。基本的に名前を呼ばれるときは楽しいこと、嬉しいことと共になっていると学習しています。

してはいけないダメなことのタイミングで名前を呼ぶことは、名前を呼ばれると怒られる、マイナスな学習に変わってしまう可能性があります。
また、逆に名前を呼ばれるということは今回こんなにも荒らしたことに対して褒めてくれてる、と学習し次回より酷くなる可能性もあります。
特に女性の場合の高い声というのは嬉しいときの声にも似ていて人間側は怒っているはずなのに喜んでいるとペット側に認識されてしまうケースはよく聞きます。

じゃあ帰宅して惨状を目撃したあなたがする行動は。
何も言わず、目すら合わせず(視線を合わせる行動も報酬として受け取られる場合があります)、ただ黙々と片付けましょう。きれいにし終わったら一回部屋から出て帰宅のシチュエーションのやり直しです。
部屋を開けてきれいな環境で名前を呼んでただいまと言いましょう。
その後も数回荒らされることもあると思います。その度に怒りたくなる気持ちを抑え、黙々と片付けをするだけで荒らしても良いことがないと学習します。

しかし、荒らす目的によってはこの方法では効果のない場合があります。


その解決策は次回に続きます。


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