見出し画像

ほぼ、ポツンと一軒家

竹田の山の中の県道をよく利用していました。
大分から久住に抜けるのに便利な道だからです。
竹田と久住の境の山の中に、一軒のお店を見つけました。コンテナを利用したお店です。
20代の頃、大分県内色んなところの観光地を見つけにドライブしていました。

そのお店は、苗木とスパイスを売っているお店でした。
若くておしゃれな夫婦が営んでいました。
その頃はまだ、大分ではスパイスの種類が少なく、また、ホールで売っているのが魅力的でした。
「カルダモン」や「クローブ」などです。

カルダモンのホール
クローブのホール


通ううちに友達になり、裏にある家に招待してくれるようになりました。
オレンジの瓦屋根の普通に見える家は、一歩入って驚きました。
土間が広がり、L字の土間の上がりに囲炉裏のある部屋が繋がり、土間にはキッチンがあり、ストーブが置いていました。
まるで古民家のような作りです。

こんな感じでした。


長髪をまとめたご主人は、元、竹田市で、フレンチを出していた店をやっていた方で、
将来は、ここで限定1組予約制のフレンチを出したいと、言われていました。
家の裏には畑になっていて、色んな野菜を自家栽培していました。ニワトリも飼っていて自給自足生活に近いことをされていました。
何故ここに、と質問したらフレンチを作っていたら材料にまでこだわりたくなったからだそうでした。
周りには家が少なく、すぐ前が県道でなかったら、本当にポツンと一軒家です。

ストーブには大きなやかんがかけていて、いつも「チャイ」が飲めるようになっていました。

私は、そこで「チャイ」を初めて飲んで、作り方も教えてもらいました。
「チャイ」はとてもエキゾチックな味がして、
カレーとの相性もバッチリなのが一口でわかりました。
35年ほど昔のことです。まだ「チャイ」の認知度は低かったです。
10年ほど前に東京に出かけた時、渋谷のカフェで、「チャイ」を見かけて、カフェにも進出してきたんだなぁと認知度が高まった事を喜びました。
インドカレーの店でないと飲めないものでしたもの。
インド人の友達がいるからとスパイスも容易に手に入るそうでした。

引っ越してからもそこの前を通る度、訪れていました。
奥さんが、移動パン屋を始めたの、と美味しいハードパンを送ってもらったこともありました。

当時、ご夫婦には小学生くらいの息子さんがいたのですが、お父さんと同じに長髪で、一括りに髪を結び、楽しそうにしていた様子が思い出されます。
学校に通うのは大変そうでした。
今、どうなっているのでしょうね。

いつからでしょう。そこの前の道を通らなくなり、訪れる事もなくなり、疎遠になってしまいました。
こういうのも、『一期一会』っていうんでしょうかね。

Googleマップでは変わらなくオレンジ瓦が見えています。お店はだいぶ前からやっていないようでしたがお元気でお過ごしだと良いなーと思います。

インドのチャイ

Googleマップ、便利ですね。

この記事が参加している募集

つくってみた

今こんな気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?