5月に読みたい学級経営「♯2 決断する」
教育探究所Piste Stories(ピスト・ストーリーズ)
学級経営について,これまでの知識や経験から得た知識や具体的なノウハウを書いた記事です。元小学校教諭が16年間,学校現場で積み重ねてきた実践を踏まえて,2000〜3000文字の記事を配信しています。
本屋には学級経営の本や雑誌が棚にズラリと並び,インターネットで検索すれば夥しい数の件数がヒットします。この探究所では,具体的な方法や実践よりも「考え方」を重視した内容をお届けしています。なぜなら,学校現場において「絶対的な正解」が存在しないからです。表面だけを取り繕っても,上手くいくどころか逆効果になってしまうことだって当たり前のようにあります。だからこそ,私自身が失敗してきた経験も含めながら「どのような考え方で」という部分をしっかりと押さえた上で,方法や実践例を伝えていく必要があると考えています。
🟧学級経営を具体化する時期
前回の記事では,本格的なスタートをするにあたって「ビジョン」を明確にすることが必要だと書きました。描いたビジョンを「具体化」しなければ,悲しいかな,あれよあれよという間に連休が明けてしまうのです。
今回は「何を」「どのように」具体化しなければならないかを徹底的に考えた記事になっています。折り返しを迎えた今の時期に,「どうしよう」と悩んで時間だけが過ぎていき,不安だけが大きくなっている気しかしない・・・
そんな担任の先生の力になれれば幸いです。
🟧連休明けの重要ワードは「決断」
本格的に走り出す時期に絶対に必要になるのが「決断」です。
これまでは「様子を見る」とか「試してみる」というニュアンスが強かったですが,ここからはそうはいきません‼️
ゴールの位置とある程度の道筋を見通すために4月がありました。
もちろん,それが全て正しいかどうかなんてわかりません😰
でも,そう決めたらそこに向かって走り出すしかないのです。途中でゴールが変わるかもしれないし,ルート変更だって日常茶飯事😆
それでも「決断」してスタートするんです‼️
強い気持ちで決断するべき項目を3つ挙げますね👍
🟧学級目標を明確に決める
もしかしたら,すでに決まっているかもしれません。そういう場合でも5月からの本格的なスタートを見据え,もう一度子どもたちに打ち出してしっかりと共有する方が良いでしょう。
早い段階で決めた目標には少しズレが生じてしまうので,注意が必要です。
学級が始まって間もない時期に学級目標がガッチリ決まっているクラスを見かけることがあります。
中には,学級開きの日に掲げているクラスも・・・。
子どもたちの事を全く知らないまま掲げた目標は「こんなクラスを作りたい」という担任の願望が強くなってしまうので,1ヶ月間子どもと過ごしてから最終的な確定をする方が良いと私は考えています。
🟧学級のキーパーソンを決める
学級集団をより良いものにするには,何を重要視するのかを決めなければなりません。一人ひとりに寄り添うこともめちゃくちゃ大事です。当たり前です。それでも,集団として考えた時には「中心」になる子どもが必ず存在します。チームというのはそういうものです。
学校を運営する教職員だって同じではありませんか⁉️
職員室でも必ず学校の中心となって動いている先生がいるはずです。
もちろん「中心にならない」ことが悪いことではないし,一人ひとりに役割があります。
1ヶ月間,学級で共に過ごしていると「中心」になるような子どもたちが見えてきます。逆に,立場が弱い子どもや配慮が必要な子どももいます。
キーパーソンを決めるとは,それらをはっきりと担任が認識するということです。中心になる子どもたちが一生懸命で,弱い立場の子どもにもみんなが寄り添うことができている状態が理想ですよね。ここが崩れ始めると,黄色信号が点灯してしまいます。キーパーソンを明確にすることによって,学級の状態を把握できるのです。
🟧「◯◯◯こと」を決める
最後に3つ目。これが1番大事〜🎶(♯この歌,わかる⁉️🥹笑)
それは
「しないこと」を決める
4月当初,学級担任は充電が100%の状態でスタートしています。
ある程度準備をする時間もありました(♯実は足りないけど😱)
しかし,春休みが終わり毎日子どもたちが登校し始めたら,そんな余裕は皆無ですよね😰体力的にも精神的にも削られている状況が日常になります。
さらには,4月はまっさらな状態でしたが、生徒指導や保護者対応などものしかかり始めるわけです。さらにさらに,やっぱり4月というのはやる気になっているもの。そのモチベーションが1年間続きはしません。
どうでしょうか⁉️この1ヶ月と同じペースでずっと走り続けることはできますか⁉️おそらく不可能だと思います。自分がやるべきことを精選して調整しなければ,自分自身が潰れることになるのです。
本格的なスタートを切るにあたってずっと「できない」と判断したものは,これを機に「しない」と決めてスパッとやめることも大切です。
自分の学級での業務を見直してみましょう。例えば・・・
・宿題や授業中にやった算数プリントの丸つけを放課後や、持ち帰りに回していませんか⁉️
中学年以上なら自分たちで答え合わせをする仕組みを今すぐ構築しましょう‼️低学年でも,今はアプリを使えばAIが一瞬で採点だってしてくれます。「無駄な」丸つけは,しないと決めましょう😎
・朝の会や帰りの会が,ダラダラ長引いていませんか⁉️
健康観察で一人ひとり名前を呼んで,返事をして・・・
朝のスピーチをして・・・
帰りの会で,色々振り返って・・・
これは違うな。と思ったら,すぐにやめるかやり方を工夫しましょう!
惰性でやっていても,何一ついいことはありません😆
・無理矢理,他のクラスに合わせてませんか⁉️
いわゆる足並みバイアスですね。他のクラスでやっていることは,自分のクラスでもやっておかないと不安なのは理解できます。
隣の芝は青々しくそして美しく見えるもの。これを忘れないでください。
隣の先生が,毎週学級通信を出している・・・私も出さないと・・・
隣のクラスは,休み時間にクラス遊びをしている・・・私もやらないと・・
隣のクラスは,全員の漢字ノートにコメントが・・・私も書かないと・・・
隣のクラスが,すごく厳しく指導している・・・私も厳しくしないと・・
隣のクラスは,なんだか自由で楽しそう・・・私も楽しくしないと・・・
全て幻想ですよ😙
無理矢理合わせる必要なんて全くありません‼️
頑張って学級通信を出しているあの先生,授業は適当だったりします。
休み時間のクラス遊び・・・いやがってる子も,まぁまぁいます。
漢字ノートにコメント書いても,提出しない子が多かったりします。
厳しい指導がよく見えても,子どもは色々思ってます。
自由が楽しそうなのは,たいていの場合は楽だからです。
🟧エンディング
5月に読みたい学級経営,今回は「決断する」ことについて書きました。
連休明けから始まる本格スタート‼️腹を括って走り出す時が来ました。
(♯もう走り始めてるんですけどね😎笑)
曖昧だった部分をはっきりさせていく・・・と言った方がしっくりくるかもしれません🙆♂️間違っていても後でなんとかすればいい‼️と,根拠もなく自分を信じて決断するようにしましょう👍
教育探究所Piste Sotories(ピスト・ストーリーズ)は学校の先生たちを
勝手に応援しています😊
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