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何もしたくない時は、沖縄島唄を聴くに限る。

2022 12/6(火)
 
何もしたくない時は、沖縄島唄を聴くに限る。
特に、冬に聴くのがいい。一気に心が暖まる。
夏は夏で、涼しくなるし、年中聴けるのが沖縄島唄である。
と言っても、その魅力を知らない人が多いのではないだろうか。
多くの人が、島唄、といえばTHE BOOMの曲だと思っているに違いない。
俺自身も、あの曲から島唄というものを知り、聴き始めたので、あれは島唄ガイド、或いは、島唄応援歌だと思っている。
独立した名曲であるし、現在では沖縄を代表する曲の一つになっている。
長らく、THE BOOMの宮沢和史を沖縄人だと思っていた人も少なくはないだろう。
沖縄島唄への入り口になったことは間違いない。
そういった意味ではTHE BOOMの貢献は極めて大きい。
俺が今、聴いているのは、登川誠二である。
20年ほど前に観た「ナビィの恋」という邦画でこのアーティストの存在を知った。
主要登場人物の一人である登川誠二だったが、その演技のたどたどしさから、どう見てもプロの俳優ではないことがバレバレで、このジイイは一体何者なんだと気になっていた。
だが、それも最初だけで、劇中で三線を弾き始めた瞬間から、突然、スゲェジイイになり、途端、演技もなんだか味があっていいなぁと思えるようになり、映画が終わった頃には、すっかりファンになってしまっていた。
俺はこのスゲェジジイのことが知りたくて、当時住んでいた大阪大正の駅前にあったレンタルショップのツタヤへ行った。
当時はネット環境もなかったので、ともかく店へ行き、沖縄音楽のコーナーから探すしかなかった。
小さなスペースで区切られたコーナーで、まず、最初に見つけたのは「ナビィの恋」のサントラだった。映画サントラのコーナーではなく、沖縄コーナーにカテゴライズされているのが好感が持てる。大正駅のツタヤはセンスがいい。というのも、この大正駅というのは、戦後沢山の沖縄人が移住しており、沖縄の方が経営する店が多い。駅前の一角は沖縄料理屋が沢山あって、島人(しまんちゅ)な雰囲気に溢れている。
大正に住んでいてよかった。
このアルバムには、間違いなくあのジジイの曲が入っている。
俺は誰かに借りられてはなるまいと、慌てて手に掴んだ。
アルバムを裏返して、曲名を頭から見ていくと、参加アーティスト名に
「登川誠二」という名前があった。
読み方は分からないが、この名前を映画のエンドロールで観た覚えがあるので、恐らくこれがあのスゲェジジイであることは確定だろう。
俺は、沖縄コーナーの小さなスペースを隈なく探した。
喜納昌吉とチャンプルーズ、喜納昌吉とチャンプルーズ、喜納昌吉とチャンプルーズ、喜納昌吉だらけじゃないか!
俺はハイサイおじさんを探しに来たのではない。
登川誠二がどこにもない!
えーと最後のこれはなんだ、喜納昌吉とチャンプルーズ、もう、チャンプルーはお腹いっぱいだ!
結局、見つかることがなく、映画サントラのみを借りて帰った。
帰宅して聴いてみたら、少しだけでも登川誠二を体験できた。
テンションがあがった俺は、コンビニでオリオンビールを買って来た。
さすがである。大正のローソンには、オリオンビールがあった。
俺はオリオンビールを吞みながら何度もサントラを聴いた。
沖縄島唄の思い出を書いていたら、今、聴いている登川誠二のアルバムが、一周して終わってしまった。
随分と身体も暖まって来たので、この寒空にオリオンビールでも買いに行こうかな。練馬のローソンには売っているのだろうか。
何もしたくない時は、沖縄島唄を聴くに限る。
 
 
 
 
 
 

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