三遊亭はらしょう エッセイ【原田日記】

実話をネタにする新作落語【ドキュメンタリー落語】で活動中・持ちネタ600本以上⭐三遊亭円丈の弟子⭐作家⭐俳優⭐️司会⭐講演・話し方教室等⭐映画好き⭐本名・原田亮⭐本の出版が夢です⭐お仕事のご依頼nisinokaruizawa@gmail.com 090-4288-4659(担当)

三遊亭はらしょう エッセイ【原田日記】

実話をネタにする新作落語【ドキュメンタリー落語】で活動中・持ちネタ600本以上⭐三遊亭円丈の弟子⭐作家⭐俳優⭐️司会⭐講演・話し方教室等⭐映画好き⭐本名・原田亮⭐本の出版が夢です⭐お仕事のご依頼nisinokaruizawa@gmail.com 090-4288-4659(担当)

最近の記事

鯖を焼いたりしていた

珍しく一歩も家を出なかった。 朝から何をしていたのかというと、自炊をしていた。 昨夜買った、鯖を焼いていた。 随分と骨が多く、身も少ない鯖だった。 白飯が余りそうになったが、納豆と卵があったから、茶碗は空になった。 食後に、一昨日沸かした珈琲を飲んだら、落ち着かず、腐っているのではないかと不安になった。 だが、今まで生きて来た中で、腐った珈琲を飲んだことが一度もなかったので、安堵した。 途端、物足りなくなって、二杯目を淹れた。 そのまま、近くにあった本を読み始めたら、割と面白

    • 練馬城址公園之実況

      練馬城址公園之実況 練馬城址公園を入った所のベンチに座っていると、 オチン棒のような形状の、変態的で猟奇的な不可思議な棒を持ったオバハンが歩いていた。 オバハンは、その不可思議な棒を、ケラケラと笑いながら、豊島園駅の方へ向かって行った。 練馬城址公園之実況 犬と人間が話せる訳はないが、今やって来た眼の前の少女は、当然のように会話をしている。 通じているかのかいないのか、それは、少女にしか分からないが、ハリーポッターの施設が間もなくオープンする練馬城址公園で、この少女は魔

      • さっきまた地震があった

        しばらく筆が止まっていたのは、人生について色々なことを考えていたからに違いないと振り返ってみたが、別段、そのようなテーマは一度も頭をかすめたことがない。 思い当たることと言えば、六月になってジメジメとし始め、文章を書く時に座っていると、床の方からジワジワとジメジメが這い上がって来て、一向に集中出来ないというのが、今の所の原因ではあるまいか。 また、それと同時に最近、日本各地で地震も多発し、俺の住んでいる練馬もよく揺れる為、落ち着いてジット座っていることが出来ず、寝ても覚めても

        • 恋愛小説「アッホ君と奇妙子さん」第四話

          第一話は、こちらからお読み下さい。 恋愛小説【アッホ君と奇妙子さん】第一話|三遊亭はらしょう エッセイ【原田日記】|note 第二話は、こちらからお読み下さい 恋愛小説「アッホ君と奇妙子さん」第二話|三遊亭はらしょう エッセイ【原田日記】 (note.com) 第三話は、こちらからお読み下さい。 恋愛小説「アッホ君と奇妙子さん」第三話|三遊亭はらしょう エッセイ【原田日記】 (note.com) 第四話 「チャーハンは好きですか?」 朝陽門を抜けて、中華街大通りへ入る

          履歴書が一枚では足りない

          履歴書が一枚では足りない。 普通は、学歴や職歴を箇条書きにし、それを面接などの際に提出するものであるが、芸人の場合だと、ここに芸歴という項目が加わる。 その為、情報量が多くなり、市販の履歴書用紙では書く欄が狭すぎて、すべてを書けないのである。 学歴や職歴など、はっきり言って、芸人には何の関係もないことではあるが、そこを端折る訳にはいかず、残された空欄に、出来るだけインパクトの強い芸歴を書くことになる。 例えば、俺の場合だと、以下のようになる。 三遊亭はらしょう 本名・原田亮

          本を買った帰り道の鞄

          本を買った帰り道の、本で重くなってしまった鞄が好きである。 二、三冊では、殆ど変化はないが、五冊以上になると、急に重くなる。 その重さ分だけ、まだ自分の知らないことがあると思ったら、楽しくなって来て心が軽くなるので、重くても気分が良い。 俺は、古本屋をよく利用するので、百円の文庫本、二百円の単行本などを、いつも七冊ほど買う。 鞄の中に、まだ俺の知らない世界が沢山詰まっているのだと思うと、嬉しくなって、自然、前向きになる。 ただし、これが借りた本ではいけない。 図書館の帰り道の

          咳払い一つ

          喉に何かひかかったような感じになって、水を飲んでもすっきりしない。 あと数分で高座にあがって落語をしなければならないのだが、舞台袖と客席との間は、殆ど続いているゆえ、小さな咳払い一つ、音が漏れてしまう。 上演中の高座では、先輩の芸人がネタを披露している。 この状況で咳ばらいをするには、それをかき消すような音がしなければならない。 今、期待できるのは、お客さんの笑い声である。 俺は、喉の苦しみをおさえながら、先輩のネタがウケる瞬間を見計らうことにした。 だが、いつまで経ってもネ

          黒い指の話

          部屋の中に、黒い粒のようなものが無数落ちている。 最初は、小さな虫の死骸なのかと思った。 掃除機で吸込もうと電源を入れたが、その前に一度、よく見ておこうと顔を近づけてみると、どうも形状が可笑しい。 手足、触覚は皆無であり、円形で細長く鉛筆の芯のような光沢をしている。 俺は、地面に落ちた砂糖をつまむように、それを右手人さし指の表面へ張り付けてみた。 途端、ぴたりと密着したそれは皮膚の一部のようになり、ほくろのようにも見える。 次に、それを左手人さし指と親指でつまんでみる。 二本

          スマホを誰かが落としただけなのに

          地下鉄大江戸線の新宿駅に着いて、ホームをおりた途端、ジャージ上下の怪しげな男が、しゃがみ込んでいた。 男の視線の先には、スマホが落ちている。 男は、それを見ているのだが、ホームに響き渡る発車のベルに振り向き、慌てて、電車に乗り込んだ。 どうやら、このスマホの持ち主は、別にあるようだ。 男がいなくなったホームには、ポツンとスマホが落ちている。 人々はそれを避けながら、地下鉄の階段を上がっていく。 俺は、このスマホが気になって仕方なかったものだから、立ち止まって、駅員に届けようと

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          恋愛小説「アッホ君と奇妙子さん」第三話

          第一話は、こちらからお読み下さい。 恋愛小説【アッホ君と奇妙子さん】第一話|三遊亭はらしょう エッセイ【原田日記】|note 第二話は、こちらからお読み下さい 恋愛小説「アッホ君と奇妙子さん」第二話|三遊亭はらしょう エッセイ【原田日記】 (note.com) 第三話 「今から、横浜中華街に行きませんか?」 「えっ」 「実は、私、まだ行ったことなくて、アッホさんはありますか?」 「はい、一時期、毎月、通ってましたよ、お笑いライブの会場が中華街の近くにあったもんで」 「じ

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          コロナ5類でっせ

          2023 5/8(月)   2023年5/8からコロナが、インフルエンザのように5類になるという。 何をぬかしとるんじゃいボケと憤る。 怒っているのは俺だけではあるまい。 多くの方が、とっくに思っていたわい。 そう、こんなもん、最初からインフルエンザと変わらんやないかいと。 2020年に、それは突然やって来た。 見たことも聞いたこともない、コロナ、という感染症。 そりゃあ、よう分からんからな、めちゃビビるわい。 どうしたらええか分からんし、マスクつけるわい。 だから、まだ、マ

          小説の続き

          2023 5/7(日) 小説を定期的に発表して行こうと、先日、二話まで書いたものを、このノートにアップした。 早く続きを書きたいのだが、「早く続きが読みたい」という声が聞こえぬ為、なかなか先へ進まない。 勿論、それは完全にこちらに責任があり、もっと面白い小説を書いていれば問題ないのだが、第二話で完結してしまったかの如く終わっている。 完全に尻切れトンボであるにもかかわらず、あれはあれで、シュールなオチなんです、と言い張れば、すんなり納得してしまいそうな位、注目されていない。

          ピコーン、ピコーン、はゲームの音なのか?

          2023 5/6(土) 電車などに乗ると、みな、スマホの画面に目をやっている。 一体その中に、どんな面白いことがあるのだろうかと、そっと、後ろから覗き見ると、ピコーン、ピコーン、とゲームをしている人が多い。 電車内である為、音は消しており、ピコーン、ピコーン、は聞こえないから気にはならないのだが、ゲームというものは、音がないと盛り上がりにかけるのではないか? 俺は普段、ゲームをやらないから、その辺がよく分からないが、消音だと存分に楽しめないのではないのか。 などと勝手に心配

          ピコーン、ピコーン、はゲームの音なのか?

          「落語で学ぼう~防災の知恵」

          2023 5/5(金) 「落語で学ぼう」というテーマで、5月からライブを開催している。 場所は、練馬駅のココネリの多目的室である。 本日は、第二回目。 テーマは「落語で学ぼう~防災の知恵」 開演は夜からだったのだが、昼に、石川県で震度6の大きな地震があった。 東京も、いつどうなるか分からない。 どこかで災害が起こって、ようやく、防災に意識が行く。 それからでは遅いのだが、石川県のニュースを見て、本日の落語ライブの開催がより、意味のあるものに思えて来た。 ネタは二本。 防災の

          「落語で学ぼう~防災の知恵」

          バジル味のスパゲッティ

          2023 5/4(木) バジル味のスパゲッティが好きである。 元々、スパゲッティのソースにこだわりはなく、ミートかナポリタンであればいいと思っていたのだが、今から10年ほど前、俺は神戸の実家に帰省した時に、バジルというのものに衝撃を受けた。 帰省すると、おかんといつも行くスパゲッティ屋がある。 ハーバーランドの煉瓦倉庫にある、オールドファクトリーという店だ。 ある時、「バジルソースのスパゲッティ」という聞き慣れないメニューを見て、面白そうだから、おかんと頼んでみた。 面白そ

          「落語で学ぼう~認知症」

          2023 5/3(水)   「落語で学ぼう」というテーマで、5月からライブを開催している。 場所は、練馬駅のココネリの多目的室である。 八年前から、毎月空いている日を押さえ、落語ライブを行っているのだが、思うように客足が伸びず、思い切って、タイトルとコンセプトを変えて、再スターすることにした。 第一回目のテーマが「落語で学ぼう~認知症」 ネタは二本。 俺が中学生の時、ある日突然、おじいさんが認知症になった実話と、師匠、三遊亭円丈が、晩年、物忘れが激しくなりながらも、新ネタを作