第30話 ネネ 砂浜で休憩 その2
初めての海は、楽しすぎました。
ネネは思い切って、少し深い場所に潜ってみることにします。
もしかすると海底には、大好物の「海老」がいたりするかも。
ネネは少し沖の方へと泳いでから、一気に海中へと潜りました。
海底に辿り着いてから上を見上げると、太陽の光が差し込んできています。
それは、とても幻想的な光景でした。
「(うわ きれい)」
ネネがいた天上界の光景も綺麗なのですが、一点の曇りもない美しさです。
この海中の光景と比べてみると、天上界は何か違和感のある作り物のような感じがしてきました。
「(こっちの方が、綺麗だな)」
天上界は全てが明るく照らされていますが、どうやらネネの眼には「薄っぺらな光景」だと映っていたようです。
それに比べて人間界の海中は、暗がりの中に空から光が降り注いでいるため、光と影のコントラストがあります。
そこに「荘厳な美しさ」のようなものを感じたようです。
「(これが自然な姿なんだろな)」
キョロキョロしていると、巨大なビルの瓦礫が目に入りました。
どうやら砂浜だけでなく、海の中にも落ちていたようです。
「(うわ こっちは汚なっ)」
ネネは気を取り直して、海底を歩き始めました。
しかし行けども行けども海老はおろか、魚の姿すら見かけません。
「(お魚いないなぁ)」
実は、女神にも呼吸が必要です。
しかし人間とは異なり、1時間程度であれば息を止めていられます。
とは言え、さすがに長く潜り過ぎたらしく、呼吸が苦しくなってきました。
ネネは息継ぎのために、海面へと浮上することにします。
ネネは海面に顔を出して大きく深呼吸をした後、砂浜に上がりました。
「うわっ 暑っちゅ!」
すっかり忘れていましたが、夏の日差しを受けた砂浜は灼熱地獄でした。
「いっそげ いっそげ あちちちち あちゅいって!」
ネネはサンタ袋から大きな日傘を取り出して、砂浜に深く突き刺しました。
続けて水筒を取り出したものの、手が滑って落としてしまいます。
慌てて拾い上げ、急いでフタを開けると、すぐに頭からジャボジャボと水を被り始めました。
「うっひぃぃ! 冷たくて気持ちいぃぃ!!」
サンダー・ボルトの話によると、海水を洗い流さないまま髪の毛を乾かしてしまうとボサボサになってしまうらしいです。
タオルを取り出して髪や全身を拭きあげると、今度は水筒の水をガボガボと飲み始めました。
この水筒と中身の水は、天上界から持ち込んだものです。
液体を入れると圧縮されるみたいで、とんでもない量を詰めておくことができる優れものです。
さてネネが改めて砂浜や海の中を見て学んだことは、やはりビルの瓦礫は環境に悪影響しかもたらさないと言うことでした。
おそらく現在の人間では、巨大な瓦礫を処分することは不可能です。
ネネはサンタ袋に入れて処分してしまうことも考えましたが、さすがに巨大なゴミを抱えて一生を過ごすわけにもいきません。
「う~ん、こういうゴミとか、パッと消してくれる神はいないのかな」
そんな都合のよい能力を持った神はいないので、これはほとんど愚痴のようなものでした。
「そういえば、ボルトどこ行ったんだろ」
実はボルトからは「もしもお互いはぐれてしまった時は、ネネはその場から動くな」と言われています。
これは、彼女はすぐに迷子になるからだそうです。
実際、ネネは森の外に出て雪だるまにされてしまい、実質上「迷子」状態になっていました。
森の外には出てしまったものの、この砂浜はボルトと一緒に落っこちた場所なので、ここにいればきっと見つけてくれるでしょう。
ネネはけっこう能天気な性格をしていることもあり、ここで日光浴を決め込みながらボルトの帰りを待つことにしました。
つづく
【あとがき】
この小説の題名は「赤と黒のサンタ」です
小説の投稿が遅くなる時がありますが、これには理由があって(;´・ω・)
個人的には特殊な小説の書き方をしてまして、だいたいこんな手順です
1)ざっくりと各話の話を先に文章で考える
2)必要になる画像を納得いくまでAI生成する
3)画像に合わせて具体的な文章を付けていく
で、主に(2)に時間がかかるので、話がなかなか先に進まないわけで
AI 画像生成も、意外に大変ですのよ
狙い通りの画像を作るまでに入力する「プロンプト(魔法の言葉)」を何度も書き直して、それでも部分的におかしな画像が出来上がるw
それをまたAIに指示して、部分修正をひたすら繰り返す
この作業が、とてつもなく大変なのです
AI画像を「お絵かきソフト」に引き継いで修正すれば・・・なかなかそれも、うまいこといかないのよ(;´・ω・) やってみ
全てAI生成画像です。「leonardo.Ai」さんを利用させて頂いてます
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