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AshiKathDiary (映画「君たちはどう生きるか」観る?観ない?15歳と31歳のとき原作を読んだわたし、41歳で3回目の読書中)

7月14日に宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」が公開された。
原作の吉野源三郎『君たちはどう生きるか』は1937年に発行された良書であることは言うまでもなく。

今、わたしはこの原作を読み直してそろそろ完読するところ。実は3回目。
最初に読んだのは、なんと15歳のとき。父から「この本は読む価値があるから、読んでみると良い」と手渡された。
古本屋さんで買ったであろう、文庫本。

中学生当時の読書記録も手元に残ってた!

貴重公開!1995年15歳の時の読書記録。”全然”という漢字が違う(笑)

当時の感想は”立派な人間の意味を考えさせられる本だった”と書いている。
中学生ながら、この深い小説をなんとか自分なりに要約して感想を書いてみたって感じね。

2回目は、31歳の時。二人目の子が生まれて、「ふたりの可愛い子どもにとって、恥ずかしくない人間(母親)になりたい」と思っていた時。それでこの本を読み返したのだろう。

でも、当時も読書記録なるものを書いていたけれど、肝心な感想を書いていなくて、タイトルだけ書いて白紙!たぶん・・・内容が濃くて、まとめきれなかったのかな・・・


2013年31歳の時の読書記録。

読んだことによって、「立派な人間」を再考して、自分なりに内面的にも親として成長したい、と思ったことが今から思うと、あたしってエラかったなぁ。

その後、2018年、漫画版が出てベストセラーとなった。当時、読解するには難しい名作を漫画で親しもうという風潮があったようで、『君たちはどう生きるか』も漫画に編集され、話題となり新聞に取り上げられたりしてた。
2回も真面目に読んだ私は、当時憤慨したことがあった。
それは、漫画が出版されたことではなく、話題となっているということで、朝日新聞が「いまなぜ多くの人にこの本が受け入れられるか」というテーマで記事にしていて、知識人の見解として社会学者の古市憲寿にインタビューしたのだ。
社会学出身のわたしとしては、彼の発言は、興味深くもあり鼻にもつくんだけど(ファンの方ごめんね)、驚いたのが「僕は『君たちはどう生きるか』を読んだことがないけれど~これが今ブームになっているのはこうだからだと思う」というようなことが書かれていたのだ。
憤慨したのは、読んだこともないひとを”知識人”としてインタビューして、この本について語らせた朝日新聞社の浅はかさ。

憤慨したっちゃしたけれど。

一応漫画も”流行にのっかって”、息子も読めるかな~なんて思って夫が購入したものだからわたしも読んだのよね。
やっぱり、漫画にしちゃうと全部は反映できないよな、道徳的な感じのエピソードは丁寧に書かれてるけど、やっぱり原作には及ばないな、そんな感想を持ったように記憶している。

わたしが手元にもっている、文庫本には、2018年漫画がブームになった時に
福岡伸一氏が書いたコラムの記事(折しも朝日新聞ね)が挟んであった。そこにも、漫画になると、道徳本的要素が全面に出されてちょっと資本主義についての内容が削がれて逸脱してるような・・・というような内容。確かにそうね。それだけじゃない本なのにね、と改めて共感。

朝日新聞2018年4月12日掲載コラムより(福岡伸一氏)

当時、漫画がブームになり、そのタイミングでどうやら、宮崎駿さんも”映画化”を構想しだしたのかな?制作します、と言っていたことはうっすら記憶しているけれど、なかなか完成しないのでやっぱり映画にはならないのかな~と思っていたころに、突然「公開されます」って知って「おっ、作っていたのですか、宮崎監督」となり・・・

映画館に行くか行かないか、迷いだした。「宮崎駿監督作品だからこそ、観てないようにがっかりしたくない」という気持ちがあったりして。
それは、原作を読むのが一番だ、ということに結局なるかもしれないな、だったら観て何になるかしら?と思う自分がいるわけで・・・
「宮崎さんが作っている映画なんだから、がっかりするようなことはないでしょ!」と姉は言う。父も「(お父さんは映画館にそもそも言って映画を観ないから行かないけれど)、まぁ、この内容で大丈夫だろう、人々の評価を得られるだろう、と検証されて公開しているから、がっかりはないだろう」と言う。

宣伝や告知、内容についてほとんど前情報を出していないこの作品は、公開一か月経ち、観客にとっては3回も4回もリピート鑑賞する方(AERAの記事によると、鈴木敏夫さんにインタビューした朝日新聞記者の方がえらく感動したそうで。。。)がいる反面、「うーむ」という方もいるとかいないとか、賛否両論である、という情報を最小限だけかろうじて吸収。
どうやら、映画は原作をただなぞったり忠実に再現した内容ではなさそう。
なるべく、ネタバレ情報含め、前情報を頭に入れないように気を付けつつ・・・

3回目の原作を読みながら、わたしは「やっぱり、映画も観に行こう」と決めた。

Ok, I will write the book review of this third time's reading and movie review also next time, maybe…

40歳超えて再読したこの原作については、やはり感想も変わるし、宮崎駿監督がこの作品をどう表現したかは気になるから。

さて、これが知的好奇心ってことね。それでは、次回のAshiKathもお楽しみに♪


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