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『自分の中に毒を持て』

岡本太郎 1911〜1996
『自分の中に毒を持て』1993

・人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。過去の蓄積にこだわると、堆積物に埋もれて身動きができなくなる。

・人生に挑み、ほんとうに生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれ変わって運命をひらくのだ。それには心身とも無一物、無条件でなければならない。

・死に対面する以外の生はないのだ。

・人間にとって成功とはいったい何だろう。結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。

・夢がたとえ成就しなかったとしても、精いっぱい挑戦した、それで爽やかだ。

・計画性なんていうことにこだわらず平気で捨ててみて、つまらなかったらやめればいい。

・日記を書きたい、書こうと思ったら、つづくかつづかないか、よりも書こうと思ったことの方が大事で、それをつづけなければならないと義務に縛られて書く必要はない。

・「いずれ」なんていうヤツに限って、現在の自分に責任をもっていない。生きるというのは、瞬間瞬間に情熱をほとばしらせて、現在に充実することだ。

・そもそも自分と他を比べるから、自信などというものが問題になってくるのだ。わが人生、他と比較して自分をきめるなどというような卑しいことはやらない。ただ自分の信じていること、正しいと思うことに、わき目もふらず突き進むだけだ。

・自信なんていうのは相対的価値観だ。誰々よりも自分は上だ、とかいうものでしかない。そうじゃなくて、人間は生死を越えた絶対感によって生きなければ駄目だ。

・自信はない、でもとにかくやってみようと決意する。その一瞬一瞬に賭けて、ひたすらやってみる。それだけでいいんだ。また、それしかないんだ。

・この世の中には、完成なんてことは存在しないんだ。完成なんてことは他人が勝手にそう思うだけだ。

・ほんとうに生きるということは、いつも自分は未熟なんだという前提のもとに平気で生きることだ。それを忘れちゃいけないと思う。

・自分はほんとうにチッポケな、非力な、どうにもならない存在だ。でもこの小さな一匹の蟻が胸から血を流して倒れるとき、自分と一緒に世界が滅び去る、ぼくはそう実感する。

・不満かもしれないが、この社会生活以外にどんな生き方があるのか。、ならば、まともにこの社会というものを見すえ、自分がその中でどういう生き方をすべきか、どういう役割を果たすのか、決めなければならない。

・才能なんてないほうがいい。才能なんて勝手にしやがれだ。才能のあるなしにかかわらず、自分として純粋に生きることが、人間のほんとうの生き方だ。

・やろうとしないから、やれないんだ。それだけのことだ。

・激しく挑みつづけても、世の中は変わらない。しかし、世の中は変わらなくても自分自身は変わる。

・芸術というのは生きることそのものである。人間として最も強烈に生きる者、無条件に生命をつき出し爆発する、その生き方こそが芸術なのだということを強調したい。
”芸術は爆発だ”

・大事にするから、弱くなってしまうのだ。己自身と闘え。炎はその瞬間に燃えあがり、あとは無。-爆発するんだ。

・生物は栄え、そして滅する。永遠に滅びないなどと考えるほうがおかしい。人類がこの世界に出現した、それは当然、いつかは消え去るということを前提にしているはずだ。

・人間本来の生き方は無目的、無条件であるべきだ。それが誇りだ。
未練がましくある必要はないのだ。
無目的にふくらみ、輝いて、最後に爆発する。
平然と人類がこの世から去るとしたら、それがぼくには栄光だと思える。


 絶対感で生きる


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