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Selloopを通じて目指したいこと

こんにちは!リユース事業支援サービス Selloop ジェネラル・マネジャーの新谷です。 メーカー・小売事業者のリユース(二次流通)事業参入における、企画・設計の伴走支援に携わっています。

この記事は、リユース事業への参入を検討しているメーカー・小売事業者の担当者様や、Selloopに興味を持って頂いた方々を対象としています。我々Selloopチームが事業を通じて目指したいことをお伝えする記事ですが、メーカー・小売事業者がリユース事業に取り組むことの社会的意義について考える上でも、ヒントになる内容かと思います。


家庭に眠る退蔵品

日本の家庭に眠る退蔵品(かくれ資産)の価値は44兆円にのぼるそうです。

退蔵品とは、家庭内に保管されているが、使われず不用品として眠っている製品を指します。上記の株式会社メルカリ調査では、1年以上退蔵されている製品について保管量を調査し、「メルカリ」における平均取引価格を用いて金額換算したところ、総額44兆円(国民一人当たり35万円)と算定されたとのことです。

リユース業界の市場規模(toC流通総額)は2.7兆円(出所:リサイクル通信調査)と言われています。したがって、現在流通している価値のおよそ16倍が、家庭内に眠っている計算になります。

サステナビリティの観点から大切なことは、消費を目的とした資源投下やCO2排出をできるだけ抑えることと、資源投下・CO2排出を経て製造された製品から最大限の価値を引き出すこと(いわゆる「もったいない」の精神)です。大量の退蔵品が存在している事実は、環境に負荷を与えて生み出された製品が活用されないまま、その残存価値が目減りし続けている状態を意味します。これは大きな問題であるとともに、裏を返せば、循環型社会の「伸びしろ」でもあります。

リユースのハードル

日本においては、CtoCのフリマアプリやネットオークション、リユース事業者による買取・再販などを通じて、不用品の再流通が行われています。その市場規模は上述の通り2.7兆円(出所:リサイクル通信調査)です。これは決して少ない量ではありませんが、背後に眠る退蔵品に対しては「氷山の一角」であることも事実です。

リユース市場が限定的な規模にとどまっている背景には、いくつかのハードルがあります。1つは経済性のハードルです。リユースを大規模に成立させるには企業の介在が欠かせませんが、当然のことながらそこでは売り手/企業/買い手それぞれが収支に納得できる必要があります。これが実際に可能な領域は決して広くはなく、大半の製品は「あえて流通させるほどの価値もない」ものと見做されてしまいます。
例えば衣類で言えば、ハイブランド商品は活発な取引の対象になりますし、カジュアルなブランドでも名の知れたものであれば売買が成立しますが、ファストファッションブランドや知名度の低いブランドは流通が難しいものが大半です。

加えて、こうしたハードルに上乗せされるもう1つのハードルが「面倒くささ」です。特に売り手にとって、退蔵品をフリマアプリで価格交渉しながら売り捌いたり、あるいは古着店に持っていくのにはかなりの手間がかかります。この手間を嫌って退蔵、あるいは廃棄されてしまう製品がかなりの量にのぼることは、ご自身の生活を振り返っていただければ想像しやすいかと思います。それが高く売れる見込みの薄いアイテムであるならばなおさらのことです。

これらの他にも物流コストのハードルや、売い手・買い手のマッチングのハードル、品質情報化のハードルといった要素が合わさり、リユース流通量の飛躍的な拡大を難しくしています。したがって、こうしたハードルをクリアしていくことが、退蔵品を活用するためのカギとなります。

サーキュラーコマースの可能性

Selloopでは、メーカー・小売企業が自ら自社製品のリユースに取り組む「サーキュラーコマース」のモデルを追求しています。これは、不用品を買い取り、再販し、その差額で稼ぐ(もしくは売買を仲介することで稼ぐ)という従来的なリユースビジネスとは異なる視点に立つ方法です。

メーカー・小売事業者にとってのリユース事業は、ただモノを売買する事業というだけでなく、自社商品を以前購入したユーザーと再びつながる重要なタッチポイントになります。この接点を活かし、次の購買に誘導するなどの工夫を取り入れることによって、新品の販売も含めた顧客あたりLTVを高めることが可能です(例えばシンプルな工夫としては、買取金額を自社ポイントで支払うなどが考えられます)。こうした考え方に立つと、リユース事業はある種の「マーケティング施策」としての効果を発揮するため、経済性における考え方が変わります。極端な例としては、リユース事業単体ではコストアウトしていても、新品販売側へのプラスの効果がそれを上回ることがあり得ます。

また、メーカー・小売事業者が主体になることにより、お買い物のついでに不用品を手放せるようなサービスなど、「面倒くささ」を軽減したような新たな体験設計の可能性が生まれます。こうした快適なサービスを提供することで、ブランドロイヤルティが高まる効果も期待できるでしょう。

このように、新品販売とリユース(一次流通と二次流通)を融合させ、リユースを通じて新品販売を活性化させるようなモデルを、私たちは「サーキュラーコマース(循環型小売)」と呼んでいます。メーカー・小売事業者がサーキュラーコマースに取り組むことによって、リユースのハードルを下げ、より広範な製品を流通させることが可能になるはずです。それも、企業の稼ぎをしっかり確保・強化しながらです。

Selloopチームは、サーキュラーコマースに取り組む企業をご支援し、さらに多くの企業がこうしたモデルに興味を持って頂けるよう、日々活動を続けています。こうした活動によってリユースの可能性を押し広げ、より高度で、よりサステナブルな循環型社会の構築に寄与すること。これこそが、Selloopを通じて私たちが実現したいことです。

終わりに

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

オークネットグループ企業ストラテジックインサイトでは、メーカー・小売企業様におけるサーキュラーコマースの立ち上げを支援するサービス『Selloop』をご提供しています。 クイックかつローリスクなリユースビジネスの立ち上げを、ビジネス設計のコンサルティングや各種開発・制作の代行、業務BPOによって実現します。 ご興味のある方は、Selloop webサイトよりお気軽にご相談ください。

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