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お別れの時に起こった奇跡

我が人生に間違いなし!

3月31日。年度末にして、私にとっては、保育園を卒園した子達との正式なお別れの日でした。

通年では、編集作業が忙しくて、園にお邪魔することができないんですが、今年は初めて最終日にお邪魔することができました。
というのも、コロナの影響もあって、行事のスケジュールが変わったこともあり、本来予定にはなかったんですが、撮影に行く事になりました。

中にはもう登園しなくなった子もいましたが、ほとんどの子たちが最終日まで登園し、子供たちと、ちゃんとお別れをすることができました。これは、保育カメラマンになって6年になりますが、実は初めてのことでした。

子供達は、卒園記念のプレゼントを用意してくれていて、感謝の言葉と共に渡してくれました。それはもう涙を止めるのがやっとでした。流してしまったら止められなかったので。

そしてお別れの時、特に手が掛かったやんちゃな子がいたんですが、その子が一番離れずに涙を流して帰してくれませんでした。

「MAXさんのこと忘れないよ!僕のことも忘れないでね!
 一年生になったら頑張るからね!」

その子からその言葉を10回は聞いたでしょうか。何とも言えない気持ちでしたね。やんちゃでわがままで甘えん坊なその子は、きっと人一倍、人の思いに敏感なのかもしれません。以前、『卒園式で感じた、「物語」の本質』というコラムの中で、「背景を知る」ということについて触れました。

誰にでも言えることですが、良くも悪くもなぜその人はそんな風になってしまったのか。
なぜこの子はこんなにも手がかかるんだろう?ということは、背景を知ることで見えてくるものがあります

人間関係の悩みの多くは、背景がわからず理解できないことに起因します。わからないから理解できず、対処のしようがない。でも実は、とても辛い経験をしていたり、苦しんでいることを知ったら、事実は変わらなくても認識は変わります

その子は私に、とても大事なことを教えてくれました。
他の子供達も、私への感謝の思いや言葉を伝えてくれました。保育カメラマンになって6年。この時ほど保育カメラマンになって良かったと思うことはありませんでした。

ラオウではありませんが、我が人生に間違いはありませんでした。

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「せいをおかげに」した奇跡

まさに、私にとってはコロナの"おかげ"でこんな素敵な出来事となりました。

ただ、以前のコラムでも述べましたが、実は一つだけ「コロナのせい」にしていたことがあるんです。

今年卒園したKちゃんには、二つ上のSちゃんというお姉ちゃんがいました。大きな声では言えませんが、私はSちゃんが大好きで、保育園で見てきた中でも一番思い入れのある子がいたんです(笑)。Sちゃんとは卒園後も、妹のKちゃんがいたので親子行事などで会うことができ、それがとても楽しみだったのですが、コロナの"せい"で、会えるはずの行事でも会うことができなくなりました。

もう会えないかなぁと思っていた上に、Kちゃんが卒園したら、Sちゃんとはもう会うことはできないかもしれません。それなのに最後のチャンスで会えなかったのは、「せいをおかげに」と発信している私でも、コロナの"せい"にしたくなるものでした。

これがどうなったら"おかげ"にできるんだろう、と考えていましたが、それは後になってみないとわからないものです。

しかしこの日、Sちゃんに会えたんです。実は、思いもよらない出来事に、一瞬分からなかったんです。面白いですよね。全く予想していないことが起こると、すぐには認識することができないんですから。でも、Sちゃんは間違いなくそこにいました。

その瞬間、コロナの"せい"ではなくなり、コロナの"おかげ"でサプライズが起き、奇跡を味わうことができたのです。その感動はコロナの"おかげ"で味わえたものでした。

奇跡はそれだけに止まりませんでした。

そんな思い入れのあるお宅なのに、販売したDVDに欠陥があったことを、前日にKちゃんから聞いたんです。すぐさま手紙を書いて、取り替えるようにお伝えしたら、翌日、取り替えるように持ってきてくれていて、お預かりしていました。直接お会いできたので、お母様に謝ったら、「大したことないし全然良かったんですけど・・・」と全然気にしておられなかったんですが、新しいものを用意するように伝えました。

そして、DVDが入っていた袋の中に、手紙が入っていました。
そこには、小学生になったSちゃんと、卒園するKちゃんの写真とメッセージが書かれていたんです。

Sちゃんは、保育園にいた時はとても仲良くて、いっぱい遊んだものの、小学生になってからは素っ気なくなってしまい、ちょっと冷たくなったりして、せっかく会えても寂しかったりしました。そんなSちゃんからの言葉に、涙が止まりませんでした。

「ヤラカシちまったぁ♫」とどぶろっくに歌ってもらってもおかしくないはずだったですが、ヤラカシしてしまった"おかげ"で、このような奇跡が起こるとは・・・。きっと、DVDを取り替える必要はなかったんでしょうけど、私に子供達からの手紙を渡そうと、準備してくれたんだと思います。

この手紙は、私にとって一生の宝物です。


「せいをおかげに」する「道楽」

「せいをおかげに」という考えを認識し、道中を楽しんでいくことで、"せい"にしたくなるようなことがあっても、"おかげ"になるようにできます。この奇跡は、そう考えて生きているから、起こったものだと思っています。

今回の奇跡は、私にとっては釣り合いが取れないほど大きな"おかげ"になりました。実は、特大なプレゼントを用意していたんですが、スケジュール的に厳しく、頓挫していたものがあったんですが、もらって終わりにするのではなく、なんとかそのプレゼントを完成させて、お返ししたいと思っています。

こうやって、愛の思いが巡り回っていくことが、人生を豊かにする一つではないかと思います。しっかりと思いを受け取って、思いを伝える。誰しも、いつどこで何が起こるかはわかりません。
コロナウイルスの"せい"にしたり、「タラレバ」を嘆くのではなく、こういう現状だ「からこそ」、できることや向き合えることがあるので、「せいをおかげに」「からこそ精神」で道中を楽しんでいきましょう!


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