刃奔星走、彼方へススメ!
序
「おいこらまたんかー!!!」
「おい、そこの侍と魔女止まらんかい!!」
時代は明治。場所は大阪。
街中を失踪する二人の影。それに追随する大勢の影、影、影。
先を走る二人の影は、顔を見合わせる。
1人は乱雑に髪を束ねて男物の着物を纏い、帯刀する女侍。
1人は洋物の紳士服と三角の山高帽子をかぶった優男の魔女。
魔法使いは顔を真っ赤にしながら、侍へつばを飛ばす。
「それで、ハァ。……何かプランハァ……うえぇ。計画はあるのかかっ!!!? なぁおい、キクさんよ」
「あるわけないだろ