普通に生きたい僕であった(61)
「ここはある人物と出会った大切な場所だ」僕は思い出した。ここは市川さんと会った場所だった。あの時はただの人見知りかと思ったのだが、違った。
僕は後ろを見た。「お前か、僕の記憶を盗んだものは」そこには一人の少女が立っていた。昔にも何度もあった人だ。「どうしてそう思う?私がそんなことをして何のメリットになる」僕は一番初めに入ってきた考えを言った。「僕が記憶喪失になれば僕と付き合えるからか?」彼女はブッと噴出した。「なんで私がそんなことをしないといけない」彼は笑うのをやめた。「私は