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2時間目は数学だ。こっちも簡単だった。今でもまだXやYをしていた。復習というところだろうか。
5+5+5+5+5=55
という問題を先生は出してきた。1本の線を入れて計算を合っているようにしろという問題だ。
答えは完全にばかばかしかった。僕はわかる。だが、全員頭を悩ましていた。先生は僕に目をつけてきた。
厄介だ。「答えてみなさい」厳しそうな先生ではあるが、おかしな問題を出してくる先生でもあった。
5+5+5+5+5≠55
とてもおかしくて簡単な質問だった。
だが、もう一人は完全におかしなことをした。問題の初めから最後まで線を描いた。これで問題はなくなったということになる。
先生はため息をつき、今度はもっとおかしな問題を出してきた。
a²+b²+c²=4
a³+b³+c³=10
a⁴+b⁴+c⁴=22
a⁵+b⁵+c⁵=?
これは見てからすぐにわかる。答えが存在しない。存在するように初見は見えるが普通に考えれば答えが存在しない。
例えばaが3で、bが1、cが0だったとする。初めの問題は3の2乗+1の2乗+0の2乗で答えは4だ。合っている。
次の問題も正解だ。だが、初めから3つ目の問題は間違う。13になってしまう。だからこれは答えることが不可能だ。
先生はにやりとした。全員気づかないと思っているのだろう。これに答えが存在しないことを。
この数学の先生は普通にイカれていた。

3時間目からは不思議なことをし始めた。
まずは100メートル走、2重縄跳び、そしてその縄跳びは本当に2重だった。20ではない。そっちは人飛びて縄を2回回すことだ。だが、これは2つの縄跳びを使う。なので重いし絡まってとても飛びにくかった。僕も少しだけは手こずった。だが、5分ほどかければなれることができた。なので待っている間はずっと飛んでいた。一度も止めずに。
その次は昼休みだった。初めから遊ぶものもいるし持ってきた弁当を食べている人もいる。僕は木の下で手作り弁当を食べていた。
そこへ1匹の猫が歩いてきた。「おいで」僕は手招きした。猫というより子猫だった。とても小さく、恐怖というものを知らないようだった。全く警戒せずに僕の真横で寝込んだ。日向ぼっこの真反対みたいだ。
僕は空を見た。僕が生まれる前に猫を飼っていた気がして、猫にだけは甘えてしまうのだった。手を差し伸べると小さな下でなめてきた。こそばゆいという感覚を僕は持っていない。持ったことがないだけなのかもしれない。
「何をしている」そこへ一人の生徒が歩いてきた。僕は何も話さなかった。「友達はいないのか」彼も無表情だった。僕と同じ。僕はここにきて初めて誰かと話した。「いない」首を振る。
彼は僕の横に座ると僕を覗き込んで来た。「作る気はないのか」僕は首を振る。無言が少しの間続いた。「何かすることはあるのか」普通の人には聞きそうにない質問ばかり飛んでくる。しかもその質問はすべて、言葉にしなくても答えることができる質問ばかりだった。
僕は首を振った。僕は立ち上がり、校庭から離れていった。この学園は大きい。一つの町が学校の中にある。その中にはスーパーマーケットやモールまである。1日に何十万というお金を使っているだろう。僕が向かったところはアイテムショップだった。街中にぽつんとあり、ほとんど客も来ない。だが、噂によればそこにはポイントをためることのできる面白いものがたくさんあるようだ。
店の前に来るととても店とは思えなかった。普通の家だ。「いらっしゃい」1人の女性が現れた。だが、女性とは思えない。何百才だろうか。何百年もい生き続けているかのような顔だった。
中に入るとそこにはたくさんのものがあった。その中で一番目に留まったのは仮面だった。鼻らへんまでしかない狐の仮面、僕が欲しかったものにそっくりだった。「それはただの仮面だよ」
女性は言ったが私はそれを買うことにした。これで顔を隠すことができるかもしれない。目立たないで済むかもしれないと思ったからだ。

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