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トラブルの多いトラベラー、九州に初上陸する

私はなぜかいつもトラブルの多いトラベルをしている。うっかりスパイ容疑をかけられたり、スラム街に迷い込んだり、Google マップの案内に騙されて崖を滑り落ちたり、飛行機が欠航になって空港に丸一日放置されたり……と枚挙に暇がない。

自分自身のうっかりミスに起因するトラブルもあるが、外的要因による防ぎようのないトラブルも多いのはなかなか理不尽。とはいえ私は1度寝れば大抵のことはどうでもよくなるタイプなので、「まあトラブルも旅の醍醐味だよね」というなんともドMな発想で旅を続けている。そんなトラベラーが九州に初上陸した話。

羽田空港へ

というわけでさっそくスタート。東京から九州への旅行となると飛行機で往復するのが一般的だろう。私はけっこう鉄オタなので陸路で行きたいという気持ちもあったが、普通に時間がないので今回は飛行機でワープ。旅程としては陸路でのアクセスがやや難しく陸の孤島とも呼ばれる宮崎から入り、北へ抜けていくルートにした。

で、1時間程の余裕をもって羽田に到着。そそくさと保安検査を通過してカードラウンジに突撃する。フリードリンクをもらってのんびりしてから搭乗開始ギリギリに搭乗口へ向かう。コロナ禍で海外に行きづらくなって以降国内での飛行機移動が多くなったこともあり、この一連の流れは手慣れたものである

……が、今回は完全に失敗した。

遅刻しかける

いつものように悠々と搭乗口へ向かうが、なにやらいつもと景色が違う様子。「おや?」と思いつつも階段を下りていくと、そこにはいきなりバス乗り場が「ア!!しまった!サテライトターミナルか!!」

羽田の第2ターミナルには本館とは別にサテライトと呼ばれる別棟があり、一部の便はここから搭乗することになる。搭乗口からバスに乗って沖止めされた飛行機へ乗り付けるのとは違い、サテライト側に待合設備があり飛行機にもボーディングブリッジでアクセスできる。で、本館からサテライトへは専用バスでの移動となるため、通常よりも 10 分程度の所要時間が追加でかかる。

そんなわけで時間ギリギリに向かった私は大ピンチ。冷や汗をだらだら流しながらバスに揺られ、サテライトに着いた瞬間からダッシュ!!

ε≡≡≡≡≡≡┏(:'o')┛うおおおおおおおおおおおお!!!!

で、サテライトはコンパクトなこともあり、速攻で搭乗口へアクセスしなんとか乗ることができた。ちょうど私の隣を予約していたご家族もサテライトのトラップにはまって遅れたらしく(同じバスに乗っていた)、一緒に気まずい思いをしながら着席あと1本遅いバスだったら締め切られていたかもとのこと。危なかった……。

飛行機、飛び立たず

旅の初めからいきなりトラブってしまったが、どうにか無事に乗れたため宮崎までのんびり空の旅を楽しもう……と思っていたのだが、一向に飛行機が動かない

しばらくするとアナウンスがあり、体調不良で搭乗キャンセルになったお客さんの荷物を取り出しているとのこと。なんて迷惑なお客さんだ(自分のことは棚に上げつつ)と思ったが、病原菌を撒き散らす最悪の事態は防がれたため賢明な判断だと言えるだろう。しかし、1度積載した預け荷物の中から個人の荷物を探し出して取り出すというのはかなり手間のかかる作業だろう。お疲れ様すぎる……。というか荷物預けてからの短時間で急激に体調が悪化することってあるのか?

ようやく出発

そんなこんなで出発時刻をだいぶ過ぎたところで、ようやく作業が終わり飛行機が動き出した。「いつもよりタキシングが長いな……」と思いながら外を見ると、なんとD滑走路に向かっていた。2010 年に新しく完成した4本目の滑走路で、桟橋を渡ってアクセスするというなかなか珍しい光景が見られる。

で、離陸してからはあっという間に宮崎に到着。すでに南国の雰囲気が出てるな。

宮崎空港には JR 九州が乗り入れており、市内へのアクセスも良い。ただ、今回の場合は飛行機の遅延により本来接続するはずの特急が出発済みとなっていた。特急に接続する前提で旅程を組んでいる人がいたら悲惨だ。飛行機が遅延しても基本的に鉄道は待ってくれないというのは肝に銘じておくべきだろう。

ちなみに、宮崎空港~宮崎は特急券なしで特急に乗車可能である。18 きっぷなどでもいけるため、機会があればぜひ活用してほしい。

宮崎に到着

特急に接続しなかったため後続の普通列車で宮崎駅へ。

この日の宿は宮崎市の中心部の方に取っており、駅から西へ 10 分ちょっと歩いた場所にある。国鉄の駅が旧市街の町外れにできる典型例で、駅から西の中心部まではかなり栄えているものの、東側は新しく開発された新市街で落ち着いた感じだ。

重い荷物を背負って歩くのが大変な場合は、ぐるっぴーと呼ばれる巡回バスを利用すると良い。タイヤがたくさん付いた小型の電気自動車で、低速だが 100 円で乗車可能だ。運行頻度も高いためけっこう便利。

街なかをぶらぶら動き回りたい場合はレンタサイクルを借りると良い。18 時までに返却する必要があるが、500 円というかなりリーズナブルな価格で利用できる。私は徒歩+公共交通機関だと辛いかなと思い、レンタサイクルを借りた。

宮崎観光

というわけでさっそく観光開始!……といきたいところだが、残念なことに宮崎市内はチャリで巡れるような観光スポットに乏しい。サクッと行けるのは宮崎神宮くらいだろう。

そんなわけで宮崎神宮に参拝した後はひたすらローカルなエリアをポタリングすることに。

北へ向かっていくと市街地が途切れたあたりで小さな丘陵となっており、公園として整備されているようだった。

ポタリングのつもりで出たのだがけっこうヒルクライムしてしまった……。シティサイクルとはいえ、サドルを上げればそれなりに走れる。

あとは鉄分補給。日豊本線の大淀川鉄橋がなかなか映えスポットだった。

夕日に照らされながら長い鉄橋をゴトゴトと渡っていく姿がなんともエモくて良い感じ。

その後はチャリを返却して中心部の街歩き。九州の人口規模というのが肌感覚としてわかっていないのだが、地方都市としては人も多く栄えている印象を受けた。

商店街のアーケードが良い味出してる。

商店街からさらに裏路地へ入れる場所を発見。

裏路地大好き人間としてはもちろん突撃。

営業を続けているお店と閉めてしまったお店が狭い空間の中で共存しているのが良い。

この寂れ具合も好き。

歓楽街もあり夜になるとけっこうギラギラする。ネオンのジジジッという音がなんとも心地良い。

なんとL字ディスプレイを使った3次元広告が!新宿東口で嫌と言うほど見てきたが、宮崎でも目にするとは思わなかった。

翌日

そんなわけで翌日。宮崎駅へ向かう。

駅へ向かうまでの道に駅弁の直売所があったため、お昼ご飯を調達。見た目があまりにも営業所すぎて入るのに躊躇した

駅のホームにつくと、ちょうど海幸山幸が発車するところだった。日南線の南郷まで行く観光列車だ。

こちらは日南線の普通列車。日南線の終点である志布志駅は「志布志市役所志布志支所」で有名なあの志布志だ。いつか見に行ってみたいものである。

日豊本線はかなりの特急街道となっており、宮崎では北へ向かうにちりんのほか鹿児島方面のきりしまも見ることができる。その一方で普通列車の数は控えめで、特に県境を越えて大分県に突入する便が極端に少ないことから 18 きっぷ旅の難所と言われている。

ケチって自由席にしたため一抹の不安があったが、完全に杞憂だった。JR 九州は特急券の割引が充実しており、乗車券とセットでネット予約すれば自由席と同じ値段で指定席を取ることができる。ただ、今回は乗車券部分を学割乗車券にした関係で特急券単体での予約となってしまったわけだ。

のんびり車窓を眺めていると、右手に謎の構造物が延々と並行する。

鉄道の高架橋に見えるけど、無限にソーラーパネルが乗っているのでもう使われていないのだろうか?

などと考えていると、やがて高架橋は線路を越えて左手の建物へ突っ込んでいった。建物には鉄道総研の文字。ここでピンとくる!

「かつて宮崎でリニアの実験が行われていたらしいけど、その跡ではないか」と思って調べてみるとビンゴ!リニアの実験線跡だった。しかしせっかく日豊本線と長い区間並行しているのだから、ソーラーパネル置くくらいなら線路敷いて複線化すれば良いのに……いや、この区間にそこまでの需要ないか

大分県に突入

そんなこんなで大分県へ。県境の峠越え付近を除いてずっと海岸沿いに北上しているが、オーシャンビューを拝める場所は意外と少ない

で、終点の大分駅に到着。小倉・博多方面へ向かうソニックに乗り継げるが、私はここで途中下車。

大分駅はけっこう立派な駅舎だった。

さっそく大分駅周辺の観光を開始!……といきたいところだが、このあたりでだいぶ分量が増えてしまったため今回はここで一区切りとしたい。

次回に続く

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