高知城と桂浜へ行った話
四国をレンタカーで1周する旅行記、その2。前回は高松空港に到着後いきなり雪山に突撃、山道やカカシだらけの集落にひやひやしながら祖谷のかずら橋を観光し、最終的に高知市へたどり着いたところまでを書いた。今回はその続きから。
とさでんに乗車
早朝、同行者が眠りこけている中こっそりと宿を脱出。さっそく電停へ向かい、後免町行きの路面電車に乗車。
とさでん軌道線で見どころとなるのが、はりまや交差点のダイヤモンドクロッシング。鉄道の線路と線路が平面で直交するというのは全国的に見ても大変珍しく、特に軌道線同士のダイヤモンドクロッシングはここだけとなっている。
さらに特徴的なのが、交差する路線同士を結ぶ連絡線が設けられていること。タイミングによっては3両が同時に右左折する「トリプル・クロス」が見られることもあるらしい……が、現在のダイヤで実現するのかはわからない。動画は YouTube などにたくさん上がっているので、気になる方は検索してみると良い。
ここで改めてとさでん軌道線の路線図を開くとこんな感じ。後免町から伊野まで JR に沿って東西に結ぶ東西線(勝手に命名)と、高知駅から桟橋通五丁目を結ぶ南北線(勝手に命名)がはりまや交差点で交わっているわけだ。
普段の運用を見ると東西線と南北線はほぼほぼ独立しており、実ははりまや交差点の連絡線を通る便はかなり少数派だったりする。桟橋通の車庫への入出庫がメインの役割といった感じ。私はてっきり高知駅とその他3方向を結ぶダイヤで終日運行しているものだと思っていたため、これは予想外。はりまや橋電停での乗り換えはスムーズなためあまり不便はないとはいえ、JR の駅前が中心地ではないということが実感できる。
はりまや橋へ
ダイヤモンドクロッシングを見学したその足で向かったのがはりまや橋。
路面電車も往来する立派な橋だなあ……と思いきや、本物のはりまや橋はすぐ横の赤い橋。
まあ「がっかり観光地」として有名なので特に驚きはしなかったが……デカいビルの裏手にあるせいで余計ショボく見えてしまうなあ。
そんなわけではりまや橋の見学はサクッと終わらせ、朝の静まり返ったアーケード商店街を横目に高知駅へ歩いていく。
個人的にはりまや橋よりもビビッときた光景がこちら、江ノ口川沿いに立ち並ぶ背の高いヤシの木、いかにも南国という雰囲気でとても良い感じ。ちなみに江ノ口川はかつて水質汚染でとんでもなく汚い川だったらしいが、今はその面影も全く残っていない。
鉄分補給
で、高知駅に到着。でかいロータリーがあるものの、街の中心とは言い難い感じだ。
今回の旅行では鉄道での移動が全く無いため、鉄分補給と JR 四国へのお布施も兼ねて入場券を購入し駅構内へ。まあ私が入場券を買ったところで JR 四国の財政状況は何も変わらないけど。
高知駅は2面4線の高架駅となっており、特に岡山方面は特急南風が1時間1本ペースで出ているほか、普通列車も1時間2本あるなどジャンクションとして立派に役割を果たしているようだ。
ただ、普通列車の半分は土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線への直通で、もう1本は大半が高知郊外の土佐山田で力尽きる短距離便となっている。県境を越える普通列車はマジで少ないので鈍行旅行の際は注意が必要だ。
で、その後は高知駅前電停から南下し、ダイヤモンドクロッシングをガタガタガタと通過して終点の桟橋通五丁目電停へ。
近くの車庫を外から眺める。
その後も引き続きとさでん軌道線を乗りつぶし……といきたいところだが、旅程の都合上そろそろ単独行動が厳しい時間なのでここで切り上げ。ちょうどはりまや交差点の連絡線を通る便に乗り、そのまま宿へ。
高知城へ
合流後はオタク要素なしの王道旅行。まず向かったのが高知城だ。
高知城は江戸時代の火災で再建されて以降、廃城令や戦火・自然災害を免れて多くの建造物が現存している。特に、天守や本丸御殿といった本丸の構造物が全て現存しているのは高知城が唯一だ。
高知市は平野に広がる街だが、高知城はその中でぽつんと膨らんだ山を利用して建てられている、いわゆる平山城だ。
板垣退助を発見。
下から天守をよく眺めると、石垣と建物の境界あたりにトゲトゲが無数に生えていることがわかる。これはいわゆる忍び返しで、当時のものがそのまま現存するのはこれまた国内唯一だとか。
本丸まで登りきるとこんな感じ。本丸御殿が天守と接続しているという大変珍しい構造をしている。
高知市街を展望。大きい建物も多いが城が高いので眺めは良い。
矢狭間塀から外を覗く。
……といった感じでその後はぐるっと城内を散策しながら駐車場へ戻った。
桂浜へ
高知城に続き高知市の定番観光地、桂浜へ向かう。高知市内からバスが出ているため公共交通機関で頑張りたい人も到達可能だが、1時間1本という運行頻度を考えるとやはりレンタカーが有利。浦戸大橋というジェットコースターのような橋を渡ると……
あっという間に到着。
眼前に広がるオーシャンビュー。
松の木とのコントラストも美しい。
坂本龍馬像。かなりデカい。
カメラを構えていたらちょうど鳥が頭に止まってしまった。
少し高い場所にあるので、龍馬の足元から見る景色もなかなか良き。
砂浜の方へ降りていくとこんな感じ。風も波もけっこう強く、夏場でも遊泳は禁止されているらしい。
まさに太平洋、外海という感じ。地平線まで視界を遮るものが何もない。
南側には龍王岬という岩でゴツゴツした岬があり、上まで登ると龍王宮と呼ばれる小さな神社がある。祀られているのは海の神である大綿津見神だ。
ここからの眺めも大変良い。左奥にうっすら見えている陸地は高知東部の室戸半島。地の果てすぎて今回の旅程では完全スルーとなったが、いつか行ってみたいものである。
その後は高台の上にある宿泊施設で日帰り温泉に入浴。
高所から桂浜を展望しながらゆったりと湯に浸かることができた……と、流れで入浴してしまったが、実は私は入浴すると体の電源が切れてしまう人。そのため、この日はこれ以降の記憶があまり定かでない。
南西へ向かう
桂浜観光後は車でひたすら南西へ。国道 56 号という、高知市から海岸線付近をぐるっと周りながら松山へ向かう道路でいくつも山を越えていく。で、しばらくして腹が減ってきたところ、ちょうど近くに有名な市場があるとのことで突撃。
向かったのは久礼大正町市場。観光地というよりは小さな港町の小さな市場といった感じで、ローカルな雰囲気が漂っており趣のあるエリアだ。
オフシーズンのオフピーク時間帯ということもあり、中はやや閑散とした様子。「高知と言えばやはりカツオでしょう!」ということで鰹のたたきをいただいたが、大変美味であった。
お腹を満たした後は引き続き国道 56 号を爆走し、本日の宿を取ってある四万十市へ。鉄道で言うと土讃線に沿って進んだ後、窪川から四万十くろしおラインに入って中村まで行った感じだ。道中、土佐くろしお鉄道の車両に遭遇。こっちも本数かなり少ないのでレアキャラ。
なお、窪川駅の位置する四万十町と今回向かった四万十市は別の自治体である。なんてややこしいんだろう……距離もそれなりに離れているので間違えないよう注意が必要だ。
で、宿についてからは日も暮れていたため観光などもせず屋内でだらだらしていた。私は旅行先でのんびりとした時間を過ごすのが苦手なのだが、この日はさすがに温泉の疲れが回っていたこともあり素直にだらだら。まあ、こういう時間の過ごし方も大学生集団の旅行っぽくて良いかもしれない。
……というわけで2日目はこれにて終了。次回に続く!
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