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短編小説

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日常がテーマの短い小説をまとめています。
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#ショートストーリー

【短編小説】線香花火

「線香花火しない?」 同じマンションの1階に住む彼から連絡があったのは、お風呂場で体をキ…

夏袋
4年前
18

【短編小説】『offlineの生活』

「久しぶり~、元気だった?」 「ああ、元気だよ。そっちは?」 「元気だけど退屈してるよ~。…

夏袋
4年前
7

【短編小説】銀座線、浅草行き

「上野で飲んでるんだけど来れない?」 彼女からの連絡はいつも突然だ。決まった約束なんてし…

夏袋
4年前
12

【短編小説】最高の出会い

十二月の後半、目に見える眩しさを放っている渋谷は街全体が幸せを噛み締めている。 年末に向…

夏袋
4年前
6

【短編小説】変えたくないもの

二〇一九年十二月三一日 二三時五十分 あと十分で今年も終わる。年末のテレビ番組の出演者も…

夏袋
4年前
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【掌編小説】記憶の作品集

「こうやって全員が集まるのって久しぶりじゃない?」 「確か前に集まったのって卒業式の打ち…

夏袋
4年前
6

【短編小説】『選べたはずの未来』

 ひと目見て、彼女だと気づいた。 お昼時を過ぎた山手線内回り。 ドアの入り口に立ち、流れていく景色をじっと見つめる彼女は僕が大学時代付き合っていた子だった。 おもいがけない出会いにつり革を掴む手にじわじわと汗が浮かんでくる。 もしかすると『君の名は』的な展開か!?と自分で自分に冗談を言っても、はやる鼓動の音は大きくなっていく。これは話しかけないといけない。なぜだかそんな気がした。 次の駅についたら声をかけよう。 そう心に決め、それまでの間、彼女とのことをふと思い返す