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【#1】街の張り紙とUXライティング

はじめに/UXライティングってなに?

優しさの塊のようなライティング技術があります。
その名も『UXライティング』(ゆーえっくすらいてぃんぐ)。UXとはユーザーエクスペリエンスの略です。

【ユーザーエクスペリエンスとは】
製品やサービスを使用することで得られるユーザー体験の総称。 ただ単に使いやすい、わかりやすいだけでなく、ユーザーの行動を導き、ユーザーがやりたいことを「楽しく・心地よく」実現することを目指した概念
ユーザーエクスペリエンスとは

UXの考え方をライティングで行うのが、UXライティング

【UXライティングとは】
ユーザーが目にする言葉を設計することによって、プロダクトとユーザーのコミュニケーションをデザインする分野
ユーザーを導く言葉をデザインする「UXライティング」という考え方

Webサイトやプロダクトなどで、ユーザーの次の行動や最終ゴールを指し示す、さり気ない矢印のような言葉を書くのがUXライティング。まだまだ知らないことが多いので、じっくり学んでざっくり書き留めながら、ライティングの領域を拡張しながら、僕も世界も優しくなっていこうと思います。

世界の隙間に忍び込む『わかりにくい』

とにかく世の中には『わかりにくい』が蔓延っています。
たとえばこれ。見たことありませんか。

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フードコートや高速道路のサービスエリアに出現しがちな、食券番号を表示する画面です。
何が完了なのか。1/1とは。よくわからないまま、我々は空腹とともにこの画面を凝視しなくてはいけません。わかりにくいし、結局厨房からマイクで番号を呼ばれたりします。


街で目にするさまざまな張り紙にも『わかりにくい』は潜んでいます。ある公共施設の入り口で目にしたわかりにくい張り紙を、忠実に再現しました。

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ショッキング張り紙ですよね。
あくのか、開けるのか、開くのか、しまるのか、閉じるのか。「上」とは何か。矢印の意味するところは。こうやって世界の隙間には、するりと『わかりにくい』が入り込むのです。

UXデザイン+UXライティング=優しさ

フードコートの食券番号画面や公共施設の張り紙など、わかりにくさに遭遇すると、人は口々に言います。『デザインの敗北だ』と。
この言葉はデザイナーにとってかなり屈辱的。優しくない。なにより、デザインだけの問題ではありません。デザインの敗北はすなわち『言葉足らずの敗北』もしくは『しゃべりすぎの敗北』という、ライティングの問題でもあるのです。
そこで登場するのが、UXという考え方。ユーザー体験を向上させるデザインとライティングで、『ユーザーの勝利』を導き出します。デザインとライティングの役割はこんな感じですかね。

●UXデザイン=ユーザーをゴールに導くインターフェイスをデザインする

●UXライティング=ユーザーをゴールに導く言葉をデザインする

●UXデザイン+UXライティング=誰もが誤解なく理解し、使いこなせる優しさを生む最強タッグの誕生……!

ちなみに、街に潜むわかりにくさの代表格・張り紙についてWikipediaで調べると、以下の問題点が記されています。

張り紙の問題点
張り紙の多くは低コストで簡単に作られており、貼られる場所によっては美観や印象を損ねる事や、不要になっても剥がされないなど、トラブルとなる場合がある。また、多くの張り紙は専門家ではない人によって制作されるため、書いてある内容が必ずしも明瞭とは言えない場合もある。
Wikipedia・張り紙

専門家ではない人によって簡単に作られていて、書いてある内容が必ずしも明瞭とは言えない。だからわかりにくい。
『デザイン』の専門家と『ライティング』の専門家がUXの名の下で手を組み、それぞれの役割を果たすことで『わかりにくい』を退治する。それは何もWebサイトやアプリ、プロダクトやサービスだけの話ではなく、張り紙をはじめとする暮らしの中で目にする『わかりにくさ』を解決してくれるのかもしれません。

感想/今後の目当て

UXライティングという優しいライティングに強い共感を抱いていると同時に、まだまだ友だちになりきれていない自分もいる。何回かに1回はUXをDXと書いてしまう。そんなことではダメだ。UXライティングの正体に近づくべく、さらなる学びに取り組もうと思う。nao | UXライター / コピーライターさんの記事『UXライターが解説する超実践的UXライティング入門は最高の教材です。

理解が深まったところで、食券番号画面と街の張り紙をデザイナーさんと一緒にUXしてみたい。UXするって言い方はどうかと思う。
(次回へつづく)

【UXライティングにご興味のある皆様】
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