takonosuke

樋口正博 紙の編集者&ライター。物書きでいたいのにライターでいることが許されず…

takonosuke

樋口正博 紙の編集者&ライター。物書きでいたいのにライターでいることが許されず、釣りが趣味だったりしたことから沖釣り雑誌「つり丸」の編集長を長いことやってました。あらゆる釣りを中心に「座り机の周辺」なんかも書いてゆきます。

最近の記事

「タコの介の浮きっぱなし9」言ったのか。分からんが、タコの介の言葉が沖縄の女を泣かせた。

■「事をなす」女が一人 先日、沖縄に行って来た。寒緋桜が満開で、デイゴの木がつぼみを付けていた。沖縄の空は午前中は晴れて、午後になるとやみくもにスコールがやってくる。 沖縄には5、6回出かけているが、前回からもう10年以上も時間が過ぎている。那覇に着く前は宮古島にいた。椎名誠の「わしらは怪しい雑魚釣り隊」の取材を兼ねての3泊4日。那覇には2泊したので、全部で5泊6日だ。病の身としては長い旅となった。 那覇ではY子に会った。Y子は元「つり丸」編集部員で沖縄に移住して10年にな

    • 【グリハ出版界隈残侠伝1】フリーのライター生活の始めは、人脈作りしかなかったことなどを思い出した。

      ■俺は筆1本に懸けるんだ! これはおよそ40年も前の話だ。今のフリーのライタ-や編集者にはまったく参考にならない。そのとき、タコの介は勇気に萌えていた。勇気が萌えるものかは分からない。「男子一生、筆一本に懸ける」と昭和の時代そのものに、鼻息だけは荒かった。 時代は1980年代に突入しようとしていた。青春が爆発した80's「ボヘミアン・ラプソディ」のクイーンたちが暴れていた時代。 デヴィッド・ボウイ、TOTO、ダリル・ホール&ジョン・オーツ、サンタナ、ボズ・スキャッグス、

      • 「タコの介の浮きっぱなし8」エディタは文章書き用の原稿用紙です

        ■デジタルの世界なら、原稿用紙はエディタになる みなさんはパソコンで文章を書くときに、どこに書いているだろうか。ちょっと分かりにくい質問だが、メモ帳か、Wordか、テキストエディットか、noteだったら直接書くのか、という質問だ。昭和のアナログの時代だったら、文章はどんな紙に書くのか、という質問と同じになる。 文字を書く紙ならメモ帳、ノート、手帳、チラシの裏、反故紙なんて古い言葉も思い出したが、本命は原稿用紙。デジタルの世界なら、原稿用紙はエディタになる。ちなみに書くペン

        • 「タコの介の浮きっぱなし7」将棋とヘラブナ釣りはまったく同じ頭脳ゲーム

          ■戦いはなかなか始まらない 「ここは考えたいところです」 と解説者言う。なんの解説かというと、将棋の解説だ。その考える時間が1時間をこえる。 このように、聞き手と解説者がいるならまだ分かる。だが、解説者もなく、ただ対局だけが延々と無言で流れる。 対局者はこの間、膝を崩したり、お茶を飲んだり頬杖をついたり、ときおり駒台の駒を触ったり、腕を組んで身体を前後に揺すったりして、時間が過ぎるのをじっと待つ。そして、とうとう席を外す。それでも、手番の棋士は指さない。 「早く指せよ

        「タコの介の浮きっぱなし9」言ったのか。分からんが、タコの介の言葉が沖縄の女を泣かせた。

        • 【グリハ出版界隈残侠伝1】フリーのライター生活の始めは、人脈作りしかなかったことなどを思い出した。

        • 「タコの介の浮きっぱなし8」エディタは文章書き用の原稿用紙です

        • 「タコの介の浮きっぱなし7」将棋とヘラブナ釣りはまったく同じ頭脳ゲーム

          「タコの介の浮きっぱなし6』釣りを知らない人が釣り文学を語ると。

          『二つの心臓の大きな川』 ヘミングウェイの名作短編のなかに『二つの心臓の大きな川』という奇妙なタイトルの小説がある。切り詰められた文体。主人公ニックの感情を極力削ぎ落とす表現。文章の持つ大きな可能性と影響力。その未踏の境地を示したとされる作品だ。その後のアメリカ文学を始め、多くの表現者に影響を与えた。 そんな初期の短編集が『われらの時代』。ここにはヘミングウェイ文体の誕生と成熟過程を示す『雨のなかの猫』『季節はずれ』も含まれている。著者20代の作品群だ。 さて、写真の本

          「タコの介の浮きっぱなし6』釣りを知らない人が釣り文学を語ると。

          「タコの介の浮きっぱなし5」句会が始まった!

          (キャプション 9人のメンバーがタコの介自宅近くの居酒屋に集まった。) ■結成、10ウン年の句会「練り梅会」 句会「練り梅会」をスタートさせたのはいつだったか。すぐには思いだせない。それほど古くなった。10数年になるか。 きっかけは、FMラジオのJ-WAVEに集まった仲間4人でつくった。いまは15人。 メンバーは多彩だ。作家、ルポライター、コラムニスト、女子アナウンサー、ライター、雑志編集者、エステティシャン、ビデオ制作者など。 ゆるい決まりでは、月一回集まって句会を開

          「タコの介の浮きっぱなし5」句会が始まった!

          「タコの介の浮きっぱなし4」 座り続ける人たち(ヘラブナ釣り)

          ■煩悩を捨てた高僧のようだ さて、今回は荒れ狂う波しぶき。動き回る釣り人たち。飛び交う叫び声。そんなエネルギッシュで、活気に満ちた沖釣りの世界からはなれます。 代わっては、とても静な釣りです。端正な釣り。沈黙が支配する釣り。思索する釣りとでも申しましょうか。いえ、西洋の毛鉤釣りのフライフィッシングではありません。 ヘラブナ釣りです。 タコの介が最も愛している釣りです。もう30年以上ヘラブナ釣りをしています。ヘラブナとはフナの仲間です。ちなみに、ヘラブナ釣りをする人をヘラ

          「タコの介の浮きっぱなし4」 座り続ける人たち(ヘラブナ釣り)

          タコの介の浮きっぱなし3 伝えたい言葉がある

          ■熱き心と冷めた心を持つ 雑誌の編集者は二面性を持っているものです。燃えるような熱い心と冷めた心。熱い心は表面に出る心。冷めた心は秘めた心。 ところが、「つり丸」は趣味の釣り雑誌です。釣った瞬間のあの興奮、あのクライマックスの瞬間をリアルに伝えるのが大きな仕事です。それには熱い心を思いっきり出さなくてはなりません。 「行けぇ!」「食え!」「そらそらそら。やったぁ!」 無口なタコの介でも、船上では性格が一変します。 早朝、まだ明けきらない薄暗やみの中、船はポイントに着

          タコの介の浮きっぱなし3 伝えたい言葉がある

          タコの介の浮きっぱなし2

          突然、酔っぱらいにされた!自分の足元から、しゃがんだ身体全体がいつも揺れている。 その揺れ方も、ものすごく不規則だ。右に左へと揺れたかと思うと、今度は前に後ろへとローリングする。その揺れに身をまかせるようなリズムなどではない。 ■うねりのやつめ! 最初に頭がじーんと重くなった。かくんと頭が下がり、首が支えられなくなった。身体の軸がなくなり、頭とともに身体全体に力が入らない。浮きっぱなしにされた。腕がだるく重くなった。 タコの介はそれまでうん十年間、地面が複雑に揺れる場所

          タコの介の浮きっぱなし2

          タコの介の浮きっぱなし       釣った! 書いた!

          はじめまして。 わたしは紙の雑誌・書籍などの書く人(ライター)です。通称、タコの介といいます。 タコの介のこのnoteでは、かつては仕事そのものだった釣りを中心に、取材、書くこと、編集、本。そしてタコの介の仕事部屋の周辺のことなどを綴ってゆきたいと思います。どうぞよしなに。 ■書く人のはずが編む人に ライターのはずだったタコの介でしたが、ここ10年くらいは雑誌の編集長をやってました。いえ、編集者になるつもりはまったくありませんでした。 ただ、タコの介が釣り好きだっただ

          タコの介の浮きっぱなし       釣った! 書いた!