見出し画像

ナミビアの砂漠

鑑賞:2024年9月@TOHOシネマズ日本橋

監督が作りたいもの作った感が強い作品。

偶発的なブッ込みシーンや演出が醸し出す、言葉にし難い「!」、センス・オブ・ワンダーにあふれる山中瑶子監督。作り手ほど目を見張る映像の数々なのでしょう。冒頭の喫茶店シーンで、それを判ってて仕込んでるのが、よく分かります。冒頭のシーンがいちばん好きでした。旧友との短いやり取りの中に、振る舞いと魅力が詰め込まれていて、しかも隣の会話が気になるというツクリ。目の前の旧友の話に入っていけずに目をギョロっとさせてる主人公。このシーン好きです。

そんな主人公を演じる河合優美さん。この作品は全編を通じて河合優美さんのための映画になっていると思いますし、逆に河合優美さんの魅力で映画が成立しているとも思えます。気分屋で、動きたく無い怠惰なこともあれば、突然暴れるような、ある種の小動物の様態を見ている感覚になります。それをやってのける河合優美さん。表情も話し方も幅が広くて、河合優美さんファンには必見です。

金子大地さん、寛一郎さんもジックリ拝見できて、良かったです。特に金子大地さんは主人公と向き合うシーンが良かった。やり過ぎず、受け手に回りすぎず。

お話については、もうちょっと時間が経ってから書けたら書きたいと思います。と言っても、あまりストーリーには意味がなくて、東京で暮らす20歳ほどの主人公が、様々な出来事に向きあったり向き合わなかったりして、生きるのが難しい様を見せてくれています。

公開記念舞台挨拶で拝見しました。山中瑶子監督のお姿、ニコニコしました。河合優美さん、喋り方や声がとても可愛くて、「ルックバック」を思い起こしました。金子大地さんは人柄良さそうで好感度上がります。寛一郎さんは具体的な話をされていて、余裕やサービス精神を感じます。ありがとうございました。

エンタメ作品ではなく、アート作品でした。

▲河合優実さん主演作品。本作とは全く違い、幅があってスゴイです。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集