17歳は止まらない
視聴:2023年8月@新宿シネマカリテ
中島歩さんに振り回される作品。
テクニックに走らない。シンプルでキャラたちの応酬が楽しい。17歳らしさ、身近さの中に面白さがある。日本の作品性のひとつを感じました。
真面目にやってるのに笑いが起きるシーンもあって、作り手への信頼感が高まります。このトーンが作れるのは大満足。
主人公が強引なキャラで、画になる、話になる。思い返すと、モノローグで展開しそうなところを、そうしてないのが鮮やか。役者さんもハマっていて、演技に見えません。仕草もぴったり。
主人公が畜産を学んでいるということで、鶏をヒヨコから育てて、最後はシメて食肉にするところや、仔牛が産まれて出荷されるところがあって、深みを感じられました。言い寄ってくる男子の存在感が、また上手い。主人公が先生に想いを寄せる盛り上がりとか、育てた鶏を解体する実習後に受けるダメージとか、そういうものを照らす存在として輝いてます。
キャッチーで、面白いのは中島歩さんが演じる先生。主人公から猛烈にアプローチされるわけです。イイ声でダンディな中島さんにピッタリで、生徒からアプローチされても大人の対応を貫いていきます。家にまで押しかける主人公。嘘ついてまで家に連れ込む主人公。ひとつひとつ正論で対処する先生。ものすごくオカシイ。笑いました。後半で、先生のイメージが逆転するのも良かった。
ちょっと起伏は穏やかですが、楽しくて面白い、若さも感じました。すこし冷静に考えると、シナリオのお手本となるような作品かと思います。
▲池⽥朱那さん主演のテレビドラマ。
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