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人的資本経営のための情報開示ガイド「ISO30414」

 人的資本は、組織内の従業員の知識やスキル、及び能力の蓄積があり、組織が長期的にパフォーマンスを発揮する上で影響を及ぼし ます。 その上で組織によるアウトプットが最大化、最適化を通じて競争優位性につながるものです 。
 ISO30414は、HCR(ヒューマン・キャピタル・レポート)としてビジネス遂行に重要な 人的資本を社内外のステークホルダーへ報告するものとして以下11の領域を示しています。 これらを具体的な指標で定量的に測定した上で報告するためのガイドラインです。

  1.  コンプライアンスと倫理

  2.  コスト

  3.  多様性(ダイバシティ)

  4.  リーダーシップ

  5.  組織文化

  6.  組織の健康・安全・ウェルビーイング

  7.  生産性

  8.  採用・異動・離職

  9.  スキルと能力

  10.  後継者育成計画(サクセッションプラン)

  11.  労働力の可用性

 人的資本を定量的に測定することによって、人的資本の価値創造が生産性やパフォーマンスの結果の理解に役立ちます。 投資家や将来的な従業員候補、ビジネスの取引先、金融機関からの融資や与信などにも、財務情報と同様に提出が求められる日も 来るでしょう。
 図は、ISO30414で11領域58測定基準項目をJOB Scopeにて表にまとめたものです。 各項目細かく設定されていることがわかります。

 上記11の領域の中には、各測定基準項目が58あります。 これらの項目に準拠して企業は定量的に情報開示が求められます。

 上の表は、グローバル企業でISO30414に準拠するHCRを公開している企業、 例えばドイツ銀行やSAPなどの情報をJOB ScopeにてAIを使って分析して表に抽出した一部の表です。 まだ一部AIがうまく抽出できていない箇所も散見しますが、先行するグローバル企業は、財務情報同様に人的資本情報を開示に取り組んでいます。
 日本の上場企業も数年の内には公開しないといけないので準備が必要です。

執筆:JOBScope 編集部