【新国オペラ】「この世はすべて冗談」で一件落着な『ファルスタッフ』【バックステージツアー】
・オペラ『ファスルタッフ』
先日...と申しますかガンガン去年なんですが、新国立劇場で『ファルスタッフ』を観て参りました。
ストーリー、まあいろいろあらぁにゃといった塩梅なんですが、ものっそいざっくり言うと、ファルスタッフという非モテおじさんが資金援助してもらうことを目的に2人のご夫人にまるっきり同じ内容のラブレターを書いたんだけれどもそれがバレちゃって、テムズ川に投げ捨てられるとか心霊ドッキリ仕掛けられるとか若手芸人さん並みのラインナップで復讐されるものの、じつは愉快なおじさんだったためご本人が「世の中はすべて冗談」さ、HAHAHAみたいになって明るく楽しく締め括られる(大団円とかよく言われるあれな)感じの話です。んで、ここにまったく別の利害関係も絡んでくるというか、そのご夫人の娘が父親の意向で恋人とは別の人と結婚させられそうになるのを阻止する作戦があったり、基本ドタバタしてる系っすね。
音楽諸々気になる方は、以下のダイジェスト↓をご覧くだせぇ。
それにしても、ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi)なんすよね、『ファルスタッフ』。かの有名な。かの有名すぎるヴェルディなわけでございます。
ベタですが個人的には『椿姫』が大好きで、何度でも観れる感じ。何度でもジェルモン(アルフレード父)におこです。激おこプンプン丸(これはもはや死語かもしれません)。ヴィオレッタとアルフレードの交際に反対しておきながら最後謝りに来たけどもう手遅れじゃん!ヴィオレッタは今際の際じゃん!っていう....。すみません、話が盛大に逸れました。
『アイーダ』ダイジェスト1:08〜の曲はふだんクラシックをお聴きにならない方でもご存知なはず。すっごい豪華ですよね。2幕2場。まさに豪華絢爛って感じでスペクタクル〜に感動いたしました。
話が飛びまくってますんで、戻します。最近↓こんな感じ(以下の画像参照)で気軽にオペラを楽しんでもらおう的ななにかがあるので、お越しになる機会がございましたらぜひ写真を撮ってみてください。俺は撮りませんでしたが。
さすが新国、季節感も出してくるよね、ってことでクリスマスツリーもあります。筆者はこの記事を、季節感を出すことのできる時期に書き切ることはできませんでした(◞‸◟)
・バックステージツアー
バックステージツアーは211名の応募!50名の当選に滑り込むことができました。結論から言うと、保険料込みの参加費で200円はかかりますが、とても興味深い話がたくさん聞けるので、ぜひぜひ、ぜひ!機会がございましたら参加してみてください。
これまたざっくりとご説明させていただこうと思うのですが、ものっそい簡単に言うと、新国立劇場は音響が良くなるようにさまざまな工夫がされていて、壁が木でできていたり、スリットがついていたり、板みたいなところの角度も、音が客席全体に響くよう、そして満席のときに約1.5〜1.6秒の残響があるように計算され設計されています。オーケストラピットは外せないものの可動式で、オケの編成に合わせて高さを変えることもあったり(編成が小さいときは高く、編成が大きいときは低く:客席に届くボリュームを考えて)。本当に、クラシックをやるためにつくられた劇場なのです。
美術もすごいですよー。オペラのときに床にひくリノリウムは(リノ自体はバレエでもひいてあります)、遠近感を出すために歪んだ柄になっていることがあるとか。トリックアート的な感じですね。
じつは筆者、バックステージツアーに参加するのは2度目(1度目は数年前?)なのですが、毎回こう、解説を聞くたびに、大道具さんが人力で装置転換してたり、指揮を補佐して歌手を助けるプロンプターさんがいたり、他にもたくさんの方々の尽力があって成立している舞台だということを身に染みて感じます。こうしたことを考えると、オペラのチケットの価格(新国でS席だとだいたい24,000円くらい:演目によって変動アリ)も頷けるというか、舞台をやるにはものすごい費用と労力とかかるんだなぁと思いました。
それでも長い間続いてきた芸術なだけあって、いやむしろそこまでの労力をかけてでも続けたいと思う人々がいる芸術なだけあって、見応えも、充実感も満載だと思う今日この頃。古典に限らずなんですが、なにかに魅せられて、愛して、それを残そうとするのはとても大変なことだと思うのです。大変なんだけれどもやらなければならない、そう思うからこそやっていける、やっていかなきゃならないんでしょう。すべてのものに始まりがあって、終わりもあるのかもしれませんが、そこに足搔いていくことも必要なのかも。そんなことを考えた新年早々の夜更かしでした。