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【資料DLあり】3分でできる!あなたの会社で活躍する人を見極める最もシンプルな方法

期待して採用した人がなかなか成果を出せない……
経営者や人事の方は、必ずと言ってよいほど経験していますよね?
今回のnoteでは、採用候補者が自社で「能力を発揮できるか否か」を判断する心理学的テクニックを公開していきます。

期待して採用した人が全然成果を出せない……採用ミスマッチの要因

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採用ミスマッチが起こる要因は主に2つです。

①実は求めているよりスキルが低かった
②価値観・性格傾向が会社や役割と合わず能力が発揮されなかった

①に関しては我々の領域ではないので、スキルを可視化するサービスや入社前の副業などで判断することをおすすめします。

②も更に細分化できますが、今回はよくある以下のようなケースで使える方法を解説していきます。

採用した人が、スキルは十分なのにうまく機能しない時あるある

・とにかくやってみてほしいのに、全然行動量をこなしてくれない
・やる前に、細かい心配をしてなかなか進まない
・できない理由を述べるのではなく、できる方法を探して進めてほしい

逆に、

・緻密な準備が必要なことをノリで進めてしまい、いつも直前でバタバタする
・後先考えずに行動し、チームに迷惑をかける
・あれこれやるのはいいけど、尻ぬぐいさせられる側の気持ちを考えてほしい

というパターンも。

これはズバリ、本人の「目標達成スタイル」と、「会社が求める役割」が合っていません。

人の「目標達成スタイル」には攻撃型・防御型の2種類がある

■目標を達成して得られる「利益」に焦点を当てて行動する「攻撃型」

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■目標を「責任」と捉え、それを果たすことに焦点を当てて行動する「防御型」

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この攻撃型・防御型の概念は、制御焦点(regulatory focus)という理論で科学的に検証されています。

制御焦点とは、人間の性格を「目標達成への向き合い方」によって攻撃型・防御型の2つに分けた理論です。

人間は誰しも攻撃型と防御型の特徴を両方併せ持っており、状況に応じていずれかを活性化させて使い分けています。

今回の記事では、個人ごとにどちらの傾向が強いかで、「攻撃型の人」「防御型の人」としています。

制御焦点の傾向は、生まれつきの特性や成長過程によって形成されますが、大人になるとほぼ変わることはないとされています。

攻撃型・防御型それぞれの特徴と仕事の進め方

■ 攻撃型の人の特徴・仕事の進め方

・目標達成に近づくためにできることは全てやる
・リスクは顧みない!やることに意味がある
・1%でも可能性があればやる
・今持っていないものを得るためにやる
・目標達成のためなら指示やルールを破ることもいとわない
・負けても勝つまでやる (負け続ける間のリスクは無視)
・未来志向
・浪費的
・無から道を切り拓く(切り拓くけど整備はしない)
・死ぬこと以外はかすり傷!

■ 防御型の人の特徴・仕事の進め方

・目標達成を妨げるリスクを徹底排除する
・余計なことはせず、リスクを減らすことに意味がある
・1%でもリスクがあればやらない
・今持っているものを手放さないためにやる
・目標達成のために指示やルールは遵守する
・負けそうなことはやらない
・現実思考
・倹約的
・道を舗装し整える(ゼロから切り拓くことはしない)
・危ない橋は絶対に渡らない

■目標達成スタイル別:「体重マイナス5kg」という目標に対しての向き合い方の違い

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同じ行動をする際も、攻撃型・防御型では向き合い方が異なります。

仮に、減量という目標達成のために「毎日ランニング5km」という施策を選択した場合、攻撃型の人は「ランニングすることでスリムな自分に近づいていく!」という意識で取り組み、防御型の人は「ランニングをしなかったら痩せられない」という義務の意識で取り組みます。

攻撃型・防御型でわかる、人の「能力の発揮条件」

攻撃型・防御型ともに、それぞれの特徴と一致した仕事の進め方をしていると、「制御適合」という状態となり、モチベーションや適切感の向上が生じ、本来持っている能力以上の力を発揮しやすい状態になります。

逆に、特徴と実際の仕事の進め方が一致しない場合は、本来の能力が発揮されにくく、目標達成へのモチベーションが上がらない状態となります。

例えば、冒頭で挙げた「できない理由を述べるのではなく、できる方法を探して進めてほしい」という場合は、攻撃型の要素が強い役割に対し、防御型の人を採用し配置してしまったミスマッチの可能性が高いのです。

また、「攻撃型」「防御型」はあくまで、目標達成に対して何にフォーカスして向き合うかの違いであり、それ自体に良し悪しはありません。その人の特性や個性です。

■攻撃型要素の強い仕事・役割の例

・リスクを取って大きな成果を目指す起業家
・行動量が必須の営業職
・0から事業を創り出す新規事業責任者
・世にないものを表現するアーティスト

進捗、成長を実感しやすく、創造性が高い仕事との相性が良い

■防御型要素の強い仕事・役割の例

・運用、保守系のエンジニア
・数値やモデルなど現実的でルール化されたものを扱うデータサイエンティスト
・企業のリスクを未然に防ぎ整備するバックオフィス
・お客様満足を損なわないためのカスタマーサポート
・法律の下で依頼者を守る弁護士
・社会の安定運用とリスク軽減を担う公務員

安心、安定を実感しやすい仕事との相性が良い

重要なポイントとしては、職種ではなく役割に注目することです。

「営業職だから攻撃型な人が活躍する」「経理職は防御型が良い」

ということではなく、同じような職種でも求められる役割によって大きく異なります。

例えば、

常に事業部ごとの支出を把握し、資金不足に陥らないように社内のお金の流れを管理する財務担当

の場合は、リスクを排除するのが得意な防御型の人が能力を発揮しやすいですが、

中長期的な未来に必要な資金を確保するため、銀行や投資家に働きかけ資金調達を達成する財務担当

の場合は、今ないものを手に入れるために動くのが得意な攻撃型の人が能力を発揮しやすくなります。

同じ「財務担当者」というポジションでも、求められる役割や仕事の進め方によって攻撃型・防御型の適性は大きく異なるのです。

どんなにスキルがあっても、仕事の進め方と本人の目標達成スタイルが一致しないと能力は発揮されない

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学歴や前職での実績・面接での受け答えを中心とした採用選考でどれだけスキルの高い人を採用しても、求める役割や仕事の進め方と、本人の目標達成スタイルが一致しなければ十分に能力は発揮されません。

採用した人の能力を発揮し、ミスマッチのない採用を実現するには、募集ポジションごとに求める役割の仕事の進め方が攻撃型・防御型どちらなのかを定義することが第一歩です。

定義ができると、転職サイトへの募集掲載の段階で「攻撃型の人が魅力を感じる募集要項」を狙って掲載できたり、「防御型の人の心に突き刺さるスカウト文」が書けるようになります。

採用ミスマッチ防止だけでなく、応募率・内定承諾率・候補者満足度の向上が期待できます。

攻撃型 or 防御型の判定方法

解説が長くなりましたが、こんなに便利な目標達成スタイル(制御焦点理論)を活用するために、攻撃型 or 防御型 を超簡単に判定するスプレッドシートを作成しました。

シートはコピーしてご活用ください。内容を解析してGoogleフォームを作成し、採用候補者に回答していただく等もOKです。

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・3分で判定!目標達成スタイル診断スプレッドシート
ダウンロードはこちら
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この機会に、レジュメや面接といった表面の主観的判断だけでなく、候補者の内面深くを可視化した科学的データも判断材料に加え、人の本質と向き合ってみませんか?

*制御焦点は、促進焦点・予防焦点の2種類の特性についての理論ですが、本記事ではイメージしやすいよう攻撃型・防御型と表しています。

参考文献
ELLEN CROWE AND E. TORY HIGGINS(1997) Regulatory Focus and Strategic Inclinations:Promotion and Prevention in Decision-Making

Yuka Ozaki and Kaori Karasawa(2011) 自己に対する評価と接近回避志向の関係性 ──制御焦点理論に基づく検討──



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