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【アジャイル・マネジメント】作る過程が大事

何かを作ることも大事ですが、作る過程のコミュニケーションが大事なのです。

作るだけが目的ではない

以前、インセプションデッキの話をしました。

プロジェクトの目的や価値観などをチームや顧客、ステークホルダーと頭を合わせ、共通認識を作り出すプラクティスですが、これを作るときには関係する人と対話をして一緒に作っていきます。

いきなりたくさん集まって作り始めてもなかなかまとまらないので、多くの場合、誰かが叩き台を作ってそれを叩いてまとめていきますが、じゃあその最初に作った人のもののままでみんなOKとはなりません。

それぞれの頭の中にある認識を吐き出し、ディスカッションすることにより、徐々に固めていくものになります。そして一度固めたからといって、それで終わりではなく、状況の変化を捉えて変えていくものになりますが、それも対話から始まって、また関係する人全員で変更していくものになります。

インセプションデッキのようなチームの方向付けや共通認識を言語化し共有することで、チームの動き方は定まり、各自が動き出せるものになります。よって、インセプションデッキを作ることは大事なのですが、誰かだけで作って終わりでもないし、一度作ったから終わりでもないものです。

作ることが本質的な目的ではありません。この作る過程が大事なのです。

対話の過程で自分のものになる

インセプションデッキにしてもスクラムの各種プラクティス(スプリントプランニングやレビュー、ふりかえりなど)にしても、勿論出てくるアウトプットや成果物も大事ではありますが、大きな効果はそれぞれのプラクティスを進めるうえで関係する人全員で対話によるコミュニケーションをすることです。

作る過程における対話で、それぞれが意見を言い、議論し、一緒に固めていく時間を持つ…これによりチームの各人の中に、アウトプットや成果物を一緒に作ったという認識が残り、それによって「自分のもの」になっていきます。

「自分のもの」になれば(100%ではないにしろ)腹落ちし、自分としても責任を持つものになります。リーダーだけとか担当者だけのものではなく、チーム全体のものとなり、何かトラブルがあってもチームで一丸となって解決できるようになります。

どの段階でも対話の過程は必要

先にあったインセプションデッキは特に新しくできたチームや組織で、一緒にまだ仕事を始めていないメンバーで集まることになったときに、一緒にインセプションデッキを作ることで、認識を合わせ、そして自然と対話を生み出します。

勿論すんなりとはいかないでしょうし、異なった意見をぶつけ合うことにはなります。でも、これから一緒に一つのゴールに向かっていく仲間ですから、できるだけモヤモヤしたものは吐き出し、完全合意とはいかないにしても、互いの価値観などの認識を持ち合うことで、一緒に仕事をする中でうまく対処してやっていけます。
対話がなく、勝手に相手のことを嫌いに思って協力を生み出さなくなれば、チームとしては崩壊し、やるべき責任を果たせなくなることがもっとも不幸な結末です。

アウトプットや成果物の質が向上し、カイゼンされていくのは、対話の過程があってこそ。対話を疎かにしてはいけないのです。

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