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【仕事・コーチング】「録られてない」という心理的安全性

1on1で2人だと思っていても、もう一つの「目と耳」が…

ニューノーマルで当たり前になったリモート会議

2020年から続くパンデミックにより、大きく仕事の仕方も変わりました。
私自身もほとんど会社には出社はせず(今年度、1回だけしか出てない)、それでもデジタルやネットワークのおかげでほとんどコミュニケーションに関して大きな影響もなく、むしろ出社していた頃よりも生産性は高いです。

会議も対面ではほとんど行われず、基本はZOOMやTeamsなどのリモート会議のサービスを活用しています。
デジタルで会議ができると良い面としては、その会議自体を録画録音して後から議事録にしたり、それそのものを議事メモとしたりもできますし、最近ではAIによる文字書き起こしや翻訳もあるので、より効率的に会議ができます。

1on1やコーチングにおいても、ZOOMやTeamsを使うことがほとんどで、感染の心配もそうですが、時間や場所の制約もかなり減って、日時調整も楽になり、実施できる頻度や機会も増やすことができました。

「機械の目と耳」は便利な反面、データが取られている

デジタルなリモート会議は便利な反面、気がかりなことがあります。

先も録画録音や書き起こしは便利だというお話を出しました。確かにコーチングでもコーチングのセッションを終えた後に、クライアントの方へはログとしてサマリーをお送りしていますが、対話の内容を振り返ったり、確認するのには便利です。

しかし、本来1on1にしろ、コーチングにしろ、上司やコーチとの1対1の場で相手にだけオープンに話をする場であるという心理的安全性を確保し、それをコミットして保証しているからこそ、メンバーやクライアントの方の深いお話を聞くことができます。

しかしリモート会議を行うと、ZOOMやTeams等のサービス自体が「機械の目と耳」「デジタルな第三者」になっていることを理解しておく必要があります。

私自身も過去に、上司と1on1をするためにリモート会議に入ったら、その時点でいきなり録画録音状態になっていました。
何か説明があるのか待っていたのですが、説明もなくそのまま始まりました。

私は自分では絶対にそんなことはしないのでさすがに怒りを感じ、
「これは何のための録画ですか?」
と説明を求めました。理由は単に話したことを忘れがちになるからというものでしたが、あとから記録から何か突きつけられたりしないか不安だったので、正直その場ではオープンに話せなかったですし、話さなかったです。
(この出来事以外でも、勝手に解釈して物事を決めたり、事実を話さない上司だったのでそもそも信頼してなかったですが)

私はコーチングを行うとき、「コーチングのログのために録音したい、当然それ以外で録音データは使わない」ことを宣言し、相手に問題ないことを確認して録画録音をします。毎回OKであることを確認できた場合には最初から録音をしておいたりはします。

新しい時代・方法だからこその新しい配慮を

最近ではZOOMでも、既に録画状態だとアラートが出て、受け入れられない場合にはそのまま退出できるような機能もあります。このようなデジタルなツールも相手のプライバシーや心理的安全性に配慮した機能も取り組まれてきています。

これまでは対面で、他の人には聞かれないような環境を作り、真の1対1の場を用意して1on1やコーチングはやってきました。これによりプライバシーも心理的安全性も担保されてきたわけです。

リモート会議のツールにより便利にはなりましたが、クラウドやそのリモートサービスが「デジタルな第三者」として「機械の目と耳」を持っている事も気にしなければなりません。この事実を気にかけておいて、クライアントやメンバーの方には理解をしてもらう必要があります。

また、リモート会議をパソコンやスマホで自分の部屋で行っているときには自分の声や相手の声に対しても配慮が必要です。
私は絶対にスピーカーにはせず必ずイヤホンを使いますし、部屋も個室で閉じられたところで行います。
(家族がいるタイミングもありますが、絶対入らないように言ってます)

新しい時代・方法だからこそ、コーチングや1on1でも新しいルールや配慮が必要なのです。

デジタルなリモート時代のコーチング・1on1への配慮項目

  • リモート会議ツールを使う時点で真の1対1ではないことを理解してもらう

  • 真の1on1を求めているなら、対面や旧来の電話方式を採用するか、断る

  • 録画録音は勝手にしない。理由を説明して了承されてから行う

  • リモートでコーチングや1on1をする場合の「自分の部屋やPC/スマホ」の環境や設定にも配慮する(内容を誰かに聞かれない場所や設定であること)


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