【仕事・アジャイル】「むきなおる」勇気
なかなか決められた目標や計画は変えられないものです。
見込みの薄いプロジェクト
私の部署で支援していたプロジェクトがあったのですが、色々と仮説構築検証をしてニーズはありそうだったのですが、より安価な代替品もあり、またその領域を実際シェアが取れたとしてもかなり事業規模が小さいことがわかったため、コストやパワーをかけてもあまり筋が良くないという見解になりました。
実際のプロジェクトの担当者もその内容には納得し、検討をクローズする方向で調整をしていたようですが、その担当者の直属のマネジャーからは、
「いや、もう少しやってくれ。何とかうまくいくようにストーリーを作ってくれ」
と言われてクローズする方向にはならなかったそうです。
日本企業のあるある話
うちのマネジャーも言ってましたし私も思っていることですが、ダメだとわかっていてもやれという判断になってしまうのは日本企業あるあるで、こうやってゾンビプロジェクトが生まれ、止められずにやり続けて、どんどん予算などリソースを出血させて、最終的には担当者が疲弊してしまう(最悪、メンタル面を壊してしまう)パターンになってしまいます。
プロジェクトの目標について、それがまだ顧客開拓が必要なアーリーな状態だと細かな売上どうこうよりかは、プロジェクトの進捗が目標となります。ようはリーンスタートアップ的な考えでいえば、CPF(顧客と問題のフィット)、PSF(問題とソリューションのフィット)などの段階です。実際は何かしらの決裁会議でフェーズが進んで行くのですが、これが予め年始や半期の始めに決められているパターンです。
これは想像の域を越えませんが、恐らくそのプロジェクト担当の直属マネジャーは決められた目標になんとしてでも出すことで自分の立場を守りたい、もしくは上位職に対する恐れや恐怖があるのかもしれません。もしくは目標を再調整することが面倒なのかもしれません。もっといえばプロジェクトに思いが強すぎて変えたくないのか、逆に思いや意思がないから上から落ちてきた目標に固持しているのか、様々な要因が考えられます。(まあ、気持ちも分からなくもないですが…)
しかしいずれにせよ、このままだと先ほど書いたように、結局うまくいかないと分かっているものを推し進めることになり、会社としてもプロジェクトの担当としても良い面は一つもありません。
(そのマネジャーの面子や評価が守られるだけです。評価してはダメですけど)
想定と違ったときにむきなおれるか?
今回そのプロジェクトが取り組んだところは新規系であり、顧客開拓が必要な領域です。カチッと固まったコア事業であれば立てた目標や計画通りに進められる確度は高いですが、今回はそういうものではなく正解がわからないものです。
だからこそ探索して仮説構築と検証を行い、まだ戻れる段階で止めたりピボットしたりする動き方になります。
これまでにもnoteで書いてきていますが、組織のアジャイルな進め方の中でも「むきなおり」というものがあります。仮説検証した結果、向かっている方向や目標が違っていると分かったときに、勇気を持ってその方向や目標自体を変える、そして再び探索と仮説検証を繰り返して確度を上げていくことで本質的な顧客価値を創造できるわけです。
うちのマネジャーいわく、そのプロジェクト担当の直属マネジャーのさらに上位にいるマネジャーは、話がわかる方なのでそちらに状況をインプットして、あるべきマネジメントをしてもらうように方向修正してもらうことにするそうです。(ちょっと安心しました)
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