キャリアコンサルタントからみたクライアントの採用のされやすさについて考えてみる
こんにちは。
ご無沙汰しております。
私は、私たちキャリアコンサルタントからみて、クライアントがいかに採用を勝ち取ることができるか、ということについて常に考えています。支援をしてる中で、CL自身が能力や経験、知識を十分に兼ね備えているのであれば収入アップに向けての支援も可能だと思います。しかしながら、すべての人がそうとは言えません。経験に乏しい人、何かしらのハンデを負っている人、自分の能力よりも高い能力を求められる職種を希望しているなど、そこにはアンマッチが存在し、それが採用を勝ち取るまでの弊害となっている場合があります。今回は、改めてこのような仕事のアンマッチ、採用のされやすさ(されにくさ)について考えてみたいと思います。
人は誰しも、自分の経験に基づいた仕事を選びたいという希望をもっています。これはある意味普遍的なものでもあると思います。しかし、現実はそうもいきません。そこには、職種(仕事内容)のマッチングの問題があります。というのは、応募する側は、自分のこれまでの経験で得たことと応募要項に記載されている仕事内容と照らし合わし、この仕事ならできそうだという感触を得て初めて応募の意思を固めるという流れがあると思います。しかし、企業側から見た視点がもしかしたら別のものに映っているかもしれません。そのあたりのところをいかにマッチさせるかが重要になってきます。
また、年齢や性別、ハンデを負っている場合など、希望職種が定まっていたとしてもそう簡単に希望する仕事につけるとは限りません。そもそも、そのようなハンデがあるばっかりに、入口のところで応募ができないということも現実問題であるとも思います。特に、私のここまでの経験で、障害者の方や長期のブランクがある方などの支援ではどうしても支援が長期化してしまう傾向がありました。そういう困難さが実際の現場では存在しています。
ひとつの指標として、CLにどれだけ求人案件を提示できるかというものがあります。多くの情報収集をすることで、その中からCLが応募をしたいと思える案件につながります。10件の案件提示より、50件の案件提示の方がCLが応募をしたいと思える案件につながる可能性が高まることは明白ですよね。そういう意味では、より多くの案件提示が重要になってきます。
しかし、ちょっとよく考えないといけないことがあります。それは、本来CLが希望している職種や希望条件とあまりにもかけ離れた案件を提示すると、「なぜこの案件を自分に?」という疑問を持たれる可能性があります。その疑問がやがて疑念に変化するかもしれません。そのことから、むやみやたらに情報提供をすればいいかといえば、なかなか難しいということです。
そこで重要になってくることがあります。もはや言うまでもないことかもしれませんが、重要なポイントとしてラポール形成がカギを握ります。ここまでの私の記事では、支援プロセスの初期の段階ではCLとの信頼関係が重要であるものの、プロセスが進むにつれてその重要度はだんだんと変化してくることを書いてきました。
これは、一見プロセスが進むにつれてラポールの重要性が薄まってくるというよりも、そのラポールの出来によって支援プロセスの方向の鍵をにぎっているということです。改めての職種選択の場面(当初の職種選択や条件から再検討する場合)でラポール形成の出来が重要になってくるということです。例えば、ご高齢の方が若者向けのアパレル関係の仕事に就きたいという希望をもっていたとします。このような希望をもつことはもちろん自由です。しかし、実際に、現実的にできるだけ早く仕事に就きたいという思いをもっているのであれば、上記のような希望が果たして妥当なのか、よく考える必要があります。
私たちは、「この仕事は無理です」とか「この仕事ではなく、他の仕事をしてください」などということはできません。いや、そのような、言葉通りではなくてもCLにとって厳しいことを伝えることも必要なのかしれません。ここのところが一番難しいポイントであると私はおもっています。いわゆる、思考や行動の変容をうながすという意味ですね。「その仕事はあなたには難しい、採用もたぶん無理だからこちらの案件への応募を考えてみては?」などと、直接的な問いかけはたぶんできないのではないかと思います。
CLとじっくりとしっかりと話し合いをもつことが重要です。伝え方、働きかけ方はさまざまあると思います。一見、遠回りのような気もしますが、実はこのほうが採用を勝ち取る可能性がグンと高まるような気がします。
それこそがエンプロイアビリティであるように思います。
それこそが、いかに柔軟にしなやかに生きることができるかということなのかもしれません。
「本当は、これまではこういう仕事をしたいとずっと思っていたけど、実はこういう道もあるかもしれないな。これまでの自分はこだわりが強すぎて、執着心も強く、それが柔軟な考え方の妨げになっていたのかもしれないな」
というような思い、気づきを得られるCLもきっといるはずです。
結果や数字に囚われることなく、(ある程度は重要ですが)いかにCLとの関係性(ラポールも含めて)をもつことができるかが重要になると私は思います。
ここまで書いてきて、なんとなく感じていることはラポール形成よりも実は、CLの行動変容のための働きかけのほうがより困難なのではないかということです。それほど、CCの力量を問われることはないのかもしれません。
ここまでの仕事でなんとなく考えていたことについて、覚えているうちに記事にしておこうとして走り書きしました。一部読みにくいところがあるかもしれませんが、ご了承ください。
尚、本記事の内容について、私の現職の所属や仕事とは関係ないことを付け加えておきます。
今回はここまで。
ありがとうございました。
また次回、よろしくお願いいたします。
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