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「小さな成功」が自分を前向きにする

先日、長いつきあいの経営者(いまや有名人)と食事したとき、あるマイナーな「趣味の検定」に受かったと大喜びしていました。しかも5級だか4級だか、初級者のレベルです。でもそれで、しばらくは幸せでいられそうだと。この話、人生における重要な示唆を含むように思えました。


僕のような第三者からみると、その小さな検定への合格という「成功」は、彼の社会的地位や日々動かしている多額のお金に比べるとすごく小さいものに見えてしまいます。ちなみにその検定のそのレベルの級は、中学生や高校生とかでも取得できるものだそうです。

実際、「ビジネス」や「経済」みたいな観点に立った場合、その社長は、マイナー趣味の検定を受けているヒマがあったら、もっと大きなプロジェクトを動かしたほうがはるかに社会に影響を与えられるでしょう。

かつ、その方が彼の人生の成功にも寄与するし、より大きな幸せを得られるだろうに…  などと他人ながら勝手に思いたくなります。


しかし、「一人の人間としての観点」からすると、そういう外野からの見方はまったくナンセンスなのですよね。大きなお世話だよ、ということです。何があったら幸せか、何を達成したら喜びを感じて前向きになれるかということは、まったくもって個人的な感覚だからです。

なんでもいいから、少しづつ成功を積み重ねること。これが、人間のマインドを前向きにします。人生に喜びをもたらします。それがたとえどんなに小さな、取るに足らない成功だったとしても。そして、このような小さな成功を続けることが、結果的に大きな成功につながるということです。

そういう意味で、「小さな目標達成や成功を本気で喜べる」というマインドはとても重要だと思います。そのような姿勢を持つことにより、自分の精神状態、さらには自分自身を「守る」ことができます。そしてそういうポジティブな精神を維持することが、人生においてはとても大切だということです。

▶ 「崇高な、大きなゴール」のみがすべてではない


たとえば、よくある人生論とか経営論においては、「目の前のささいなことにとらわれず、もっと大きなゴールを見据えよ」などとよく言われます。

まあ確かに、そうだとは思うのです。理解できます。すでに過去に大きな成功を果たした経営者であれば、後進に向かってそうも言いたくなるだろうなと。ご自分も、きっとそうやって歯を食いしばってきたのでしょう。


しかしながら、普通の人間からすると、ちょっとそれは理想論に過ぎるなと感じてしまいます。たとえば僕は、かなり弱い人間だと自覚していますが、そういう立場からすると本当にそうなんですよね。

「99回失敗を重ねても、最後に1回の成功があればいい。それが人生だ!」みたいなことを言えると、確かにカッコいいのかもしれません。実際、そんなことをずっと繰り返している経営者の自伝とか、ありますよね。「不撓不屈の精神!」みたいな感じでしょうか。

しかし、です。99回、リアルにずっと失敗が続いたら精神が持つ自信はあるでしょうか? 普通、無理ですよね… 僕は完全に無理です。というか、2回、3回くらいでも、連続で失敗が続くと人生に絶望しがちです。


だからこそ、目の前の小さい成功をまずは勝ち取ることが、普通の人間としてはとても大切だと思うのです。「そういうのは人間として小さい。もっと大きな目標を持て!」とか言われても、知らんがなって感じですよね。

どんなに小さい成功だとしても、なにかに成功すれば人間は嬉しく感じるものです。たとえ時間効率を考えれば明らかにムダになるくらい小さい成功でも、その成功によって「自分が前向きになれる」ということ自体が大切だと思うのです。

自分の気持ちを、ずっと明るく、ポジティブに保っておくというか。


そう考えると、冒頭の社長がマイナー検定の5級とか4級に受かって喜んでいるのも、彼が「人生の達人」だからだと思うのです。そういう謙虚で素直な気持ちを持っているからこそ、ここまで成功したのだろうとあらためて納得しました。

自分の気持をコントロールするのがうまいのですよね。というか、本当に、その検定に受かって真剣に喜んでいたので… そういう人ってすごいですよね。


いくら「小さい」などと言われようが、あらためて、目の前のことに喜びを見出していきたいと思います。それこそが、本当に大切な人生のコツだと思うのです。

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Voicyで、この内容についてさらに掘り下げました。よろしければぜひお聞きください


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