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リモートワーク時代には、「心理的安全性」がより重要になるという話

 まだ社会的に十分な準備が整っていない中で、一気にリモートワーク化の波が来た。リモート環境で最も大切なのは、全てのメンバーの「心理的安全性」に十分に配慮することだ。これに関しては、メンバーが物理的に同じオフィスにいるときとは全くレベルの違う発想が必要。まさにパラダイムの大転換だ。

 人の心理として、普段から顔を合わせていると「なんとなく」信頼できるし、互いへの安心感もある。たとえば、同僚に頼んでいた業務が滞りがちであったとしても、同じオフィスで働く様子をみていれば「ああ、たぶん今は忙しいのだな」とか、「他の件のトラブル対応中なのだな」ということがよくわかる。顔色がいいとか悪いとか、そういう情報もたくさん読み取れる。なので、「まあしょうがねえか」と思うこともでき、寛容に、大目に見ることもできたりする。

 しかし、リモートになってしばらく顔を合わせなくなると、途端にいろいろな疑心暗鬼が頭をもたげるようになってくる。「あれ、自分とは反対のこと考えてる...?」とか、「もしかして無視されがち...?」とか。十分に信頼のおける仲間のはずなのに、たった1週間や2週間顔を合わせないだけで、すぐにそんな風に思ってしまうのだ。情けないけど人間、本当に弱いものだ。


 一方、こちら側が、相手からそのように思われている可能性があるとはなかなか想像しづらい。それが人間というものだ。こちとらいつも通りに(あるいはいつも以上に)がんばってるし、ちゃんと作業報告もしてるし、一人でもサボらないオレはものすごく褒められてしかるべきだろう、と。

 しかし... 裏返して相手からの視点から考えた場合、自分もふとしたことで疑われたりしがちなことは、容易に想像がつくはず。実は、あなた自身も「あいつ、ちゃんとやってくれてるのかなあ」と思われてたりするのかもしれない。ここは、安心して甘くみては決していけないところだ。


 だから、リーダーは、意識して「メンバー同士の心理的安全性」にめちゃくちゃ気を配る必要がある。リモートワークに慣れている人はいいだろう。しかし、リモートワーク初心者にとって、これはものすごく重要な配慮だ。

 リモートワークでは、「働き方」よりも「成果主義」を徹底すべきということが叫ばれている。しかしそれはあくまで評価という観点の話だ。どういう姿勢で働くか、周りに気遣いができるかということは、チームワークや信頼、お互いのモチベーション維持という観点ではとても重要だ

 

 ではこの環境下において、リーダーとしてはいったい何をすべきなのか。

 まず、自分自身の徹底的な情報開示から始めることが大切。もちろん嘘はつかない。悪いニュースも隠さない。いま自分が何を考え、どういうことに取り組んでいるのか。そういう情報をどんどん出していくと、たとえ悪いニュースであったとしても、常にそれを把握できているメンバーは安心できるし、リーダーのバックアップのしようもある

 そして、リーダーが率先してそれをやると、メンバーも安心して自分の開示ができるようになる。そしてお互いの状況がよくわかり、助け合ってやっていこうという機運が生まれるのだ。「相手は、これくらいのことは察してくれてるだろう」という考えは通用しないと思ったほうがいい。開示して、開示して、やっと分かってもらえるというレベルだ。

 

 このコミュニケーションには、多少の時間リソースを使う。普段のオフィスであれば何もしなくても伝わることが、いちいちテキストに書いて共有したり、オンラインで会話することはつい面倒だと感じてしまう。

 でも、それがリモートワークではとても重要だ。「通勤時間がなくなって楽」という声があるが、物理的に通勤しない分、その時間を「意識的なコミュニケーション」に充てる必要がある、と思う


 「人間は、しばらく会わないとすぐに寂しくなり、相手への信頼も薄れていくもの」というどうしようもない弱さを知り、かつ認めた上で、お互いが引き続き信頼し合えるような環境を意識的に作っていくことがとても大切。それが、「心理的安全性」の確保につながる。


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