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セミナーノウハウを活用して中途採用を成功させた話 - 集客&運営編 -

こんにちは、FORCAS(ユーザベース)の酒居です。

今回は、『セミナーノウハウを活用して中途採用を成功させた話』と題した後編で、集客と運営編です。2018年4月に開催したワーキングペアレンツ向けキャリアイベント『Working Parents Meetup』(略してWPM)について、お話していきます。

前編(企画編)を読まれたい方は、こちらからどうぞ↓
『セミナーノウハウを活用して中途採用を成功させた話 -企画編-』

ワーキングペアレンツのキャリアイベントは、採用という点だけではなく、大きな気付きをたくさん与えてくれるイベントとなりました。今回のお話もご参考になれば幸いです。

集客開始。できることはなんでも試す

企画が完成したところで、いよいよ集客開始。

集客については、他のタスクとの兼ね合い上、ぼくがガッツリ動くことができなかったので、3月に入社したばかりのインターン生、岩井くん(このnoteではよく登場している)に、「なんとしても集客目標を達成して」と伝え、集客担当として頑張ってもらうことになりました。

(飲み会中にTikTokをさせられる岩井くん(左)、右はぼく)

入社して1ヶ月でしたが、「とにかく行動量でカバーしよう」というぼくの提案を受け入れてくれ、全力でこのイベントの集客に尽力してくれました。

また、運営準備では、カルチャーチームの採用担当である、うっちーにも協力してもらえることになりました。これで、イベントプロジェクトチームが完成。

集客については、具体的には下記のような施策を実施していきました。

・Facebook, Twitterなど、SNSでシェア拡散
・社内メンバーによる紹介
・人材紹介エージェントからの集客協力
・蔦屋書店や保育園、キャリアセンターなどに宣伝フライヤーを設置
・恵比寿の地域コミュニティサイトでアナウンス

ぼくも岩井も採用集客については、ずぶの素人。しかし、採用でも商談でも集客の方法はほとんど変わらないに違いないだろう。ということで、オンライン及びオフライン問わず、出来ることをなんでも実施し、PDCAを回しながら、どこに可能性があり、リソースを割いていくべきかを考えながら進めていきました。

その中で、オフラインで社内メンバーに協力していただいて、口コミで広めてもらうことを考えました。しかし、アナログに集客をする際に、口頭のみで口コミをまわしていくのは結構ハードルが高いです。そのため、人へイベントの紹介することを促進できるように、口コミを広げられるアイテムを用意することに。具体的には、イベント案内のフライヤー(A4サイズ)をつくることにしました。

フライヤーは、FORCASデザイナーの廣田さんにWPMのイベントバナーと合わせて依頼。バナーもかわいいデザインで制作してくださり、それと合わせたデザインで、かわいいフライヤーをつくってくれました。

さらに、NewsPicksやユーザベースメンバーの方々のあたたかいご協力のおかげで、フライヤーを代官山の蔦屋書店さんや保育園でも設置していただけることとなりました。自分と直接的には関係ないにもかかわらず、優しく手を貸してくださったみなさんに本当に感謝です。

また、人材紹介エージェントへイベントを伝え、興味を持ってくれそう&弊社のカルチャーや募集ポジションに合いそうな転職希望者に、このイベントを案内していただきました。
人材会社さんのご協力によって、人材会社さん経由での集客もとても大きな効果がありました。この面のやりとりは、うっちーがオーナーシップをもって動いてくれました。

やっぱり「社内紹介」は最強だった

結果として、集客で一番効果的だったのは、社内からの紹介でした。

今回のターゲット像である、あきさんをはじめ、ユーザベースのさまざまな方々が、積極的に知り合いのワーキングペアレンツに、イベントをアナウンスしてくれました。

また、ワーキングペアレンツではないメンバーも、将来を見越して話を聴きたいと言ってくれたり、結婚したての友人を招待してくれました。特に、同じチームの遠藤(みくちゃん)が積極的に知り合いを呼んでくれました。

社内のメンバーがあたたかく協力してくださるカルチャーがあること、そして家庭と仕事の両立に悩んでいる人には、本当に聴いていただきたいと誰もが思ってくれるコンテンツがあること、これはとても重要なことだと改めて実感。

さらにこの後、ぼくたちは2018年の夏からいよいよABMという最新のマーケティング戦略を実施し始め、あきさんを筆頭に、この社内紹介、いわゆる社内リファラルで、さらに多くの方々の協力を得て、FORCASのサービスを急拡大していくことになります。
これについては、社内向けにあきさんが素敵な文章を書いてるので、いつか別途ご紹介したいと思います。

会場の空間づくりにこだわる

会場は、自社のイベントスペース(恵比寿オフィス時代)で開催しました。
自社のカルチャーを感じていただくには、会議室や別のイベントスペースを借りるよりも、自社のスペースにこだわるべきだと。

そして、普段のセミナーでも椅子や机を配置したり、コーヒーを設置したりと、空間をどう使うかについては力を入れていますが、ワーキングペアレンツ向けイベントということで、いつも以上に細かなおもてなしに努めました。

ここでは、ぼくがアイデアを思いついたというより、協力してくださった方々が、どんどんアイデアを出してくださり、良い空間づくりが出来ました。
その中でも、特にやって良かったものについて、いくつかご紹介します。

やって良かったもの①:子連れ参加OK

ワーキングペアレンツの方々に参加いただくにあたり、まず前提条件として、「子供連れでの参加をOK」ということを決めました。

「子供がいるから、イベントやセミナーに参加できない」という方も多くいらっしゃるという声を聴いていたので、お子さんと一緒に参加していただけるイベントにすることが、参加のハードルを下げてくれ、参加者の皆さんに喜んでもらえるのではないかと考えました。

実際、当日はお子さん連れの方々も多く参加いただいたので、ワーキングペアレンツイベントをやるにあたって、この前提はとても大切だなと実感しました。

やって良かったもの②:授乳室

これはあきさんのアイデア。乳児のお子さんを連れて来る方もいるだろうからということで、会議室に幕をして授乳室を設置しました。
子供を持つ親でないと思いつかない気遣い。流石です。かなり活用していただき、おもてなしとして、ワーキングペアレンツの方が安心してセッションを聴いていただける仕組みとして、とても良いスペースをつくれたと思います。

やって良かったもの③:キッズスペース

コーポレートの方々からの提案で、普段使っていた(恵比寿オフィス時代)段差のベンチがあるイベントスペースの床部分に、子どもや参加者が座れるスペースを設置。キッズ用マットを利用して、素敵なキッズスペースを設営できました。

また、子どもがイベント中に飽きてしまわないように、遊び道具も用意。手伝ってくださる方々のおかげで、細かな気遣いをいろいろなところに散りばめることができました。

やって良かったもの④:グループ相談会 @床

上記で用意してもらったキッズスペースはパネルセッション中に機能するだけでなく、その後の相談会で大活躍してくれました。
相談会が始まると、自然な流れで床に皆で輪になって座り、パネリスト参加者関係なしに親身に話し合う空間ができました。

床でのまさに座談会は、アットホームな環境づくりに大きく貢献してくれました。普通に企業イベントでも床で輪になって勉強会すると、すごくアットホームな環境つくれて濃い話ができるんじゃないかという気づきもありました。

反省点・改善を考えるべきこと

逆に、イベントを開催してみて、気づいた反省点や改善点も見つかりました。例えば、下記のようなものがあります。

反省点・改善点①:いつ開催すべきか(開催する曜日&時間帯)

ワーキングペアレンツの方々が参加しやすい時間帯や曜日がいつなのか、これを決めるのが一番難しかったです。

今回は、朝、保育園に送っていった後に直接参加していただけるように、午前中からお昼にかけて開催しましたが、逆に夕方の方が都合つきやすい方もいますし、そもそも平日は難しく、休日の方が都合が良いという方もいらっしゃいます。

平日か休日か、どの時間帯か、キャリアイベントをする上で、日程の決定はとても重要です。

反省点・改善点②:イベント後のフォロー&コミュニティづくり

今回のイベントは、本当に熱量が高いイベントとなり、イベント終了後もほとんどの方が会場に残って、まだ話し合っているような状況でした。そして、パネリストともとても親身になってくださった方も多くいらっしゃいました。

そこで、採用選考に進む進まないにかかわらず、参加いただいた方々とのつながりを今後も継続できる仕組みづくりをしておいたら良かったなという反省があります。

その後のフォローコールや選考フロー相談では、カルチャーチームのうっちーが対応してくれたものの、せっかく採用色をあえて出さない、本当に価値のあるキャリアイベントをしたのだから、そのつながりをさらに強め、今後も情報交換し合えるコミュニティをつくれる機会だと思います。

たとえば、Facebookグループなどを利用すれば、簡単にオンラインコミュニティをつくれるので、こういう仕組みを事前に考えてつくっておくのも一つの手です。この反省から、別イベント『B2B MARKETER MEETUP』というミートアップ企画では、イベント後のつながりづくりの為に、オンラインコミュニティに力を入れています。

イベント結果と参加者から頂いた声

岩井くんやうっちーが全力で集客に尽力してくれた結果、申込みは当初予定していた30名を越え、約40名にお申込みいただき、当日は30名の方にご参加いただきました。

本記事でこれまで書いてきたように、パネリストのオープンかつ率直なお話と、その後のパネリスト参加者同士の親身な相談会によって、参加者の熱量もかなり高いイベントとなりました。ありがたいことに、その後のアンケート結果では、5段階評価で最高評価である「とても満足」に9割以上の方がチェックをつけてくださいました。

アンケートの中で、参加者から頂いたコメントの一部をご紹介したいと思います。

・ワーキングマザーの働き方(生活で工夫されてること、家庭と会社内での調整等)がわかって今後、具体的に生かせそうだと思った。
・子供さんいるいない関係なく、信念の強い、働くことに対して意欲のあることが働くうえで大切だと感じた。
・輝いている女性が世の中にいることを再認識できたことがよかったです
・今まで子育てしながら仕事をしている方の話をきく機会がなくとても有意義な時間でした
・感動した。私ももう一度頑張りたいと思えたので。
・社内にはママ社員がほとんどおらず、こういったお話を聞く機会が全くなかったので、参加できてとてもよかったです。
・働き方は様々で、子育てをしている方たちは偉大だと思うエピソードばかりでした。考え方が広がりました。
・育児と仕事の両立のモチベーションに対してヒントをもらえた。
・自分で人生をデザインする、子供が生まれたことで転職するきっかけになった。とても共感できることをストレートに言う皆さんがとても良い顔をされていたのがはげみになりました。
・「家庭、育児をとりしきるCEO」は名言です!子どもの環境優先にすると、自分の優先順位があとまわしになりがちなので、大切にしなくては!と思いました。
・子どもが生まれたということで、働くことにセーブをしたり、望まない仕事に就かねばと思っていたけれど、そんなことないと思えた。

そして後日、このイベントから9名の面談が組まれ、実際に3名の方にユーザベースへジョインしていただくこととなりました。そのうちの一人である黒瀬さんは、現在ぼくたちFORCASのインサイドセールスメンバーとして、日々活動してくれています。

黒瀬さんという良いメンバーと出会えたという意味でも本当に良いイベントとなり、ぼくたちの当初の目的であった「インサイドセールスメンバーの採用」も無事果たされました。

パネルセッションでは、登壇者の方々に「オフィスに子供も連れてきて働く働き方」「自宅からリモートで商談をしする」など、家庭との両立を実現した働き方をそれぞれお話いただき、さらに単に働き方の一事例としてではなく、ワーキングペアレンツとしてのもっと根幹的な考え方について、各々が熱く実体験を元に、リアルなストーリーを語っていただきました。

イベントを通して、ぼく自身も一ビジネスマンとして、充実した働き方をするためには「自分で自分の働き方をデザインする」ことの重要性を学びました。

また、企業サイドとして、ワーキングペアレンツが働きやすい環境づくりをする上で本当に大切なことは、働き方改革で新しい制度をつくることではなく、社内で自由な働き方を受け入れるカルチャーを醸成すること。その文化づくりこそ力を入れるべきであり、そのためにはいかに「人」にこだわり、新しいことを受け入れる環境をつくれるかだと感じました。

"バイネーム"でターゲティングすることの重要性

WPMで学んだ一番大きなことは、「バイネームでターゲティングをすることで、本当に集めたい人をピンポイントで強力に集めることができる」ということ。

今回はインサイドセールスチームの人材採用が急務という課題から、インサイドセールスチームの"あきさん"のような人を集客したいとターゲティングし、いかに"あきさん"のような方に興味を持って行動を起こしてもらえるか、を前提に考えながら企画を作成しました。
(バイネームでのターゲティングについては、前編『セミナーノウハウを活用して中途採用を成功させた話 -企画編-』をご参照)

結果として、目標の集客数を達成できたことも良かったのですが、当初の目的である「カルチャーフィットした優秀な人材を集める」という目的自体を果たすことができ、仲間と出会えるきっかけづくりとなったことが何よりの成果だと思います。

ここで効果を実感した"バイネーム"でのターゲティングは、その後のセミナーだけでなく、ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)を実践する上でも活用していくことにつながりました。多角的に学ぶことの大切さも改めて実感しています。

インターン岩井くんの振り返り

WPMを開催した日の岩井の振り返りがとても素敵だったので、ここで紹介したいと思います。(文中のJJさんとは、ぼくのことです笑)

本日は主に二つの学びがありました。一つはオフラインのセミナー施策について、もう一つはこの会社が本当にすばらしいという点です。

まず、一つ目についてですが本日皆さんご存知の通りWorking Parents Meetupがありました。そこで気づいた点として本当に課題感を持っているお客様がセミナーコンテンツで何か学びを得られたとき、1-1のインタラクティブなコミュニケーションを求めるようになり、そのセミナーの温度感が非常に高くなるということです。
もっと端的に説明すると、
・学びへのモチベーションはあるが知識のない
・同じレベル感のお客様が集まるオフラインイベントで
・少し自分に近い人(親近感の感じる人)から課題感に刺さる知識を得られたとき
・クローズドなコミュニティの場で(10人未満)双方向のコミュニケーションを期待し、自然と熱が高まるということです。

これは先ほどJJさんとディスカッションしていて自分たちが行ってきた成功したオフラインイベントを振り返って見つけられた共通項です。特に今回WPMは非常に温度感が高く、残留率が過去最高でした。
これはまだ一種の仮説ではあり、まだ細かい条件がありますが、今後のセミナーにこの仮説を盛り込み検証していきたいと思います。
これが本当なら自分たちは真の共創できるコミュニティを作ることができると思います。

二つ目の気づきはこの会社は本当に素晴らしい会社だということです!
今回のWPMで登壇者の方々はこの会社の当たり前の働き方を話しただけのように感じました。しかし、終わった後のアンケートを見てみると面談希望や募集の詳細な説明を希望するといった内容が多くあり、本当に驚きました。
全く会社の宣伝などはしていないのに、この結果は本当に恐るべきものだと思います。やはり、UBの当たり前は他の会社の当たり前ではなくて、このワーママという観点で採用をかけるということがある意味ブルーオーシャンシフトなんだなと感じました。

これに関してJJさんが
「人事であってもそれは結局マーケティングでもある。ただ募集をかけるのではなく、違うセグメントからアプローチをすることで優秀な人材を確保できる」とおっしゃっていました。
これは非常に自分の中では納得感のあるものであり、マーケの面白さに気づいた瞬間でした。

僕はワーママのイベント集客を行っただけのはずでした。
しかし、そこから学べるものは非常に多く、そういう機会をジョインして一か月で自分で体験できて学べるような環境があるUBが本当に素晴らしいと感じました。

最後にですが集客達成できてほんっとうに嬉しかったです。
ご協力してくださった皆様、ありがとうございました!

カタチにはないものが熱量を高める

岩井くんも書いてますが、「人はどういう時に熱量が高まるのか」という日頃の疑問に対し、このWPMでは本当に多くの気づきを得ることができました。

イベントで大切なことは、「コンテンツ」と書いてきましたが、コンテンツで単に話の内容が面白いというだけでは熱量は高まりません。

「人と人との密なつながり」「共感」「聴くだけでなく、伝え合うこと」。

そういう目には見えないけれど、その空間には確実に存在していて、言葉よりも本当に大切なもの、エモーショナルな感情とアクション、それこそが人に熱量を生じさせ、伝導し合う元なのだと思います。

以前書いた記事「Aテーブル作戦」でご紹介した参加者の熱量を最大化させるために必要な要素のマトリクスも、ここから着想を得ました。

このキャリアイベントを経験したことで、ぼくたちのセミナーやイベントの在り方を見つめ直すことができたターニングポイントだったと思います。

Webマーケティングに代表されるオンラインマーケティングは、データ測定が容易で、PDCAも回しやすく、結果の可視化と改善の動きがわかりやすい。
一方、イベントというオフラインマーケティングは、やること自体が目的化されがちで、やって終わり、結果検証がなかなかできない、というように見られがちです。

でも、実際はそんなことはなく、オフラインはめちゃくちゃデータがとれますし、仮説検証のプロセスもやり方次第では高速に回すことと可能だと思います。
そして何より、自分もその空間を体感しながら、定量だけでなく定性的な思考プロセスを進められることは、とても楽しく、おもしろい分野だなと考えています。

今回のイベントでは、普段自分たちマーケティングチームだけで企画運営していますが、ユーザベースグループの多くの方々にご協力いただき、さまざまな点で助けていただきました。

さいごに、イベント準備で助けてくれたカルチャーチームのうっちー、登壇を引き受けてくれた、しのぶさん、久川さん、丸ちゃん、あきさん、取材から当日運営まで手伝ってくださったやまぴーさん、イベント設営や準備を率先して手伝ってくださったコーポレート(Waku Work Team)の皆さん、カルチャーチームの皆さん、FORCASメンバーのみんな、ユーザベースグループのみなさん、本当にありがとうございました!

尚、FORCASでは、現在キャリアイベントのカタチを変えて、人事担当の小田切(ぎりさん)を中心に、SaaS業界で働く方々を対象とした『SaaS Career Night』というキャリアイベントを開催しています。今後も開催していく予定ですので、ご興味ある方は、ぜひご参加ください。

今回も長文を読んでくださり、ありがとうございました。内容が少しでもお役に立てれば幸いです。ではっ!

前編はこちら↓


読んでくださってありがとうございます。まだまだ試行錯誤の連続ながら、自分たちの日々の取組みから得た気づきをシェアしていきたいと思っています。