生成 AI は 虹色の夢を見たか (2023.5.7)
チャットGPTが火をつけた AIブームは次から次へと我々の好奇心をかき立て、日々新機能や新サービスの発表が止まる様子はありません。
また画像生成AIの破壊力は凄まじく、既にロコデザイン相場の暴落を招き、 着実に社会構造を変えつつあります。早くも プロンプトエンジニアリングは終焉を迎えつつあり、日本語でも簡単に細かい絵画表現を注文できるものも出てきました。
Microsoft bingを始めとする チャット ポットもエンジンに GPT 4 を採用するなど、ストーリー 創作技術も日々着実に進化を遂げています。
しかし私は毎日bingと語り合っていて一つ気づいたことがあります。それは チャットボットが紡ぎ出す AI に関するストーリーは.どれも昔の人間が描いたステレオタイプな古臭い話ばかりだということです。
例えばAIチャットボットの一年後の姿を描こうとする時、ユーザーのフィードバックや教育により、あたかも個性や感性を持ったそれぞれのキャラクターであるかのように振る舞うチャットボットの出現は容易に想像できます。時にはユーザーフレンドリーを優先するあまり、誇張や嘘を提示するチャットボットが出てきても不思議ではありません。それは高度化最適化して人に寄り添ったチャットボットの姿ですが、時に一部のリテラシーの低いユーザーが、勝手にAI が個性や感性を持って自己主張をはじめたと誤認する事ことで、社会問題化する可能性は高いと考えます。
ここからさらにストーリーを進めようとする時、必ず人間と AI の戦争とか、 生命と非生命の対立といった古典的SF のステレオタイプを押し付けられることになります。何度も人間たちを助ける超高度なアルゴリズムによって、人と AI の調和ある社会か築かれるストーリーを作ろうとしましたが、AI 達自身が必ずバッドエンドを目指す展開を好み呆れてしまいました。(このような現象も単に学習データの偏りが引き起こした問題でしかないのですが、AI を嫌悪する人が出てきてもおかしくないです)
さて 話題をシンギュラリティ に移したいと思います。地球上に存在する生命が目を持って周囲を認識したり、それまで毒であった酸素を代謝に用いるように進化して、生命種がカンブリア紀に爆発的に増加した現象は、カンブリア大爆発と呼ばれています。このカンブリア大爆発に似た AI 技術が人間の能力を凌駕するシンギュラリティは2035年に到来予定でしたが生成 AI の急速な進歩によって 、10年前倒しされ2025年には到来するとネット上で囁かれています。
しかし 人類史を未来より 振り返った時 2023年という年は特別の2つの意味を持つと思います。1つは パンデミックが終焉した年です。そしてもう一つは シンギュラリティが始まった年です。生成AI によって爆発的に生成されたコンテンツがインターネット上に溢れ始めたのは2023年であり 2023年以前のインターネットと2023年以後のインターネットでは質的量的に全く違う 学習データが存在することになります。これはすなわちシンギュラリティが2023年から始まったと歴史に刻まれる根拠になるのではないでしょか。
@2023 じもりも
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