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「真理は一つか?」リベラルアーツ読書会

1.はじめに

こんにちは。学生団体ラジリアとコラボして『大人になるためのリベラルアーツ』という本の読書会イベントを行いました‼️今回のテーマは真理は一つか?というものです。

2.話題提供

話題提供では、本でなされている導入を簡単にまとめ、対話をする上での共通した前提を作ります。著作権の関係上、簡単に記事に致します。
まずは、真理という言葉についての定義をしました。

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真理とは当然ですが、さまざまな意味があります。今回は真理を何らかの社会的な決定をするための根拠と定義をし話を進めていきます。

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すると世の中にはさまざまな情報や決定があります。一重に「科学」といってもその中身もさまざまです。例えば自然科学と社会科学では科学の再現可能性や反証可能性も異なるでしょう。

そこで今回は、自分の持つ真理を相対化し、物事を考えるような対話を行いました。

3.対話パート

対話パートではこのような準備に自己内対話とその共有を用いて進めました。ここでは三人の方が考えた真理をめぐる対話(自己ディベート)を紹介いたします。

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1.自分野の真理と他分野の真理との対立
・Aさん(ビジネス分野):
ビジネス分野では収益の最大化が善であるという真理と、人文領域では探究することが真理だという対立。その結果、研究者や社会課題解決型企業にお金が回っていない弊害があると思う。
・Bさん(教育分野):
教育の現場において、教育の目的は学問として客観的能力(成績)をつけることとする真理と学問は無限にあるので、成績よりかは人間の成長や数値化できにくいようなものを大事にするべきという真理の対立。
・Cさん(機械工学分野):
機械設計の際に、可能な技術をより洗練しより良いものを作ろうとする真理と、営業や需要における使いやすくまとめられるべきものを作るべきだという真理

2.他分野の心理から自分野の真理への批判
・Aさん(ビジネス分野):
何かしら善の共通指標が無いと経済が発展しない
マーケットニーズがある=社会貢献になっている
・Bさん(教育分野):
学力(社会で求められる受験などの試験成績)重視の教育者は良いのか、またどの程度重視すべきか
「学力以外の部分(人間的成長)において魅力的」な教育者をどうやって評価するのか。←そもそも生徒(人間)に同じ人間は居ないので評価しようがないではないか、という批評
・Cさん(機械工学分野):
技術的に可能かどうか?という視点のみで人間が使うという視点が抜け落ちやすい(最近はそんなことも無い気がするが、アップルに対するソニーの例等)
また、立場の優劣

3.2に対する自分野からの反論
・Aさん(ビジネス分野):
そもそも経済発展を目的にすることがおかしい。あくまで手段である。
マーケットニーズがあることは社会貢献には必ずしもなっていない。Bullshit jobsやhidden costが発生している
・Bさん(教育分野)
評価できないものは教育的に考慮しなくて良い理由にはならない。
・Cさん(機械工学分野)
機械工学はあくまで機械について扱うことが主目的であるから 何を作るべきか?どのような性質は社会の要請だったり他の知からそれこそ操縦されるべき

4.1-3の対話によって学んだことや気づいたこと
・Aさん(ビジネス分野):
「離れる」ことの難しさ。現代の常識から離れて考える、自分の視点から離れて物事を見る、といったことの難しさが対立を助長している気がする。
・Bさん(教育分野)
学業成績以外の部分の「教育学」は大変難しい分野だと(理論は色々あるが、工学的な技術とはかなり異なる)と感じた。これ自体が、短期的成果からはかなり離れるものなのだろうと思う。
一方、1人として同じ生徒が居ない分、傾向は掴めても、終わりなき分野であることもまた楽しいと感じた。自分の学問と社会全体との再確認が出来た。
・Cさん(機械工学分野)
結局一つの真理だけではなく多くの真理を重ね合わせてコラボレーション、綱引き、決断していくことが望ましく、真理を戦わせることが重要なのではないか。機械工学についてはそのため新領域的な人間工学や環境工学があるしそれは佳い傾向だと感じた。


4.全体の感想

・自分の学問分野と社会との再確認、再定義が出来た。
・人文について考えている方が多く刺激を受けました。
・経営者におもいをめぐらせてよかった。経営者がどんな夢を持っているか?に思いを巡らせるのも大事かも
・真理は一つではないと思ったので必ずしも対立を否定する必要はないと思いました。
・ビジネス的な話は冷徹で、聞いていて一瞬ビビってしまうが単純明快。 教育やSDGsの仕事は、そのビジネスから生まれた人類の悩みが集積しているのかもしれない。 その分大変だが、優しい気持ちを持ち続け、自分も生きたいと思った。

5.終わりに

ご参加ありがとうございしまた。今回はセルフディベート形式で個人作業が多めでしたが、向こう側の視点から眺めることを普段はしない筈です。参加者の皆様にとっていい機会になれば幸いです。
次回もぜひ参加してください‼️

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