海外駐在で学んだ事から今を考える
既に16年以上前になりますが、海外駐在時代に日本人としていろんな事を学ばせてもらった。良いとこ悪いとこ全部引っくるめて、海外駐在しなければ分からないこと。
やはり極限状態に追い込まれ、なんとかしなければという状態になると、人間力を発揮します。今がまさにそういう状況じゃないかな。今回はそんなお話をしたいと思います。
これから頑張って行く若者に、何かの参考になればと思って書きました。
日系企業はワールドカンパニーではない
なんか日系企業って言うと、ワールドカンパニーっぽいような感じがしますが、実態はワールドカンパニーとは程遠いような気がします。
今は10年以上経過しているので、だいぶ変わったかと思いますが、でも自分としては根本は変わっていないと思っています。
幾つかの日系企業とお付き合いが有ったので、その中でそれはないでしょっていう例をあげます。残念なことに、自分はいわゆる先進国での駐在はありません。
今から話すことは全て東南アジアでの体験談であることを、事前に断っておきますね。
仕事の関係でとある会社に行った時の話です。
自分は駐在員なので、片言ながらも現地語を話してレセプションで受付をしました。その時に言われた事に結構衝撃を覚えました。
「あなたは日本人ですが、どうして現地語をしゃべるのですか?」
これってすごく違和感ありません?外国に来ているのですから、その国の言葉を話すのは当たり前だと思っていたのです。
しかし、その会社では日系企業だから、社内公用語は日本語だという尾です。後で、実際の日本人スタップと打ち合わせを実施した後に聞いたところ、すごい話が聞けました。
日本の会社だから公用語は日本語で、スタッフとエンジニアのマネージャークラスは日本語検定を取っている人以外雇わないと豪語していました。
アドミンの掲示板には顔写真入りで、誰が日本語検定の何級をもっているのかが表示されているのです。
こんな会社始めてみました。
今まで現地企業で働いている日本人は当然現地語を話しますが、日系企業であっても基本は英語を公用語にするか、少なからずみんな現地語を話しました。
この大手日経企業だけは別格でしたね。思ったとおり、社内はうまく行かず業績悪化で10年の内に撤退したようですが。
日系企業だから偉いんだっていう風潮が強く、現地人との間に昔で言う士農工商のような制度が暗黙のうちにできているみたいなんです。
マレーシアのように、多民族国家で国家としてプミドラ制度のような政策をしているとまた違うのですが。マレーシア以外でしたからね。
典型的な年功、民族主義で今の国内事情をそのまま海外に持っていっているんです。だから、20代の国内ではペーペーの若造が仕事も満足にできないのにマネージャーと言う役職につき、現地人お有能な人材を顎で使っているんです。
当然、内部反乱が起きない訳もなく、優秀な人材ほど直ぐに転職していくんですね。
そして一番の問題は、日本人同士で固まったり現地人との輪の中に入っていかないってことですね。現地語を話さないのも、どうせ直ぐにいなくなるしここは日系企業なんだから、現地人は言われた事をやっていれば良いって言う考えが、根底にあるようなんです。
だから、実力のない日本人は現地人に直ぐに見つけられ、上辺は部下のような振る舞いをするが、影では馬鹿にしている事は間違いないでしょう。
信頼を築くためには
まあろくでもないような事を書きましたが、実際に現地法人の運用を行っているキーマンの人達は、常にいろんな事を考えています。
いい会社ほどピラミット構造がうまくでき、日本人の駐在員が少なくて現地人主導で運営されています。
ここには、現地の自律化という大きな目標があり、そのためには現地人に対して自己解決できる能力をつけなければいけないからです。
また、基本的には外国ですから日本人が理解できない制度や法があり、それをうまく切り抜けていくには、やはり現地人のちからが必要なんです。
自分がいた時の時代は、リーマンショック前の絶頂期でしたので、当時の社長の方針で1000人規模の会社では日本人は5人程度にしないと、余分な費用がかかり会社運営に影響が出るということから、自律性を高めるために多くの人材を管理職に上げました。
そして、ある程度の権限を譲渡し自分たちで運営させるようにしたのです。
以前は、言われたことをやっていれば良いと言うスタンスから、自発的に考えることをあまりしませんでしたが、権限を渡して一緒に会社運営をしていくという意識を植え付けることで、現地人との間に信頼関係を築きました。
進むべき会社の方針を明確にし、日本と同じように現地人幹部を入れた幹部会議で会社の実情を共有したんです。
会議も基本は生後で行い、わからないところは現地語と日本語で補完しあい意思の疎通を増やしていったんです。
日本人は現地語を、現地人は日本語を誰が教えるわけでもなく、自らが覚えて使うように成りました。
まあ文字で書くと数行ですが、実際には色々と問題があり1年以上は掛かりましたが。
前に書いた日本的段取りの話と同じように、良いことを現地人が分かるように分かるまで教えていけば、お互いに信頼関係が生まれて、運用が大きく改善されるのです。
最世に書いた会社のように、日系企業だからと上から押さえつけるような会社はうまく行かないでしょうね。
信頼は海外も国内も一緒
今回は自分の経験から海外の話しを中心に書きましたが、これは国内でもおなじですね。
親会社だからとか、発注元だからとかという立場を利用し、不当な扱いをする会社は後を絶ちません。
働き方改革が進むにつれて、下流へ仕事を追いやっているだけで本質は全く変わっていないんです。
そして日本は長い終身雇用制度から、親会社お言うことは逆らえないという不条理な柵に縛られています。
しかし、そういう状態の時こそ2つの行動を起こすべきです。
1つは無理難題に対してNoと言える体質を作ることです。Yesと言ってしまえば骨の髄までしゃぶられてしまいます。しかし、Noと言って報復行動に出れば社会が法的に黙っていません。
Noと言えない日本人と言われるように、言わないことが美として教育されてきた文化を捨て去るべきです。
そしてもう1つは、会社が生まれ分かるチャンスです。無理難題を言われた時、できないでは今後もできないことだれけになります。難しい難関だからこそ、みんなで知恵を絞り、お互いを信頼してアイデアを出すんです。
窮鼠猫を噛むではないですが、追い詰められたときが一番力を発揮する時です。まずはアイデアが枯れるまで考え、実行してみましょう。
必ず道は開けます。
自分が今回言いたかったことは、意外と追い詰められている人って少ないと言うことです。
本当に追い詰められれば、究極状態から脳が覚醒しアイデアが溢れてきますので、それを全て行動に移すと言うことです。
今、世の中で成功している人は、サラッと毎日続けることだよって言うと思いますが、自裁には後がない状態まで追い詰められ人知れず努力と行動を起こした結果だと思うんです。
ちょっとだけ窮地に追い込まれた自分を想像してみると、何をするべきかが分かるかもね。
じぇいかわさきです。生産技術者として35年、今まで培った経験とスキルを元に、ものづくりに関わる世の出来事に対して思ったことをホンネで書いてます。ノウハウやアイデアもありますよ。 また写真も全力で撮っています、気に入った写真があればサポートや感想をぜひお寄せください。