歩きながら街について考えたこと集
目的のない寄り道
商店街を歩くのが好きで。
昨日は久しぶりの一人の時間に街を歩いた。
ふと目についた呑み屋街の小路に入ってみた。
今は昼時なので営業している店はなく。
小路は静かで、細く入り組んだ道は迷路のようで、年季の入った建物たちは自分が異世界もしくは物語の中に迷い込んだかのように想像させてくれる。
映画で例えると、インディジョーンズやジャッキー・チェンのような。不思議の国のアリスのアリスが不思議の国に迷いこんだような…
例えたもののニュアンスとは違うかもしれないけど、とにかくワクワクした気持ちで歩く。
小路から空を見上げてみた。小さく切り取られた青い空と呑み屋の青いテント、古い照明…
なんか素敵!エモい!絵になる〜!と心のなかで悶える私なのであった。
そんな「目的のない寄り道(もしくは脇道)」で、いつもの一人の時間よりも、更に充実した1人時間を過ごした気になれた。
余白のひとときってやつ。こういう時間を大事にしたい。けど、とろうと思ってとれるものでもない。意図せず充実した時間になる時もあればならない時もある。そんなもんだよねぇ。
地元の街
私が住んでいる県の中心街はこじんまりとしている。
官公庁や商店街の通り、そこから一本通りが違えば、北には飲み屋街、南には小洒落たカフェが並ぶ道。そこからさらに南や北に行ってしまうとアウトな旅館や事務所が存在するというエリア。
それらが商店街を中心に、徒歩圏内(もしくは辛うじて徒歩圏内)にギュッと集まっている。
なんてコンパクトで面白い街なんだろう。
地方の街のよくある景色なのかもしれないが、そんな街を可愛らしく思うときがある。
田舎
隣県の廃れた商店街群に行ったことがある。ただただシャッターが閉まっている、長いアーケードの通りだった。
過去といえども、これだけの規模で栄えるだけの力が、同じ田舎だと思っていた隣県にあったことに驚いた。
一方でうちの街をざっと観察してみると、廃れた感じはないけれど、今も昔も変わらずこんな感じの規模感だったぽい。
今も昔も、ここは田舎のなかの田舎、最上級の田舎なんだろうな?たぶん。って思った。
街の新陳代謝によって、あらわになる壁。
街では最近、緩やかに建物の新陳代謝が行われていて、古くて小さな商店や小さなビルが取り壊されている。
この時、隣りのビルの、今まで表に出てこなかった壁があらわになる。
「どうせこの壁は人目につかないから」が 、生み出した壁の模様を見ることが、私はたまらなく好き。
「あそこはどういう施工をしたらあんなになったんだろう」と考えながら眺めたり。
ダランと伸びた配管?白い筒がぶら下がっていたり、換気扇を新しく取り付けた感じの部分、古くからある壁の部分は黒ずんでいたり、トタンやレンガの部分があったり、よく見たら1階建ての木造家屋が埋め込まれていたり(増築して2階3階を作ったのかな?)…
などと眺めていると、ツギハギで色んな素材で組み合わされている壁が、大きな抽象画、コラージュ作品のように見えてくる。
時を重ねて、修繕や改築を繰り返しながら、意図せず出来上がった壁の模様。
新しいビルが再び隣に建てばこの壁たちは見えなくなるだろうし、この壁達もいずれ取り壊される時がくる。
今しか見ることのできない(かもしれない)光景に儚さを、偶然・無意識が生み出した面白い模様に美しさと楽しさを感じた。
ここでは壁萌えポイントを言葉にしてみた。「なんか好き」な事を言葉にするのは難しいな。
要は
・作ろうと思って作れるものじゃないところ、作ろうと思ってないところ
・時間をかけて出来上がっているところ
・今しか見ることができないところ
・諸行無常を感じる
な壁に萌えるってことかな?
まだ自分でも拾えてない事がありそうだけど。
衰退か否か
街で新陳代謝が行われている様子は、衰退していっているように見えるときもあれば、そうでもないように見えるもある。
取り壊された後、空き地のまま放置されているところもあるし、新しくマンションやお店が建てられたり。
昨日、街を散策した時にもポツポツと空き地が出現していた。
あそこには確か、お屋敷と言えるような広い敷地のお家があった…あそこは確か、昔ながらの酒屋さんがあった…。
あの空き地はどんな利用をされていくのかな。
そして街はどんな風に変わっていくのかな。
私はこの街をこれからも観察していく。
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